いつも通りも減っていく
紅白で、休止前最後かもしれない嵐の歌唱を見ていると、弟が千葉から帰ってきた。
あと数十分で年が明けても、久しぶりの弟の帰宅でも、我が家は何も変わらない。わたしはテレビに目を向けたまま、「おかえり」と声をかけた。まるで毎日言っているかのように。
翌朝、元旦は毎年家族揃って朝食のおせちとお雑煮を食べる。元旦は必ず白味噌のお雑煮。
父はいつもと比べると遅めの朝食だし、弟は早めの朝食。
わたしは年末年始のアルバイトをしていたので、朝食もそこそこに家を飛び出した。いつもなら、家族揃っ