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映画とドラマ

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#映画レビュー

「私の罪は何ですか…」レニ・リーフェンシュタールを描いたドキュメンタリー映画を観た。

「私の罪は何ですか…」レニ・リーフェンシュタールを描いたドキュメンタリー映画を観た。



軍靴の音、オリンピックのマスゲームの映像が映画冒頭に流れる。狂気の20世紀、強制収容所と全体主義の時代を象徴する映像が続く。
第三帝国を代表する映画監督、レニ・リーフェンシュタール。ナチス党大会をニュース映像にした『意思の勝利』や映画『オリンピア』がナチスのプロパガンダを助けたとして今もドイツではその存在がタブーになっている。この映画は90歳になる本人に取材した、前編後編合わせて3時間の大作ド

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映画『ガザの美容室』

映画『ガザの美容室』

女たちでにぎわう美容室。忙しく髪にブラシをあてて働く母親に少女が訴える。「外へ出たい」「少しだけ」 母親の美容師は厳しく答える。「ダメ、奥で宿題をしなさい。」何とも言えない閉塞感につつまれたシーンで映画ははじまった。

https://youtu.be/6TqBOSVLWww

外はいつ戦闘が始まってもおかしくない、というか、ここガザには日常的に戦闘がある。そんな中で暮らす女性達が髪を整えてもらう

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映画『世界で一番ゴッホを描いた男』

映画『世界で一番ゴッホを描いた男』

何か残酷な結末が待っているのではないか、そんな予感があった。そうはあって欲しくないと祈るように最後まで見終わり、後味が悪くなかったことにほっとした。これが、ドキュメンタリーかと思うほど、人物に魅了された。

中国最大の油絵村、大芬(ダーフェン)20年もゴッホの複製画を描いてきたというシャオヨン。来る日も来る日も狭くて暑い工房でゴッホを描く。ヒマワリ、ジャガイモを食べる人々、ゴッホの自画像、…壁一面

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