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商標弁理士と振り返るファミコンソフトのタイトルネーミング ~その8 「ワールド・ランド」編~

こんにちは、横浜市の商標弁理士Nです。

さて、商標弁理士である私が、ファミコンソフトのタイトルを総チェックし、それらのネーミングについて、独自にカテゴリー分けをして言及した上で、商標実務の観点からもコメントしようという本企画。

今回で、早くも第8回目を迎えました。
そろそろネタ切れしそうですが、もう少しだけ続きます(笑)。

前回は、「繰り返し系」のタイトルについて考察しました。
今回は、引き続き「ワールド・ランド」関連のタイトルを見ていきましょう!

~閲覧にあたってのご注意~
※商標弁理士Nがチェックしたファミコンソフトは、1983年~1994年までに正規のルートにて「カセット」で発売されたものとなります。ディスクシステムのソフト等は含まれません

アニメ、漫画、特撮、映画などの原作があるもの、元ネタとなるキャラクターがあるものなどのタイトルは、原則として除外しています。

※タイトルの解釈や、そこから生じる意味合いの理解が間違っている場合もあるかもしれませんが、あくまでネーミングを独自にカテゴリー分けしてコメントすることが本題となりますので、その点はどうか温かく見守っていただければと存じます。

独自の世界観を表現する「ワールド・ランド」ネーミング

私たちが普段生活をする中で、「〇〇〇ワールド」とか「〇〇〇ランド」というネーミングを見聞きすることが、少なくないのではないでしょうか。

その中でも、テーマパークや遊園地に関連したネーミングが、比較的多い印象があります。たとえば、「〇〇〇ワールド」には、USJにある「スーパー・ニンテンドー・ワールド」がありますね。また、「〇〇〇ランド」には、かの有名な「ディズニーランド」や「よみうりランド」などがあります。

「ワールド(WORLD)」は「世界」、「ランド(LAND)」は「土地」を意味する語として、我が国でもよく知られていると言えますが、「〇〇〇ランド」の場合の「ランド」は、どちらかというと「国」のような意味合いで理解されるものかと思います。

よって、このような「〇〇〇ワールド」とか「〇〇〇ランド」のネーミングは、全体から「〇〇〇の世界」、「〇〇〇の国」といった意味合いを生じると言えるでしょう。いずれも、そこに独自の世界観があることを表現するのには、わかりやすく、最適なネーミング手法と言えるのではないでしょうか。

それでは、ファミコンソフトのタイトルのネーミングにおいてはどうでしょうか? ゲームの中の世界には、まさしく、それぞれに独自の世界観があると言っても過言ではありません。このような世界観をわかりやすく表現するために、「〇〇〇ワールド」とか「〇〇〇ランド」のネーミングが使われていても、何もおかしくありません。

そこで調べてみたところ、やはりそれなりの数が見付かりました。
ただ、「思っていたより、かなり少なかった」というのが、正直な感想です。

「ワールド・ランド」ネーミングのファミコンソフトタイトルの一例


では実際に、「ワールド・ランド」ネーミングのファミコンソフトのタイトルの一例を見てみましょう。

まずは、「〇〇〇ワールド」のネーミングのタイトルです。

・デビルワールド       (任天堂)
・西遊記ワールド     (ジャレコ)
・西遊記ワールドⅡ    (ジャレコ)
・コナミワイワイワールド (コナミ)
・ワイワイワールド2   (コナミ)
・アスレチックワールド   (バンダイ)
・ラフワールド       (サン電子)
・ぱられるワールド     (バリエ)
・カオスワールド      (ナツメ)
・バーコードワールド    (サン電子)

私が好きな名作ゲーム「コナミワイワイワールド」などがありますね。
ちなみに、原作や元ネタのあるファミコンソフトの中にも、「SDガンダムワールド」、「ビックリマンワールド」、「ハローキティワールド」があります。

次に、「〇〇〇ランド」のネーミングのタイトルです。

・クルクルランド      (任天堂)
・パックランド       (ナムコ)
・バイナリィランド   (ハドソン)
・マッピーランド    (ナムコ)
・リップルアイランド  (サン電子)
・ドナルドランド    (データイースト)
・エッガーランド    (HAL研究所)
・ワギャンランド    (ナムコ)
・ワギャンランド2   (ナムコ)
・ワギャンランド3   (ナムコ)
・レインボーアイランド (タイトー)
・プロディアランド   (東京書籍)
・アスミッくんランド  (アスミック)
・妖精物語ロッド・ランド(ジャレコ)
・キョロちゃんランド  (ヒロ)

当時の「ディズニーランド」人気の影響があったのでしょうか、「〇〇〇ワールド」よりも「〇〇〇ランド」のネーミングの方が多い印象です。

また、比較的ファミコン初期のタイトルが多い気がしますね。

ちなみに、「ドナルドランド」は、あのマクドナルドのキャラクター達が登場するアクションゲームで、私は小さい頃にかなりハマって熱中した思い出があります。

キョロちゃんランド」は、皆様よくご存じの森永のお菓子「チョコボール」のパッケージキャラクターである「キョロちゃん」が主人公のアクションゲームです。現在は、中古市場でもかなりのプレミアが付いているとか。

商標実務的にはどうか?


上述のように、「〇〇〇ワールド」とか「〇〇〇ランド」のネーミングは、全体から「〇〇〇の世界」、「〇〇〇の国」といった意味合いを生じ、独自の世界観を表現しやすい語になると言えます。

ですから、こういったタイプのネーミングが、商品やサービスの商標として採用されても、何もおかしいことはありません

ここで、特許庁のデータベース(J-PlatPat)で、「?ワールド」をキーワードとして「商標(検索用)」で検索すると768件、「?WORLD」をキーワードとして同様の検索をすると2187件がヒットしました。

また、「?ランド」をキーワードとして「商標(検索用)」で検索すると1840件、「?LAND」をキーワードとして同様の検索をすると2726件がヒットしました。

これらの検索結果がすべて「〇〇〇ワールド(WORLD)」や「〇〇〇ランド(LAND)」という構成からなる商標というわけではありませんが、それでもかなりの数が存在しているであろうことは予測できます。

なお、「商標が似ているかどうか」が判断される際には、これらの商標は全体としての観念が生じやすいこともあり、基本的には商標全体での比較によるということになるでしょう。ただし、たとえば、「〇〇〇 ワールド(WORLD)」のような商標の「〇〇〇」の部分が、商品やサービスとの関係で識別力がないような場合は、「ワールド(WORLD)」の部分が「要部」であるとして、他の商標と比較されるケースも考えられます。

このあたりは、「結合語編」で述べた点と、ほぼ同じです。

という感じで、今回はここまでとなります。
本企画も、そろそろ終盤に差し掛かってまいりました。
次回は、「ファミリー」を含むネーミングについて見ていきましょう!

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