2016年を振り返る備忘録「2016年映画ベスト“5”」
※こちらは、他所に投稿したものの再掲になります。
今年もこの季節がやってきた。
仕事納めに部屋の大掃除、お歳暮選びに年賀状の準備、そして今年の映画ベストを決めること…!!一年を総括する方法は人それぞれですが、履歴書の趣味・特技の欄に「映画鑑賞」などと書いてしまう私のような人間にとっては、今年一年観た作品を振り返ることで、翌年に向けて心境のリセットを図ることが出来るので御座います。
さて、先人たちがすでに賑わいを見せているハッシュタグに見習って自分も今年の10傑を選出しようにも、鑑賞本数昨年と比べても激減しており、今年の主だった名作傑作をかなりの数見落としているのが現状。したがって、ベスト10ではなくベスト“5”にて自分なりの鑑賞録をまとめ、本ノートをお読みいただいた方それぞれの映画評を展開していただければ幸甚の極み。
すでに映像ソフトが発売/レンタル開始したもの、現在公開中のものが揃ったので、皆さまの年末余暇の参考になれば、言うことはございません。それでは、第5位からどうぞ。
5位 『デッドプール』
超絶的な回復能力を持ち、作品世界から“こちら”の世界に語りかける、最も異色にして破天荒なヒーロー。スパイダーマンやアベンジャーズと同じマーベル社の人気ヒーローの一人として単独主演作を熱望されながらも、過激な表現の多い原作漫画と、大衆向けに仕上げなくてはならない実写映画の相性が疑問視されていた“デップー”が、ついにスクリーンにやってきた!
主人公のウェイド・ウィルソンは町のトラブルを解決することで日銭を稼ぎ生活する元特殊部隊員。彼はある日出会った娼婦のヴァネッサと恋に落ち、二人は婚約を果たす。しかし、幸せの絶頂の最中、ウェイドの末期ガンが発覚。自暴自棄の彼は、謎の男に持ちかけられた極秘の人体実験に参加することでガンの克服を目指すが、その実験とは人工ミュータントを造り出す非人道的なものだった。実験の結果ウェイドはガンを克服した不死身の身体を手に入れるも、その表面は醜くただれ、愛する彼女の前に姿を現すことが出来ない。愛する者との幸せな生活を取り戻すため、赤いスーツとマスクに身を包んだウェイドは「デッドプール」として、実験を行った者たちへの復讐を始める…。
今作『デッドプール』はアメコミヒーロー映画には珍しくR指定(暴力・性表現等が含まれるため年齢制限が施された)にて公開されるが、国内外問わず大ヒットを記録した。人体欠損描写やベットシーンを含むものの、それらは原作再現として好意的に受け入れられ、デップーの破天荒にもほどがある言動に魅了されたファンが後を絶たなかった証拠だろう。
その強烈なキャラクターの一例を挙げるなら、彼が常に軽口を叩いていることにある。戦闘中も黙ることはなく、相手を煽ったり愉快に銃弾を数えたりと、常に忙しく喋り倒し、敵を抹殺していく。その内容は主に過去の名作映画のパロディが多く、劇場は常に笑いの絶えない環境であった。『96時間』『エイリアン3』など、今作の配給元である20世紀フォックス作品に関する小ネタばかりなのも、大人の事情が垣間見えて面白い。
そしてその対象は、作中の敵だけではなく、映画を観ている“我々”も例外ではない。原作漫画におけるデッドプールは自身が「漫画のキャラクター」であることを認識しているという特異的なキャラクターであり、今回の実写版でもその設定を引き継いでいる。作中のデップーも意図的に“こちら”に話しかけてきており、まさしく無法地帯そのものを体現するかの如く暴れまわり、笑いを掻っ攫っていくのだ。
さて、ここまで総合するとエログロ描写満載のおちゃらけヒーロー物語に聞こえるかもしれないが、本作のジャンルを断言するなら間違いなく「ラブストーリー」である。 幸せの絶頂からどん底へ落とされた主人公が、藁にもすがる想いで辿り着いた地で極悪非道な拷問を受け、自らの人間性と最愛の人との生活を奪われる。これでもかと生き地獄を体験した男は、失った尊厳と愛を取り戻すためにマスク(仮面)を被り、悪を討つ。 真っ当な復讐物語でありながら、その原動力は常に愛するヴァネッサに向けられており、彼の軽口は自身のあまりに悲惨な現状を笑い飛ばすためのものだと理解すると、ユーモアの裏に隠された哀しみが垣間見えて、個人的には「改造人間」としての昭和仮面ライダーの苦悩を彷彿とさせる。
