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ショートストーリー

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2023年7月の記事一覧

さくら

さくら

#8
 高校の卒業式の日は、講堂の傍に早咲き桜が濃い色をつけて咲いていた。
 友だちと写真を撮る子たちを横目に、柊子と今夜の約束をする。
 そこに紫郎も顔を出してくる。
 「思い出だよね…」
 柊子が感傷的な事を言うなんて珍しい。
 「あの中で、今後も続いていくモノなんてどのくらいあるのかな」
 たくさんの塊の中には、今まで特に仲良くもなかったはずなのに、抱き合って泣いてる子たちがいて、あぁ…と私

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ふたり

ふたり

 紫郎
 自分にとって特別なのは、柊子しかいなかった。
 生まれた時から一緒だからなのか、柊子とその他で分けていた。
 だからって、友だちがいなかったわけでも、付き合った子がいなかったわけでもない。
 俺は、それが普通だと言われているから、それに沿った行動をとっていた。
 だけれど、柊子は違う。
 誰とでも話すが、誰とも打ち解けない。
 自分を理解してもらおうともしない。
 友だちを作る事もしない

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さくら

さくら

#7
 紫郎が、柊子に男を近づけている。
 私は隣でどんな意図があるのかと、紫郎を伺う。
 その人は学校の有名人で、優しそうな見た目で女子人気が高い。
 だが、誰かを特別扱いをする事がなく、話しかけられても愛想なく近寄りがたい。
 今もそんな感じだが、紫郎がそれを気にする訳がない。
 紫郎が柊子と、ついでに私の事も紹介して
 暫く紫郎を中心に会話が進む。
 私は3人の様子を伺って気がついた。
 

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