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友達の形

仕事終わりに友人の家に遊びに行った。高校からの友人。
最近引っ越したから、友達を呼びたかったらしい。

その友人が今月誕生日だから、ケーキを買って行くことにした。
できるだけ、乗り換えの動線内でケーキが買えるお店を調べて、ちょっと遠回りして向かう。会社は定時で飛び出した。

ショーケースに並ぶタルトは、どれもキラキラしていた。少し前、ちょっと話題になった店らしい。ロゴも雰囲気もシンプルでおしゃれ。

そういえば、わたしは友人の好みを知らなかった。
苺が限定であったけれど、苺がそこまですきじゃない人って意外といる。弟がそんな感じだった。
チョコレートが定番?でも、どれもこれもキラキラしていて美味しそう。

ええい、思い切って4つ買ってしまえ。

選んだ4つのタルトを持って、友人の家へ。
「おめでとう」と言って手渡すと、めちゃくちゃ喜んでくれた。選びきれず4つ買った甲斐があるってもんだ。

ふと思った。
わたしは、この友人の喜ぶ顔が見たくて、お祝いをしたくて、タルトを4つも買った。
そこに、下心とか、見返りなんてものは一切なくて。ただ、友人のことを考えていたら4つも買っていた。

心地いい関係。少なくともわたしはそう思った。
わたしと彼女の友達の形は、これまで変化してきたけれど、これで一旦完成した気がする。

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