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【読書メモ】『やってみたらええやん - パラ馬術に挑んだ二人』(著:和田章郎)

パリ五輪で、92年ぶりのメダル獲得となった総合馬術団体の表彰式がネットで「めちゃくちゃかわいい」「素敵」など、絶賛の声が上がっている。

選手だけではなく、馬にもメダルが与えられ、耳の下に素敵な緑色のメダルがつけられた。メダルプレゼンターは自身も馬術で五輪出場経験を持つ英国のアン王女。その後は選手が馬に乗って堂々のウイニングラン。まさに人馬一体で喜びを分かち合った姿はネットにも大きな反響を呼んだ。

出典:「「表彰式がかわいすぎる!」馬もメダルの総合馬術にネットもキュン 初老ジャパン、馬にも拍手」
(「デイリー」2024年7月30日)

何でも馬術でのメダル獲得は92年ぶり、バロン西とも呼ばれた西竹一さん以来との事で、馬関連界隈のアカウント等々では大分ざわついていました(馬術、牧場、競馬、ライターさん etc…)。

JRA職員の家内も「快挙だね~」なんて話していて、「(出場選手のお一人でJRA職員の)戸本さん(本部に来た時に)メダル見せてくれないかな」とかなんとか、、ちなみにリオ五輪の原沢さんの銀メダルは生で見せてもらった!とも自慢されます、羨ましい。

さて今回の総合馬術、3日間かけてヴェルサイユ宮殿の中で開催されていました。私が実際に見たのは2日目のクロスカントリーからで、グリーンチャンネルとTverを駆使して、、美しいですね、ヴェルサイユ宮殿。これ、地上波で流さなかったのはホントもったいなかったのでは、と思います。

そういや、ネットではシカをあつらえた障害が話題になっていました。これ、日本人ならクスッとしてしまいますが、流石に狙ってやったわけではないですよねぇ。。

なんて、少し前にSNSでのとある方の投稿で出会った『やってみたらええやん - パラ馬術に挑んだ二人』を思い出しながら、覚悟のあるアスリートはやはり凄いと、じっくりと読みいってしまった一冊になります。

『絶望のあとを、どう生きるか』
47歳で脳卒中に倒れ、右半身の麻痺と高次脳機能障害を負ったJRAの元調教助手、宮路満英さん。
63歳で東京パラリンピックに出場、7位入賞され、奥様の裕美子さんの挑戦の日々を追ったノンフィクション作品です。
暗いことがテーマではなく、とても明るい気持ちになれる作品です。

出典「姫野みなみさん、「X(旧Twitter)」2024年7月6日ポストより」

姫野さんのご紹介にもありますが、元々はJRAで調教助手として働かれていた宮路満英さん。47歳の時に脳卒中で倒れられ、その後遺症で右半身のマヒ、高次脳機能障害(記憶障害等)をお持ちです。リハビリの中でパラ馬術と出会い、2016年リオ、2021年東京のパラリンピックに参加されて、東京では7位入賞されています、当時63歳。

「初老」どころではないですね、、凄い。

なお、記憶障害等の影響で演技順を覚えることなどが難しいとの事で、奥様の裕美子さんが馬場の近くで演技順を指示する「コマンダー」と呼ばれる役割を担われています。そういった意味では二人三脚での競技、といった所でしょうか。

物語は宮路さんの発病から始まり、そこから一度遡っての、お二人の若い頃の出会い、競馬との出会い、リハビリとの出会い、そしてパラ馬術との出会いへと続いていきます。

なお調教助手時代には「フジヤマケンザン」や「シーキングザパール」、「レガシーワールド」などに携わっておられたとの事で、シーキングザパールのアメリカ遠征にも帯同されていたようです。現地でスタンディングオベーションをうけたとのエピソードも何とも面白く、愛嬌のある方なんだろうなぁ、とも。

この他、角居さんのお名前も出てきたりして、確かにセラピーホースとの視座で観ればつながっていってもおかしくないですね、ふむふむ。

奥様の裕美子さんは献身的に支えられ、お二人の仲も睦まじいようですが、(しょうもない)喧嘩もよくされているなんて言っている辺り、お似合いのお二人なのだろうなぁ、、終始、前向きで明るい気分で拝読いたしました。

自分たちの経験を踏まえて、実感として「出会いがすべて」と言っているのだ。その中にはもちろん、本人たちの出会いそのものも含まれる。そして、そうしたことこそが、二人の”生きがい”になっていると言っていいのだろう。

出典:『やってみたらええやん - パラ馬術に挑んだ二人』

さて、8月28日から始まるパラリンピックでのパラ馬術も楽しみです。宮路さんは残念ながら今回の代表には選ばれなかったようですが、東京大会の時もグリーンチャンネルで無料放映されていたとのことで、楽しみに待ちたいと思います、、と、その前に、オリンピックの馬術競技も、ですね。

そうそう、アン王女の現役の頃のお写真をSNSで拝見したのですが、カッコよかったです。

ちなみにモントリオール五輪、麻生さんも出られてたのですよね、、

早いもので(未だに物議をかもし続けている)開会式から一週間が過ぎ、(選手村の食事や移動周り、盗難騒ぎといった不具合はあるものの)選手の皆さんのハイパフォーマンスを拝見できて、連日寝不足気味です。

なんにせよ、参加されている選手の方々が心おきなく競技をできるよう、祈っております。

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