貴方の淹れる珈琲は不思議な味がした。勿論、美味しい。それ以上に、緊張して硬くなった身体がほぐされて、柔らかさを取り戻すような、優しい温もりが伝わる。私の喜怒哀楽、心にある綺麗も汚いも全て包み込んでいく。生きていても良いのだと言わんばかりに。気付けば頬を伝い、一筋の涙が落ちていた。

画像1 【140字小説4】

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