愛に生き、残虐さとユーモアを兼ね備えたヒーロー『デッドプール』は、最愛の二人の思い出の曲でエンドロールを迎える。この幕引きの鮮やかさに虚を突かれ落涙し、最期のオマケ映像で大いに笑わされた。ヒーロー映画と過激描写を融合させながら、アメコミ事情に明るくない方にも薦めやすい正統派ラブストーリー。地上波放送不可能な不謹慎さゆえ、自宅でゆっくりお楽しみいただきたい一作である。
4位 『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』
複数のヒーローの世界観を共有させ、やがて共通の敵に立ち向かう『アベンジャーズ』へと行きつく、マーベル・コミックの映画シリーズ「 マーベル・シネマティック・ユニバース」の第13作目にして、新たに始まったフェイズ3の第1弾かつ『キャプテン・アメリカ』単独映画の第3作…という、前述の『デッドプール』とは異なる一見さんお断りな背景を持つ本作。 これまで同じチームとして世界を守ってきたアベンジャーズ。その主要メンバーであるキャプテン・アメリカとアイアンマンが袂を分かち、おなじみのヒーローが2派に別れ激しく対立する本作は、シリーズの方向性を担う重要作として注目され、映像的なスペクタクルも去ることながら、それぞれの主義主張がぶつかり合う様に、シリーズを見守ってきたファンも大いに感情を揺さぶられたに違いない。
本作の特筆すべき点は、「果たすべき課題」に過不足なく答え、観客が混乱しないよう整理した状態で完成に導いた監督のルッソ兄弟らスタッフの驚異的な手腕ではないだろうか。 本作は「①キャプテン・アメリカ対アイアンマン=ヒーロー同士の対立」というお題目に加え、「②宿敵バロン・ジモの暗躍」「③新ヒーローのお披露目」という大きく3つの課題が課せられている。新ヒーローとは、今作でデビューを果たし今後単独主演作が予定されている「ブラックパンサー」と、権利上の問題を解決しようやくユニバースに合流することになった新たな「スパイダーマン」の2人である。
この難題に対し、3つのテーマを個別に描くのではなく、交互に関連付けして配置し、内容が多くとも破綻することなく、フェイズ3の壮大な幕開けを描き切ったのが本作である。
例えば、①のきっかけとなるのは、前フェイズで描かれた「ヒーローの平和的活動」から生じる犠牲の責任を問うものである。主に対立するキャプテン・アメリカ(以下、キャップ)とアイアンマンのスタンスは、組織により制御された正義の危うさをキャップが目の当たりにした『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』と、自らの過ちで一国家の消滅を招いた苦い経験(『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』)を経たアイアンマンの姿を観ることで明らかになる。
物語はアベンジャーズを国連の管理下に置く法案を軸に進行していくのだが、その裏で進行するのが②のストーリー。冒頭から謎の行動を続けるジモは、ヒーロー同士の対決がメインである本作において共通の敵、すなわち「和解のための舞台装置」になりかねないところを、①そのものをキャラクターの行動原理とすることで、上手く回避している。彼もまたアベンジャーズのヒーロー的活動の被害者であり、絶対的な正義に復讐を誓う者だった。そして、キャップとアイアンマンの決定的な断絶をもたらす役割がこのジモに与えられており、決して力では勝てない相手を倒すために仲間割れを誘ったこの男の賢さと執念が垣間見える脚本には舌を巻いた。
