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【読書メモ】『草子ブックガイド』(著:玉川重機)

熱海市立第二小学校ご協力のもと、小学校3年生・4年生に図書館で初の試みとなる学校授業の中でブックトークを行いました。

今回のブックトークを通して、多くの生徒さんが「面白そうだな!」と感じ、本を読むきっかけになってくれたら嬉しいです。

(「熱海市立図書館」2024年7月12日)

「読書(本)」に興味を持たせるならまずはこういった積み重ねではないかなぁ、、と、こちらを拝見して。「書店」というハコを守るのも必要と思いますが、そもそもに「読書習慣」を次世代に身に着けて行ってもらうのが中長期的には大事ではないかな、と、あと個人的には「司書教諭(学校司書)」の方をもっと活用してほしいなぁ、とも。

なお、どんな形であれ大事なのは「押し付けない」事だと思います、「この本を読め」、「読書しろ」等々。レイヤはいろいろあると思いますが、いずれにしても「上から押し付けてるだけでは習慣化はしない」と、最初のきっかけは強制的であっていいと思いますが、その先はある程度自主性に任せる方が結果としてはよいかな、なんて、息子(大1)をみながら実感もしています。

とかつらつら考えながら思い出したのが『草子ブックガイド』のシリーズ、3冊まで出てるのかな、今のところ(2024年7月現在)。

主人公は家族に恵まれない中学生の女の子、内気で本好きなのですが、彼女がとある「罪」を犯すところから物語が始まります。一見すると、本読みにとっては許しがたくもある「その罪」とは、そして「罰」として周囲の大人たちが与えたものは。

『新訳 ロビンソン漂流記』
『ティファニーで朝食を』より、「ティファニーで朝食を」と「ダイヤのギター」
『一千一秒物語』
『山月記』
『山家集』

出典:『草子ブックガイド(第1巻)』

第1巻の”ブックガイド”の題材となるのはこちらの5冊6編、なかなかに幅広いのが興味深く。ただひたすらに「本」への愛がつまってるとも感じる内容です。

蔵書は星空を眺める時の感情にも似た感情を呼びおこす事がある

出典:『草子ブックガイド(第1巻)』

主人公・草子を通して語られる“ブックトーク”、その物語が持つ“宝物”を紡ごうとしているようにも見えます。自分の経験を投影して、居場所を探して、心に寄り添うかのように、そんな在り様に引き込まれ、じっくりと読み入ってしまいました。

中でも印象に残ったのは、次のフレーズが出てくる話。

臆病な自尊心と、尊大な羞恥心

出典:『草子ブックガイド(第1巻)』

自分の中の“獣”を飼いならせる人はいるのか、、そもそも飼いならす必要があるのか、なんてことをあらためて。久々に『山月記』を読み返したくなりました。

ちなみに、公式「X(旧Twitter)」などでは第4巻の準備もされているとのお話も出てきていますので、楽しみに待ちたいと思います。と、早稲田文学さんとのコラボなんてのもあったんですね、これもまた縁かなぁ(休刊されてしまったようですが)。

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