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鎌倉殿の13人第34回感想/畠山重忠が惣検校職にこだわる理由とキノコの話

すっかり人が変ってしまった北条時政

執権別当しっけんべっとうになってすっかり気分よくしちゃってるのが、北条時政ほうじょうときまさ(演:坂東彌十郎ばんどうやじゅうろう)。
りくさま(演:宮沢みやざわりえ)の言いなりかと思いきや、本人も実は権力の座に味をしめ始めているという、だいぶ残念な結果。

しかも畠山重忠はたけやましげただ(演:中川大志なかがわたいし)と一戦交えるつもりなのか、三浦義村みうらよしむら(演:山本耕史やまもとこうじ)にどちらの味方に付くか聞いていた。
これは息子の政範まさのり(演:中川翼なかがわつばさ)の急死が関係している?
それとも、そもそも武蔵むさしを手に入れるために、早くからりくさまが時政に入れ知恵をしていた?

どっちにしても、ノリの軽いおもしろいおっちゃん(おじいちゃん)の時政は、もう帰ってきそうもない。
個人的にはそれが残念で仕方がない。
さようなら時政……。

聞き慣れない言葉、惣検校職そうけんぎょうしきってなに?

何やら難しい名前の役職が畠山重忠の口からでてきた。
日本史を勉強してたら普通に学ぶのかな。
というわけで、調べてみました。

そう‐けんぎょう〔‐ケンゲウ〕【総検▽校/×惣検▽校】 の解説
1 中世、荘園や公領の職名。在地の最高責任者。

2 中世、大寺社におかれた僧職。寺務の全体を総括した。

3 室町時代以降、当道の最高責任者。全国の盲人を統轄した。

出典:goo辞典

畠山重忠の言っていた惣検校職そうけんぎょうしきは、goo辞典に載ってる「惣検校そうけんぎょう」の1の意味だろう。
でもこれじゃモヤっとしてよくわからないので、Wikipediaも確認。

Wikipediaによると、「武蔵国留守所総検校職むさしのくにるすどころそうけんごうしき」とあって、武蔵国の在庁官人のトップとして国内の武士を統率・動員する権限を持っていた、という説明がある。
つまり、国司は武蔵守むさしのかみだけど、実質的に支配力を持っていたのは、この「総検校職」ということなのだろう。
また総検校職は、桓武平氏の一門である秩父氏やその支流・分家が代々受け継いできた。
畠山重忠も秩父氏の支流の家柄だ。
前任の河越重頼かわごえしげよりが、源義経みなもとのよしつね(演:菅田将暉すだまさき)のしゅうとだったことが起因で失脚して、それ以降は畠山重忠が総検校職を引き継いでいた。

なるほど、それなら
「武蔵守と兼任できるの?」
と聞いていた畠山重忠の気持ちがよくわかる。
総検校職を降ろされるということは、武蔵の実効支配を取り上げられるということ。
つまり、”武蔵の地を奪われる”ことになる。
肩書だけの意味合いしかない武蔵守に任じられたところで、実効支配権が奪われるのなら、何の意味もない。
しかも近頃の時政の言動は、はっきりいって職権乱用まみれだ。
義理の父とはいえ、畠山重忠が時政に対して信頼感を失い、敵対視するようになるのも当然だろう。

武蔵守、ホントは比企能員ひきよしかずじゃなかった

武蔵守の前任が比企能員ひきよしかず(演:佐藤二朗さとうじろう)ということになってるけど、史実上では比企能員が武蔵守に任命されたことはないみたい。

当時武蔵守むさしのかみが空いていたのは事実だけど、前任者はあの平賀朝雅ひらがともまさ(演:山中崇やまなかたかし)。
彼が京都守護職になったために武蔵守の席が空き、武蔵の実効支配を時政が考えるようになったようだ。
平賀朝雅は時政にとって娘婿だから
「俺が引き継いで武蔵を掌握しちゃえば一石二鳥じゃん!」
みたいなヤマシイ考えがあったに違いないw

