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『風が強く吹いている』

600ページを越える小説だったが、登場人物の走りと連動するように、フィナーレに向けて一瞬のうちに過ぎていってしまった。


箱根駅伝は10人が襷を繋ぎゴールを目指す。
サッカーは11人がボールを繋ぎゴールを目指す。


“ 皆で一つのモノを繋いでゴールへ届ける ”


本を読むときには、自分のことや競技(サッカー)と関連することはないか?という視点で読むことが多い。(もちろん、純粋にその作品の没頭することもある)


読み終わったあと「おもしろかった」と思える本は、おおよそ、サッカーに変換できたり、自分のことに置き換えたりして考えさせてくれる言葉があったとき。


どんな立場であれ、境遇であれ、走りの前では、全員が同じスタートラインに立つしかない。成功も失敗も、今このとき、自分の身体ひとつで生み出すものだ。


この一節を自分なりに解釈すれば、


どんなに過去の実績が凄い選手も、
どんなに年俸が高い選手も
どんな理由でサッカーをしていても、


ピッチに入ればみんな平等で、
どんな試合も0−0から両チーム11人ずつで始まる。


ピッチの上ではごまかしはきかなくて、多くの人に観られたなかで、何ができるかだけが問われている。


改めてスポーツ競技のシンプルさを痛感させられた。


同じ集団競技であるから、共通点があって当たり前だが、本を読みながらこのようなところを探すことは読書の楽しさの一つ。


また、ここからお正月の箱根駅伝に興味が湧いてきたり、他の陸上競技からも学べることがあるんじゃないかと、派生させていくことができることも読書の良さだと思う。


こうやって地道にじぶんの枠を外へ外へと広げていく作業は、効果を感じにくいことではあるが、これからも続けていきたい。


来年のお正月には箱根駅伝の見方がいつもより変わるかもしれない。
楽しみだ。



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