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顔が見えない友達(妄想の世界)【音声と文章】

山田ゆり
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1384
※note毎日連続投稿1414日をコミット中1384日目。
※音声・文章、どちらでも楽しめます。




おはようございます。
山田ゆりです。



今回は
顔が見えない友達(妄想の世界)
をお伝えいたします。




ねぇ、ママ~
この写真、どうしてみんなマスクをしてるの?


それはね
ママが小学校に入った頃に
大きな感染症が流行っていたの


ふ~ん


でね
お友達とお話しする時はもちろん
給食の時間も口に食べ物を入れたらすぐにマスクをしてもぐもぐしてたのよ


体育の時もマスクをしていたのよ

え~
走っている時も?


そう
マスクをすると苦しくて
つい外すと先生に怒られたものだわ



この写真はママが小学校の入学式の時

ほら、この後ろに立っている小柄な人がまりのおばあちゃんよ


わぁ~、おばあちゃん、かわいい~



椅子は必ず一つずつ離れて座るように
椅子の座面にバツが付けられていたの


そういう座り方だと式場は狭くならない?


そうなのよね

本来、入学式は新入生全員が集まるものなのだけれど
当時は偶数のクラスが午前、
奇数のクラスが午後にそれぞれの入学式が行われたの


しかも通常の式次第ではなく新入生の名前を読まれて記念写真を撮って教室でちょっとお話があって終わりだったのよ

そしてこの記念写真は写す数分間だけのもので
終わったらすぐにまたそれぞれ離れるようにしたのよ






運動会や学習発表会、体験学習、6年生の修学旅行など
全部中止になったのよ


外に立っているだけでおでこから汗が落ちてくる暑い日のマスクは辛かったわ

救急車を初めて見た時はドキドキしたけれど
それから何度も来るようになり
だれも救急車で騒がなくなった


マスクの種類もあの頃どんどん新しいものが出てきたわ

それまで使い捨てマスクはそれほど使われていなかったのに、突然みんなが買い始めて一時期店頭からマスクが無くなり
そしてマスクの値段が倍近くになったの



いつもマスクをしていたから
ママは小学校のクラスのみんなの
本当の顔を知らないの


あの頃、みんなのことを覚えられなかったわ

だって
お互いどんな顔をしているのか
全然分からないから
「おはよー!」って声をかけられても
同じクラスの子なのか分からなかったの




大人になって小学校の同窓会に1回だけ行ったけれど全然楽しめなかった

だって
顔を知らないから懐かしさなんて感じられないの


名前だけで薄々、ああ、そういえばそういう名前の人いたような気がする
そんな程度だった


世の中に感染者がたくさん出て学校がお休みになり、生徒全員にタブレットが支給され、家で授業を受けた時期もあったのよ

まりたちが学校でタブレットを使っているけれど、それはあの頃のそんな事情から始まった事なのよ



あの頃時々、私はいやな夢を見たわ


隣の机の子が私の方を見る
でもその子の顔は真っ暗で何も見えないの

後ろを振り向いてみてもやっぱりみんなの顔がないの
なぜか、不気味に口だけは笑っていたの



目覚めた時、怖かったわ
あの子は誰だったのだろうか
私はその子からどう思われているのだろうかって思うと胸の中で黒い雲がどんどん増えていったの


私は本当にあの学校に通っていたのかしらって不安になることがあるの


マスクで感受性が遮断され自分と相手の存在を実感することなく私の小学校生活が終わってしまったの





今回は
顔が見えない友達(妄想の世界)
をお伝えいたしました。

本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。 

ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日をお過ごし下さい。

山田ゆりでした。





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