さらに②に相関するのが③の片棒である「ブラックパンサー」の物語だ。父の仇を討つべくアイアンマン一派に参戦した彼だが、その対立を演出したのはジモの策略の一つである。物語中盤まではブラックパンサーもジモもまた「復讐」を動機にしたキャラクターでありながら、ジモの事情を知ることでブラックパンサーは思慮を深め、やがて二者は対照的な役割へ変貌していく。この構成も実に巧みである。
もう一方のスパイダーマンはあくまでゲスト参戦とのことで登場シーンは短いものの、鮮烈な印象を抱かせるハッタリの利いたアクション満載で、シリアスに傾きすぎないよう彼とアントマンが作品のユーモアを担っているようだ。加えて、アイアンマンとの師弟関係を匂わせるやり取りは、2017年公開の『スパイダーマン ホームカミング』でも引き継がれているようで、顔見せとしては申し分ない活躍を披露した。
長文になったが、「復讐」というキーワードで3つの物語を紐付けさせ、ヒーロー大集合という映像的面白さに溺れることなく、今後のアベンジャーズの行く末を暗示するシリアスな物語を描き切った点で、とても満足度の高い一本だった。膨大な予備知識と思い入れを要する作品であることは間違いないのだが、2016年のヒーロー映画の傑作として『デッドプール』と併せてお薦めしたい。
3位 『アイアムアヒーロー』
花沢健吾氏の同名人気コミックを、『図書館戦争』シリーズの佐藤信介監督が映像化したパニックホラー。さえない漫画家の鈴木英雄は、自作の連載のヒットを夢見ながらアシスタントを続ける日々を過ごし、自分を支えてくれる恋人の姿にふがいなさを感じていた。しかし彼の日常は、ある日突然崩壊する。周りの者に噛みつき襲い掛かる“ZQN”と呼ばれる感染者が大量に町に押し寄せ、鈴木も恋人の感染を目の当たりにし、当てもなく逃亡を続ける。果たして、人類の存亡やいかに。
身も蓋もない言い方をすれば「ゾンビ映画」なのだが、国産のゾンビ映画、さらにはパニック映画としても最高傑作でありながら、世界でも闘える一作に仕上がっているのではないかとさえ思わせる、非常に熱量がこもった作品であった。
本作がその他のゾンビ映画と異なるのは、ZQNの性質そのものにある。ZQNは生前の行動を繰り返す、という性質を持っており、ショッピングモールのZQNは店を徘徊し、会社員は職場へ向かう。。群体として押し寄せる従来のゾンビらしい恐ろしさに加え、それぞれが自らの個性を持って襲い掛かるという新鮮さ。本作のラスボスとなるとあるZQNは、持前の運動能力を活かし、これまでのゾンビ像を覆すようなアグレッシブな挙動で観る者を驚かせた。
そして観る者を熱くさせたのは、主人公・鈴木英雄の“覚醒”を巡る一連の物語と、鈴木を演じる大泉洋の立ち振る舞いの変化。劇中で唯一実銃を持ちながらも、持前の臆病さが災いして発射することが出来ず、目の前のか弱い女の子を救えない不甲斐なさ。この混沌とした世界で誰かを守る力を欲しながらも、それを実行できないもどかしさ。その両面を表現する、大泉洋の表情は絶品の一言。 そしてクライマックス、鈴木自身も、そして観客のフラストレーションが極限まで高まった瞬間に、最高のカタルシスが訪れる。なけなしの勇気を振り絞って恐怖に打ち勝つという、王道だが血沸き肉躍る展開に、思わず胸がすくような感覚を覚えずにはいられない。
ゾンビ映画としての新しさと、古き良きヒーロー誕生譚を併せ持った稀有な一作で、韓国でロケを敢行したとあってか日本映画では中々見られない大がかりなロケーションでのパニック描写もフレッシュ。漫画原作でありながら地上波放送を考慮しない程度のゴア描写もあり、非常に“攻めた”一作。今年は豊作の年と言われた日本映画界の中でも突出した作品の一本として、ぜひ震え上がっていただきたい。
2位 『この世界の片隅に』
目下、小規模公開ながらヒットを続け、2017年以降も拡大公開が予定されているアニメ映画『この世界の片隅に』。
