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月子
2023年7月27日 23:59
#8 高校の卒業式の日は、講堂の傍に早咲き桜が濃い色をつけて咲いていた。 友だちと写真を撮る子たちを横目に、柊子と今夜の約束をする。 そこに紫郎も顔を出してくる。 「思い出だよね…」 柊子が感傷的な事を言うなんて珍しい。 「あの中で、今後も続いていくモノなんてどのくらいあるのかな」 たくさんの塊の中には、今まで特に仲良くもなかったはずなのに、抱き合って泣いてる子たちがいて、あぁ…と私
2023年7月20日 23:48
紫郎 自分にとって特別なのは、柊子しかいなかった。 生まれた時から一緒だからなのか、柊子とその他で分けていた。 だからって、友だちがいなかったわけでも、付き合った子がいなかったわけでもない。 俺は、それが普通だと言われているから、それに沿った行動をとっていた。 だけれど、柊子は違う。 誰とでも話すが、誰とも打ち解けない。 自分を理解してもらおうともしない。 友だちを作る事もしない
2023年7月13日 23:53
#7 紫郎が、柊子に男を近づけている。 私は隣でどんな意図があるのかと、紫郎を伺う。 その人は学校の有名人で、優しそうな見た目で女子人気が高い。 だが、誰かを特別扱いをする事がなく、話しかけられても愛想なく近寄りがたい。 今もそんな感じだが、紫郎がそれを気にする訳がない。 紫郎が柊子と、ついでに私の事も紹介して 暫く紫郎を中心に会話が進む。 私は3人の様子を伺って気がついた。