仕事をしない社長

こんにちは。ツナグコト学生インターンのぴんさんです。

今日は少し面白い社長のお話。

仕事をしない社長

「社長の信念はなんですか？」

株式会社GALLETの梅村社長に聞いた。現在進行中のイベント、『ギャレット×ツナグコト　プロジェクト型イベント』の取材である。これは、学生が、アパレル商品を一から企画し、デザインし、販売するという魅力的なイベントである。穏やかでゆっくりとした話し方をする社長は言った。

「う～ん。信念かあ。信念ってないんだよね。」

ないんですか。それは困った。協賛企業：株式会社GALLETの紹介記事が書けなくなってしまう。そう思っていたら、社長はまたゆっくり話してくれた。

「僕の仕事、取っていっちゃうんだよ。みんな（社員が）。だから何もすることがないの。うん、そうだね。仕事をしないことだ。信念は、仕事をしないこと。」

仕事をしないこと？ほほう、なるほど。社長とはかなり楽しそうなポジションである。仕事をしなくてもいいんだ。

「花形のお仕事はね、みんな（社員）がやることなんだよ。みんながやりたくないことを僕はしているんだ。」

みんながやりたくないこと？そのやりたくないことというのが、大学生の私にはイメージがつかなかった。ただなんとなく、企画したり、デザインしたり、営業したりするんではなくて、偉い人とかに挨拶することかなと思った。

「社長はね、仕事をしないんだって。ギャレットの社長の教訓なんだ。昔は僕もバリバリやってて。それこそ部下も何人もいて。自分に出来ないことなんてないって思っていた。」

「だから、自分が専務になったときに何にも出来なくなっちゃって。部下も1人もいなくなって。つまんなかったよ。最初はすごく嫌だった。だって、自分なら出来ることがたくさんあるんだもん。」

「でもね、自分に出来ることって限られているんだ。だから、任せるっていうのとは違うけど、他の人の仕事にするのが大事なんだ。社長ならそれが仕事なんだ。ほんとは、今もときどき社員がうらやましい笑。」

へー。社長はきっと、”デキル人”だったんだろうな。でも今は”デキナイ人”なんだ。社長ってつまんないものかもしれないと思った。

決定権がない社長

「僕の言うことなんか誰も聞かないよ笑。若いデザイナーが好き勝手しているんだ。」

なんと社長には決定権が無いと言う。どうしても決めなければならない時には決めることもあるけれど、それもほとんど決まってから、なんだって。ふーん。社長は大きな命令を出す人かと思っていた。どうやら違うらしい。

ツナグコトの社会人メンバー、林さんが「ギャレットの社員の方々はプロ意識が高い印象です。あと、（デザインやファッションについての）情報が早いですよね」と言った。林さんはギャレット様と数年来の付き合いだから私よりもずっと詳しい。

「うん。みんなプロ意識はあると思う。それに本当に情報が早い。ギャレットはほんと、動物園だよ笑。」

聞けば、みんなが個人事業主のような状態らしい。へー。社長はずいぶんにぎやかな動物園の管理人さんなんだ。

確かに、社長と社員の方々とツナグコトのオンライン会議とか、社長が1番影が薄かったような、、。ほとんど発言していなかったような気がする。そういえば、イベント中も他の社員の方々はみなさん学生に熱心に話してくれていたけれど、社長は後ろのすみっこの方で何かを書いていた印象しかない。

「営業もね、別に先輩から後を継いだからってそこと取引し続ける必要はないんだよ。自分がやりたくないならやらなくていいの。逆に自分がやりたいところと契約すればいいんだよ。」

そんなことできるんだ！何年前から続く、大切なお客様との関係をこれからも守っていく、うんぬんかんぬん、、、じゃないんだ！それには驚いた。

じゃあ、とっても厳しいノルマとかあるんじゃ、、汗。

「ノルマはないよ笑。特に決めていないし、やっぱり僕が決めたところで誰も言うこと聞かないから笑。でも大体年間200件くらい新規で取ってくるけどね。」

ごめんなさい。新規200件のスゴさがやっぱり分からない。でも、週に5日、月4週間働くとして、1ヶ月で20日。1年で12ヶ月あるから、年間240日くらい社会人の方がたは働くんだろうか。じゃあ、1日か2日に1回は新規の契約を結んでいることになる。これはけっこうスゴいことに思えてきた。

優しくない社長

「僕は全然優しくないよ。めちゃくちゃ厳しいと思う。責任も取らないし。だって僕が決めたことじゃないもん。自分（社員）が決めたことなんだから自分で責任取らないと。」

なるほど、そういうものなのか。

でも、会社の責任とかいう言葉、よく耳にするけど、いいのかな？

「会社ってただの箱じゃん？会社の信念もそうだけど。だから会社の責任って何なんだろうね？」

、、何なんでしょう？？

黒字の会社の社長

コロナ禍で苦しむアパレル業界だが、今年の上半期のギャレットは黒字決算だという。超現場主義、年間200件の新規顧客の実績はやっぱりすごいらしい。

「中小とかベンチャーって、1人の強いリーダーがぐいぐい引っ張っていくところとか多いんだけど、ギャレットは違うんだよ。」と林さんが教えてくれた。それがどれだけレアなことなのかよく分からなかった。

でも、単純に、奈良県の工場長や社員の方々、ベトナム工場で働くデザイナーや技術リーダー、東京の品質管理士の人の働き方について、全部つらつらと誇らしげに語ってくれた梅村社長ってすごいな、、と思った。社長はきっと絶対”人”を大事にする人なんだと思った。

ツナグコトから

ここまで読んで下さってありがとうございました。このイベントも先日の7月10日でひと区切り。みなさん本当にお疲れ様でした。イベントの感想についてはまた来週いくしくんが書いてくれそうな予感、、笑。最後にSNSの紹介だけして終わりです。ぜひ飛んでみてくださいね。

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