僭越ながら、鑑賞後のレビューを別ノートにて投稿済みのため、詳しくはこちらをお読みいただければと思いつつ、この作品に感銘を受けた点を書き記しておきたい。
物語は第二次大戦下の昭和18年、絵を描くことが大好きな少女・すずが広島・呉の北条家に嫁ぎ、見知らぬ土地で自分の居場所を模索しながら、慎ましやかに暮らしていく様を描いている。
映画本編では、徹底したリサーチの下、空襲で焼ける以前の広島の町を再現し、衣食住のリアルにもこだわり抜いて、その当時の市民の生活を活き活きと描き出している。戦争映画でありがちな、陰鬱な雰囲気とは正反対のユーモアたっぷりで温かみのある作風ゆえに、劇場は笑いで包まれていたのが印象的である。
しかし、刻一刻と迫る原子爆弾の投下、そして終戦。主人公すずも強烈な喪失を経験し、庶民の生活や平穏を暴力的に奪い去る戦争の恐ろしさも、サイレンと空爆機の飛行音がそれを思い起こさせるかのように劇場に鳴り響く。あの息を吞むような一体感も、本作ならではの劇場体験である。
声高な反戦メッセージや悲劇の押し売りに陥ることなく、確かにそこにあった“生きる”という行為へ想いを馳せ、それをアニメーションという形で現代に遺そうという作り手の信念の確かさに、何度も目頭を熱くした。誰かが命を繋いでいてくれたから、誰かが誰かの居場所であってくれたから、今の自分がある。アニメで描かれた生活のその先に、自分のいる現実がリンクしたとき、とめどなく溢れる涙を抑えられなかった。
最後に、主人公すずの声を演じたのんが舞台挨拶で発した一言を引用したい。
生きるっていうことだけで涙があふれてくる、素敵な作品です。
1位 『シン・ゴジラ』
本作が公開された7月29日以降、何やら預金の引き落とし額が凄まじいことになっていて、部屋には関連グッズや書籍が山のように積んであった。どうやらこの映画に魅入られてからというもの、金銭感覚も狂ったようである。
本作『シン・ゴジラ』は、2004年公開の『FINAL WARS』以来12年振り、シリーズとしては第29作目にあたる作品である。総監督に『エヴァンゲリオン』シリーズの庵野秀明 を迎え、これまでのシリーズとの繋がりを一切廃した、1954年の第一作以来二度目の、「初めてゴジラが襲来した」設定での日本が舞台となった。
幼少期からゴジラ、ひいては特撮怪獣映画のファンとして、これほどに公開を待ち望みながら、同時に巨大な不安に襲われた作品も過去類を見なかった。国産ゴジラ映画が観られるという喜びはあったが、2014年に公開されたハリウッド版『GODZILLA』を超える興行成績を収めることができなければ、二度と新作怪獣映画が作られないのではないかという、今思えば上から目線な心配をしていたものだ。
加えて、14年の休止期間を経た今、現代の子どもたちに「ゴジラ」を受け入れてもらえるのか、という疑問もあった。もしや何か取り返しの付かない事態になるのではないか、という漠然な不安が、いざ劇場に座り照明が暗転するまで、消えることはなかった。
結果から言えば、すべて杞憂でしかなかった。『シン・ゴジラ』は、これまでのシリーズ全作品の中でも最高傑作、日本映画史に名を刻む一作になったのだと、断言してしまいたい。
今作のゴジラ=巨大不明生物の襲来は「大災害」に例えられる。有事の際の諸官庁の対応、攻撃に至るまでの意思決定、次々に襲いかかる「想定外」の出来事、諸外国の介入…。平成ガメラシリーズが特に顕著だった「怪獣襲来シミュレーション」の側面をより強化し、人間の力では制御できない“何か”に対峙したときのこの国の有様を、スクリーンに投影してみせた。
それを観て日本人の心に甦るのは、忘れもしない3月11日の、あの信じられないようなテレビの映像(あるいは実体験に基づいた記憶)ではないだろうか。破壊された家屋が、誰の物とも知らぬ車が流され、人々は逃げ惑う。怪獣・災害映画では当たり前の表現が、今や日本人の潜在的な恐怖、トラウマとして染みついていることを強烈に意識させられる。 だからこそ、今回のゴジラは「怖い」のだ。1954年の第一作が終戦からわずか9年後に製作・公開されたことを踏まえ、水爆大怪獣ゴジラが何の象徴足りうるかはこれまでも論じられてきた。
