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9月に短歌、俳句、詩を思考した記録。


■短歌

1.
午後二十八時のドラァグストアにて
あかぃドレスで ぁたしは踊る

2.
団地の曇天3m上空 ヴィオラが奏でるシファソの悲しみ

3.
手首にあてた冷たさに安堵する 生きてる生きてる 終わらせたい

4.
大丈夫 ええきっと私 生きますわ 針山火の海 屋上どこでも

5.
パリンとわ れた音はマナ 子が落ちた 音 あのビルの屋上から

6.
午前四時の着信から「げんきですか?」5歳のわたしのあどけないこえ

7.
「お薬が少し足りないようですね」差し出されたのは 2tの遺灰。

 8.
村長を決めるあみだの末端には 星、丸、三角、火炙り、平民

9.
ボツボツとアバラ骨が降る街で 君に言います「結婚しよう」

10.
震度5の地震速報驚いて思わず落した離婚届

11.
まっさらにしようよそうさまっさらに
漂白剤に浸した履歴書

12.

目玉やきの黄身をつぶせばきこえるね 「人身事故で電車遅延」

***

■俳句(川柳)

1.
半額のトマトの曲線Gカップ

 ***

■散文

1.
道路にしずむあなたのあたま あ、あ、あ、あ、

 2.
このまま髪の毛染めず純粋なる漆黒のヴァージンヘアでのびてのびてのびてのびてのびてのびてのびてのびたら、「実はかぐや姫でした。お父様お母様、上司、友達、元友達、その他もろもろ、ありがとうございましたうふふふふ」と言ってアポロ27号に乗って月面着陸。「地球そんなに青くなかったよ。」

3.
眠れません 真夜中も真昼も一日も ずっと
しにたいわけじゃないんだよ、ただおわらせたくなったんだ

***

 ■詩
1.
「コンソメ」

 今日の、
嬉しかったことは楽しかったことは
びっくりしたことはこらえたことは
悲しかったことは寂しかったことは
全てこの立方体に
詰まっていて、
それを煮て器に盛ってスプーンですくって
口にして味わって嚥下して消化して
私は明日を迎える

まぐろどん、1993年生まれ、26歳
僕はこうして毎日少なくとも9800個以上のコンソメを
消化してきている
今日は何個目のコンソメだったか

 だいじょうぶ しょっぱくない
だいじょうぶ やさしい
今日と明日の結び目をほどくような温かさ、ああ、コンソメ

 げんこつで殴り気絶させた
朝を告げる鶏を抱きしめて
ベッドの上で、眠れ

 10000個20000個30000個の
コンソメキューブの夢を見て、ああ、ノンレム

 明日なんて来なくて今日が今日ででも今日がずっと幸福だったらいいのに
明日なんか来なくて今日が今日ででも今日がずっとコンソメだったらいいのに

2.
「直方体」

カッターを当てた瞬間に、
どこかで角砂糖の落下音を聞いた。

カッターを当てた瞬間に、
そこからキラキラ星のオルゴールが流れた。

カッターを当てた瞬間に、
そこから立派な胡蝶蘭が咲いた。白。

 カッターを当てた瞬間に、
会えhsおうv;えうdfw;お。

 カッターを当てた瞬間に、
どこかで何かが歪んでひしゃげて潰れてるね。なんだろうね。汚いね。

 しひふぉあhヴぃおえほ、
足元にあったのは、
誰か分からないくらい古くて萎びた証明写真。

 「角砂糖が分解される時の音ってどんな音なんだろう?」
「多分グシャッだよ。もしくはパーン」
パーン。
フォルテッシモ。

 カッターを当てた瞬間に、
たくさんの白いキラキラの直方体が降る。
キラキラキラキラきれいだねきれいだね。
きれいだねきれいだね。

***
■評
「いや~、思ったよりこの子は短歌が多いね」
「短歌ね。31字だとあるていどじゆうがきくしあと「読んでる自分かっこいい」みたいな自己満足に浸れる表現が非常にしやすいからね」
「でもこの子は主に自分を満足させるために書いているようだからまあいいんじゃない?」
「遅れて来た中二病ってやつですか(笑)」
「(笑)」
「にしても、この人は過去の記録を探ろと、表現技法をしっかり踏まえていないのが多いね」
「ほう、例えば」
「例えば、「俳句」というのは季語がなければだめなんだけれど、それ一か月まるまる忘れていたようだよ。あと、17文字しか書けないはずなのに、「俳句」といいながら30字近く書いていたりね」
「ああ、この「散文」に入っている「あ、あ、あ、あ、」が印象的なやつね」
「そう、この子は自分の中で気に入った今月一番の俳句だと思ってたみたいだけど、今こうやって再掲載することで俳句じゃないってことに気づいたらしいからね。そういった勉強もしっかり踏まえてもらいたいね」
「なるほどね」
「あとフレーズをしっかり短歌か詩に昇華すること。散文、って言うにはこれ短すぎるからね。」
「確かになるほどね。でもまあいいんじゃない?コピーみたいな感じで」
「そうかなぁ」
「にしても、もっと数が欲しい所ですね。本編の短歌、俳句、詩で1000文字にも満たなかったですからね」
「そうかなぁ。これ以上数を増やしても・・・」
「いやいや。数うちゃ当たるというしね。だから、この子にはぜひ、次は1か月で短歌20首、詩5編、俳句(川柳)3つは期待したいところだね」
「まぁ、数があることに越したことはないからね」
「あ、あと短歌で一つ太文字になっているのがあるでしょう?これは本人が一番気に入っているものだそうだよ。出来が良い!!ってさ」
「そうかなぁ」

終わり。

***

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