『 余白 』
地域の『有る』を広げるデザイン事務所包むデザインです。
デザイナーの先輩によく余白を大切にしないデザイナーはダメだと教えられてきた。「『 余白 』に世界観をもたせる事が出来て一人前やからな!」そう言われて余白について学び続けました。
余白を広く取ると高級感が出る
余白を狭くすると楽しい感じになる
余白に細い線を足すと高級感が出る
余白に太い線を足すと楽しい感じなる
これで先輩の言っている事が理解できた!
そういう仕組的なところをしっかり抑えて余白を取りキレイに整えて先輩に提出すると「君の『 余白 』には世界観がないねん!」
当時、先輩の言っている事が全くわかりませんでした。
続けて先輩は「君にはこんなに世界観があるのに余白には世界観を感じないんや」と言われて「余白ってなんですか?」と私は先輩にたずねたところ
「余白もデザインの一つだからロジックで『 余白 』をつくってはいけない」
言ってることはわかるけど余白で世界観をつくるのはロジック以外ないよ…そう思ってました。のちに気が付くのですが先輩の言っている『 余白 』とは単なるスペースの事ではなかったんじゃないか?と気がつくことになります。
そのきっかけが和えるオンラインサロンでした。
『 余白 』はデザインにおけるものだけではない
結論から書くと『 余白 』とは不完全なモノだと気が付きました。
何を書いてるんだこの人は…と思う人も多いかもしれません。
きっとそれが先輩に指摘を頂いていた時のわたしの反応です。
不完全なモノをデザインで語るなら100%伝えたい事を伝えない事で消費者の創造性を刺激して消費者とデザインの間でコミュニケーションを図る。
これは日常会話でもそうで100%良いところを伝えるのではなくて『 余白 』残して話すことで質問につながったり会話の中で想像力を働かせる余地を残せます。
100%で完璧に良いことや正しい情報を伝えられても「すごいね…」や「お…おう」みたいな反応が来ることが多いです。情報過多のこの時代に同じ情報でも完璧な情報より『 余白 』を持ってコニュニケーションが楽しめるモノの方が良いことが有るのではないでしょうか?
『 余白 』に気がついたきっかけ
デザイナーでデザインを毎日つくる日々の中で『 余白 』が不完全モノであるというある種真理には気が付かなかったでしょう。気が付かされたきっかけになったのは和えるオンラインサロンでの活動でした。
和えるオンラインサロンとは
宣伝みたいになり大変恐縮ですが、前提を知っていただくために和えるオンラインサロンについて少し紹介します。
和えるオンラインサロンとは、株式会社和える(aeru)さんの開かれているオンラインサロンです。
株式会社和えるさんは、日本の伝統を次世代につなぐを軸に『売り手よし』『買い手よし』『世間よし』の近江商人の三方良しに加えて『文化よし』『伝統よし』など三方良し以上のビジネスモデルを目指されています。
和えるオンラインサロンでは、まなびの場と直感対話の場というオンラインイベントが月に1回づつ開催されています。
学びの場では、オンライン・オフラインでの伝統工芸の職人さんの工房見学。直感対話の場では、和える社長の矢島里佳さんとコミュニティーメンバーで抽象的なことから具体的なことまでを対話し深めていくなどしていく場です
この直感対話の場で『 余白 』不完全なモノだと気が付きました。
自分の思考に『 余白 』が無いことに気がつく
直感対話の場では、重ねてになりますが抽象的なことから具体的なことまでを対話し深めていきます。多種多様な話題が対話されていき、深まっていくその中で自分にストンと落ちるものが毎回あるのです。
まさにこれが『 余白 』を知るきっかけでした。
直感対話の場が終わりふっと服を買いに行ったのですが、自分の行動に唖然としました。良いものを見つけると値札をすぐ見るという行動をしていたのです。
包むデザインの理念にリスペクトする事の重要性をうたったものがあります。ですが、自分自身の生き方としてリスペクトより金額を優先していた事に気が付かされたのです。これは直感対話の場で一旦考えて対話してみる癖がついていたため気がついたものでした。
そこで金額を見ずに商品を手に取り商品を自分ならどう使うか?どうやって味わうかを想像してみました。この行動が消費者の行う『 余白 』です。
この服は暖かくてそれでいてスタイリッシュ!きっと友人のあの人と食事しながら遊ぶと楽しい気持ちになるなー!あとココも行きたい!あの人とも会って…などどんどん創造を膨らませました。
この創造をかきたてるものこそ『 余白 』
『 余白 』力を鍛える
買い物から帰ったあと『 余白 』を意識するために始めたことがあります。
人生において立ち止まって考えるゆっくりじっくり考える
今までの当たり前を深く考えてみる。疑うではなく味わう
人、モノ、コト、時間の流れをゆっくりと感じて考える時間をとる
この3つを取り入れて行動をすることにしました。
すると、デザイナーの先輩が言っていた『 余白 』についてよくわかりました。
少し強い言葉で当時の自分をあらせすと理屈で顧客を納得させようとしかしていないデザイナーだったのです。
きっと先輩は「理屈だけ100%伝えることを目標にせずに顧客とコミュニケーションを取る『 余白 』を覚えなさい」と教えていたのです。
これはデザインだけではなくてやはり人生におけるいろいろな場面でつかえると思いますので応用してみてくださいね!
これからは特に『 余白 』が大切になってくる
大量生産・大量消費…
検索すれば情報が手に入る時代…
そんな中で大切になってくるのは『 余白 』だと思います。
正確に正しいことを100%受け取るほど人は情報に魅力を感じていません。自分の好きな世界観にあうものが大切にされる時代がもう来ています。
会話でも同じことで正しい情報を100%伝えるのではなくて、自分の言葉で自分らしいことや体験談を話すほうが魅力に感じると思います。正しい情報は検索します。
最後に「岡倉天心著 茶の本」よりで締めます
岡倉天心著 茶の湯には以下のように書かれています
「完成した美を追求するのが西洋」
「不完全な美を重んじるのが東洋」
この東洋の重んじる不完全な美こと今求められておりこれこそが『 余白 』の正体です。
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