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【読書メモ】『競走馬の科学』(編:JRA競走馬総合研究所)

競馬という、こんなにもエキサイティングなドラマがあるだろうか。わずか数分で終わってしまうレースに、馬も人も全力をかたむける。この日のために生まれ、鍛えられた体力と精神力。馬とともに歩みたい。もっともっと応援したい。競走馬総合研究所は、競走馬のスポーツサイエンスを究め、競馬の発展と競走馬の未来、そして人と馬との共存に貢献していきます。

出典:『競走馬の科学』

こちらを理系構文?に言い換えると、こんな感じになるそうです。

私たちは、生産から競走、そして引退してふたたび生産に返るサラブレッドのライフサイクル全般にわたる調査、研究に取り組んでいる。

出典:『競走馬の科学』

さて、本書『競走馬の科学』の出版は2006年4月、文字どおり「科学的」に競馬を分析しています(大分理系よりです)。そういえば、「競走馬総合研究所」なんて部門があるのですね、これは世界的にも珍しいとのこと。

2006年というと、ディープインパクトシンボリルドルフ以来となる無敗の三冠馬となった年(2005年)の翌年、明け4歳(当時は5歳表記)の充実期を迎え、その年の秋には凱旋門賞に挑戦した年となります。当時はテレビ等でも大盛り上がりで、凱旋門賞もリアタイしていたなぁ、、と思い出したりも。ただ、JRAの売り上げ自体は芳しくなかったようで、、強すぎるってのも考えモノなんですかね、、でもイクイノックス無双だった2023年は前年より売上金額はあがってますね(前年比率が下がってるのは何か理由があるのかな)。

そうそう、ちょうど息子が生まれた年(2006年2月)でもありまして、、凱旋門の頃は生後半年くらいだったのかな、春先には第1回WBC決勝を一緒に観戦していた覚えも、、そんな息子も今年は大学受験、両親(家内は英文、私は歴史)とは異なりガチ理系志望ですが、とりあえず滑り止めは確保できて一安心な状況です、ありがたや。本命次第では浪人も考えているようですが、受験勉強に嫌気がさしたら大学生になれることが確定できたのは、よかったなぁ、と、、閑話休題。

さて本書は、その「競走馬総合研究所」の研究員の方々が『優駿』などの雑誌等々に寄稿した文を集めたとかで、私のような理系の素養が無い人間にもわかりやすく伝えてくれます。馬の生態、調教手法の発展やその根拠等々、普段は触れることの少ない観点からのネタが多種多様に。

JRAでは、競争距離を内柵から一メートルの地点で計測している。

出典:『競走馬の科学』

ちなみに皐月賞の場合、計測地点から五メートル(内柵から六メートル)外側を走ると、約「三十二メートル」ほど余分に走る計算になるそうです、クビ差、ハナ差での決着とか考えると、なかなかに示唆的ですねえ。その他、種付けの論理的分析から馬場状態、坂路の効果など、非常に興味深く読めました。

サラブレッドの競争能力は遺伝だけが関与しているのではなく、逆に環境だけが関与しているわけでもないので、どちらを無視しても競走馬の能力を十分に発揮させることができない

出典:『競走馬の科学』

個人的に興味深かったのは遺伝関連のトピック。能力が高いだけでも、環境が良いだけでもどうにもならないとは、なかなかに示唆的で。肝要なのは、それぞれをバランスをとっていくことなのでしょうか、、「努力した人がすべて報われるとは限らないが、報われた人(成功した人)は例外なく努力している」とは、どこで聞いた言葉でしたか。

「競馬」の発展に、競走馬を科学することで寄与しているのだなぁと。さて、今年も春競馬が始まりますね、フェブラリーステークス、どうするかなぁ、、ドゥラエレーデは絡めるとは思いますが、、

ヒシミラクルの一日は朝五時の飼い葉から始まる。
ヒシミラクルはプールが好きでないらしく、泳ぎもうまくない。

出典:『競走馬の科学』
出典:『競走馬の科学』

いやまぁ、(選択チケットは)まだ寝かしておこうかと思ったのですが、こんなネタを見てしまったら、お迎えしたくもなりますよねぇ、、3周年はドゥラメンテさん、イクノディクタスさんの他、3つ4つは弾が増えそうですが、なんて期待を込めながら。。

(出典:ゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」より)

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