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【詩】瞑想の擬人化

何でこんなことになってしまったのか?
きっと手術のあいだに
何かが起きての結果だと
思うのだ
では、手術という名の
私を切り裂いて、必要なことをしたあとで
つなぎ合わせた作業の
思い出させないように施された記憶を
たどってみよう
いま覚えているのは
麻酔を嗅がされて
気がついたら手術が終わっていたという
麻酔あるある

誰の力も借りずに
記憶をよみがえらせるのは難しいが
力を借りたら
たぶん
いろいろと要求してくるだろう
それが
うざったいから
誰の力も借りません

では集中
見えてきた、見えてきた
銀色の手術用具に付いている血
誰か、拭けよ

次に鮮明になったのは
切り裂いた部分が
奥までよく見えるようにと照らされたライト
こういう医療の現場でも
LEDが主流なのかしら

その光に照らされた
鋭利なもので、まっすぐに裂かれた
これはどこだろう
胸のあたり?
目を背けてはいけないよ
めったに見られるものではないからね

私のなかの
生命を維持するために
一生懸命になっている
器官は
驚くほど、元気で
健気に、疑うことなく
私を生かしてくれている
であれば、なぜ私は変わってしまったの

本日の手術の主役たちは
私の中の様子に満足したようで
切り裂いたところを
丁寧に縫い合わせて
今日もいい仕事をしたから
きっとビールがおいしいはずだと
笑顔を浮かべている



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