ちなみに平賀朝雅のあとに武蔵守に任じられたのは、足利義氏あしかがよしうじだった。
そう、鎌倉幕府の次に幕府を開いた、足利尊氏あしかがたかうじのご先祖だ。

足利義氏は、正室が泰時やすとき(演:坂口健太郎さかぐちけんたろう)の娘で、義時や泰時をよく補佐した鎌倉幕府の重鎮じゅうちん

ついでにいうと、足利義氏の兄は足利義純あしかがよしずみ
彼は畠山氏の旧領と名跡を継ぎ、畠山義純と名乗るようになる。
この辺の話は、もうそろそろだね。

のえときのこと松本潤

伊賀いがの方」と呼ばれていたといわれる、小四郎こしろう北条義時ほうじょうよしとき、演:小栗旬おぐりしゅん)の最後の継室が初登場。
『鎌倉殿の13人』では、のえ(演:菊地凛子きくちりんこ)という名前。
彼女は、小四郎が亡くなった後に起きた執権後継者問題でひと悶着もんちゃくを起こす。

第34回では、その流れを予感させるような展開になっていた。

小四郎の前では、非の打ち所の無い妻を演じる一方で、裏では権力欲の強い女性、そんな風に描かれるのかな。
すきあらば、りくさまはもちろん、政子(演:小池栄子こいけえいこ)の地位ですら欲したい」
そんなことを考えているのかもしれない。

政子とどういう関係を構築していくのかは気になるけど、それ以上に気になるのは権力欲の強いお二人、りくさま、そして実衣(演:宮澤みやざわエマ)との関係性。
この二人とは、どういう付き合い方をしていくのか、とても興味深いw

そして、本性を知ってしまったこともあるけど、泰時とはウマが合いそうもない。
今まで小四郎が嫁に取った中で、最悪な妻になる予感だ。
キノコ嫌いなくせに「キノコ大好き!」とか嘘ついちゃうし!
大喜びした小四郎が可哀そうなので、その嘘つき通してほしい!
でも、泰時が次回あたりに早速ばらしそうw

それにしてもあの世界線、キノコ嫌いな女子おなごが多過ぎない?
きのこの山・たけのこの里戦争を、なんだか彷彿ほうふつさせないこともない。

そういえば来年の大河ドラマ『どうする家康』で、家康公を演じる松本潤まつもとじゅんさん。
2019年のきのこの山・たけのこの里国民総選挙では、「新たけのこ党」の党首だったよね。
そしてこの時、初めてきのこの山がたけのこの里に勝利した。

『鎌倉殿の13人』でキノコが一貫して嫌われている理由。
ひょっとして、この辺も関係してるの?

ちなみに個人的にはたけのこの里派。
きのこの山って、なんだか物足りないんだもんw(完)

付録的なもの

【視聴メモ】
小四郎は頼朝の形見の小さな仏像を泰時に譲った
父上の事が嫌い?
そこで……くつろぐなー!!!ww
源実朝は座ってるだけでいいらしい
八田殿はいつだって本気
鎌倉殿!いざ!
女子の前では力の限り尽くします
さりげなく置いておいて
時政に群がる御家人たち……
遠慮なさすぎる平賀朝雅
武蔵はぽっかり空いちまった
惣検校職そうけんぎょうしき
武蔵を脅かすようなことになれば
堀小次郎ほりのこじろう
説教は1日一つで十分じゃ!ww
前大納言坊門信清の娘、千世
あまりご自分のお気持ちを語らない
あなたのことですw
あいつはいまひとつ信じ切れないw
政範まさのり殿が突然病で……
裏表無し……本当か?w
急な病とは言われているが真偽は不明
のえはきのこ大好き
内緒、内緒!www
いやだいやだいやだ!おれがやる!w子どもかww
鹿之助しかのすけ……名前なんかつけたら食べにくいもんじゃんw
畠山はお前の爺様の敵、恨みはあるか?
お前はどっちに加勢する?
和歌に目覚める三代目鎌倉殿
きのこ、持っていきな!www
のえの本性を見ちゃった泰時
京都市、東洞院通ひがしのとういんどおり六角堂頂法寺ろっかくどうちょうほうじ、三重県亀山市、小野城跡

2022年NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第34回「理想の結婚」より


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