【読書メモ】『イスラーム国の衝撃』(著:池内恵)
ちょっと気になることがあってブラウジングしていたら引っかかってきた記事、どうにも違和感が残る内容でした。「アブラハム合意」、アメリカの主体はトランプ元大統領で、バイデン政権はそれを引き継いでいるとはいえ、、また、記事内の写真のキャプションにわざわざ「アメリカ合衆国大統領(当時)」と書いているのもなんだかなぁ、との印象です。
なんて感じながら思い出したのが『イスラーム国の衝撃』との一冊。上述の記事と同じ池内恵さんの著作で、長年に渡り、中東地域の政治や、イスラームの政治思想を研究をされていた論考を、わかりやすく丁寧にまとめられていると思います。
内容は、第1次大戦後の秩序形成からイラン革命、湾岸戦争、9.11テロ、そして「アラブの春」。この辺りをざっと俯瞰しながら、イスラーム社会の質の変容をまとめられていて、発行された2015年当時、”一つの視点”として興味深く拝読した覚えがあります。
キーワードは「グローバル・ジハード」、明確な指導者を持たない拡がり、とはなるほどと。確か『想像の共同体』などでベネディクト・アンダーソンが言っていた「遠隔地ナショナリズム」などからきている「新しい国家」のカタチなのかどうか、、となると、昨今の川口の「クルド民族問題」も彼らの現在の国籍に囚われずに読み解く必要があるのかな、とも。
あと気になったのがこちら、だいぶ双方(イスラエル&パレスチナ)の内政(特に政権入替は言い過ぎでは?)に踏み込んだ内容となっていますが、、個人的には、二国間の問題であればまずは二国間で”対話”できる機会の提供に留めるべきとも思いますが、、彼らと対等の立場であり続ける意思があるのであれば、なんて感じながら。
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