そして今回の『シン・ゴジラ』におけるゴジラには、敗戦国であるという日本の立場を想起させ、三度目の核兵器使用を誘発し、人々の生活を飲み込んで侵攻する様には3.11の影が重なる。今を生きる日本人の無意識的な恐怖の化身として現れた『シン・ゴジラ』は、2016年という時代に合せてアップデートされた1954年版、そして1984年版の『ゴジラ』なのだと、私は考えている。
日本という国の存亡を揺るがす、国難とも言うべき大災害を描く『シン・ゴジラ』だが、米国の攻撃を受けたゴジラの熱線により東京の街が美しく燃え盛るシーンでその盛り上がりは頂点に達し、そしてもう一つの側面である「空想特撮映画」としての顔に形態変化のも見逃せない。
血液凝固剤を主軸とした経口投与にてゴジラを冷却し機能低下を目的とした作戦に「ヤシオリ」と命名する洒落た展開に加え、米国軍の日本への援助、そしてインフラ兵器の逆襲。現実的にも、そして日本映画のスケールとしても未体験な映像が矢継ぎ早に流れてくる「ヤシオリ作戦」の一連のシーンは、荒唐無稽を楽しむという特撮映画ならではの醍醐味に溢れた名シーンだ。「宇宙大戦争マーチ」というサプライズに加え、これまでは破壊の対象でしかなかった新幹線が、高層ビルが、ゴジラを圧倒するという夢のような展開に、どうしようもなく胸が熱くなる。
日本人の恐怖とある種の破壊願望、あるいは「こうであってほしい」と思わせる群体としての底力を見せつけた“ニッポンジン”魂を刺激する映画『シン・ゴジラ』。本編は、様々な謎を残したまま完結した。観た人が内容について言及したり、各々の考察やゴジラ論を語りたくなる余地を残すあたり、またしても庵野監督の手のひらで踊らされることを覚悟しながらも、奇妙な興奮は冷めやらない。
この熱にうなされたのは特撮ファンだけではなかったらしく、劇場はかなり席が埋まっていたり、子連れの客層も珍しくなかった。『ゴジラ』や「エヴァンゲリオン』に興味のなかった周囲の知人もこぞって観に行っては度肝を抜かれたようだ。
「ゴジラ」最新作公開が、これだけ“祭り”になるとは、まったく予想できなかった。関連グッズが次々と発表され、サウンドトラックも高セールスを記録、SNSには感想コメントが次々と更新されてゆく。「ゴジラ」というブランドの復権の兆しを盛り上げた『シン・ゴジラ』は、自分の人生の中でも特別な一本になってしまった。2017年に控えているアニメ版最新作は、またしてもゴジラ・ブームを巻き起こしてくれるのか、楽しみでたまらない。
以上、2016年の個人的ベスト映画5でした。
その他のお気入りは、サービス満載のシーンでファンの心を掴んだ『ローグ・ワン』『仮面ライダー 平成ジェネレーションズ』『ウルトラマンX』、発達したテクノロジーと人間の恐ろしい関係性を描いた『エクス・マキナ』、各国首脳が文字通りゴミの様に殺されていく『エンド・オブ・キングダム』などなど。
今年を振り返って思うのは、『君の名は。』を初めとした日本映画の大躍進。そしてヒットの条件には、「SNS」での拡散力が欠かせないものになったように感じます。観た映画の感想を誰かに話したい、色んな人に観て欲しい、という想いを手軽に発信できるSNSの流行によって、公開館数が100館に満たない『この世界の片隅に』が他の大作に負けず興行収入ランキングのトップ10に残り続ける(2016年12月29日現在)ような出来事も起こり始めています。 メディアでの宣伝やプロの評論のみならず、大衆の支持を取り込むことで意外な大ヒットが生まれていく現代の映画事情。果たして、2017年はどんな作品に出会えるでしょうか。そんなワクワクと共に、2016年を雑に思い返してみました。
さて、みなさんのベスト10はいかがですか?
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