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【富士登山2023】富士登山ルート考察と最終結論

富士登山には4つのルートがある。

「吉田ルート」「富士宮ルート」「須走ルート」
そして「御殿場ルート」だ。

果たして自分は2023年の富士登山でどのルートを選ぶのか。

では、各ルートの特徴を見ていこう。



【吉田ルート】

吉田ルートは山小屋ばっかりなので初心者にも安心。
自分が日帰り登山で登頂とお鉢めぐりをしたのもこのルートだ。(#124参照)

そして登山道と下山道がしっかり分かれているのも素晴らしいところだ。
このおかげで登山者同士がかち合って譲り合いになることもない。

そして吉田ルートの下山道は、軽い砂走のような雰囲気を味わえる。(めちゃくちゃ長いが)

そんなルートなので、登山者数はもちろんナンバーワン。
山小屋も埋まりまくりである。

だが休憩場所は多いながらも距離的には2番目に長いので、体力は必要だ。
富士登山を甘く見てはならない。


【富士宮ルート】

富士宮ルートは出発地点の標高が一番高く(2400m)、距離的にも短いルートだ。でもだからといって楽なルートというわけではない。

距離が短い分、角度が急な道だし、石もゴロゴロしている。
自分は過去に天気が雨でお腹も壊したので撤退したルートでもある。

そして富士宮ルートは吉田ルートに次いで2番目に人気のあるルートなのだが、登りと下りで同じ登山道を用いる

自分が登ったときはそこまででもなかったが、登山道を共有するので混雑したらなかなか面倒そうだ。

でも宝永火口にすぐ行けたり山小屋も適度にあるので、個人的にはなかなか良いルートだと思ってたりする。(頂上まで行ったことないけど)



【須走ルート】

須走ルートは緑が多いルートで、富士山の真東に位置するため、樹林帯を抜けたらどこでも御来光を見ることができるという利点がある。

ただ、登山のラストは吉田ルートと合流するので、混雑に巻き込まれる可能性はあるだろう。

自分が吉田ルートに登ったときは時間帯が良かったのか混雑はそんなにしていなかったが、2023年は大混雑と聞くし大変なのかもしれない。

山小屋も結構あるし、下山道も分かれていて砂走も楽しめるそうなので、実は良い登山道なのかも。

人気度では3位となってしまうが、そのうち歩いてみたい。



【御殿場ルート】

御殿場ルートは健脚の人間しか選んではいけないルートだ。

その理由を挙げていくが、まず問題になるのは圧倒的な距離である。

御殿場ルートは傾斜が緩やかな部分が多い。
つまり、頂上に行くまでかなり長く歩かされるということである。

距離にして約10km

「10kmとか余裕だろw」とか思った人も居るだろうが、山である
もちろんゆるい場所が終われば急な道になる。

更に厄介なことに御殿場ルートは道の一部が砂利なので、一歩踏み出してもズリズリと下がっていく場所があるのだ。

鳥取砂丘宝永火口を歩いた人はわかるだろう。
あんな登りが続いたら心が折れる。


そして御殿場ルートのスタート地点は御殿場口新五合目なのだが、標高は1400m

一番スタート地点の標高が高い富士宮ルートは標高2400mなので、この時点で御殿場ルートを選んだ人間は1000m余計に登ることが確定している。

山頂までの獲得標高は2336m
西日本最高峰の石鎚山を余裕で越えてしまう。


加えて問題なのが、こんなに長いわキツいわで勘弁してほしいこのルートには、山小屋が皆無なのだ。

補給できるのはスタート地点から10分行ったところにある大石茶屋のみ。
その先は7合目の日ノ出館も休業中で、更にその先のわらじ館に行かねば補給は不可能。(※次の章で補足があります)


こんな過酷さが合わさればそりゃ人気も最下位になるわけである。
過酷さが他のルートとあまりにも違う。

ちなみに吉田ルートと御殿場ルートでは、登山者の数が約10倍違ってくる。

登山道別の登山者数は、吉田ルート=約9万4000人、須走ルート=約1万2600人、御殿場ルート=約1万2000人、富士宮ルート=約4万1500人。

このデータを見ると、良さげに見えた須走ルートと過酷な御殿場ルートが同レベル(約1万2000人)だったのがちょっと気になるが……まあそれはそれとして。


……ただ、もちろん良いところもある。

ダイナミックな宝永山が真下と真上から見られたり、下山の際の大砂走りはこのルートが誇る素晴らしいものだという話だ。

そういえばこの前紹介した120年前の富士登山の本でも、わらじを多重装備しつつ、大砂走りを走り抜けていた


さらには直接富士山に行くのではなく、双子山に登って宝永火口に行くルートなんかもあったりして、富士山山頂に行く以外の楽しみも提供してくれるのがこのルートだ。

車の規制もかかっていないので、自分の車で新五合目まで来れるし、御殿場駅からのバスも所要時間30分の往復1900円。

富士山の頂上まで行くとなると過酷極まりないが、気軽に富士山を見つつ双子山ハイキングができるような、そんな魅力があるルートな気がする。


【どのルートを登るか?】

では自分が2023年の富士登山でどのルートを選んだのかを発表しよう。

いや、もう文章量でわかるだろう。

もちろん『御殿場ルート』である。


健脚でもないのに馬鹿なの?」という幻聴が聞こえるが、もちろん無策なわけではない。

いかに長距離ルートであろうが、途中で山小屋に泊まれば良いのだ。

だからその山小屋がこのルートにはないだろ!」って?

……まてまて、そう慌てなさんな。


状況は変わったのだ。

なんと御殿場ルートの新六合目に、山小屋が出来たのである!!

その山小屋の名前は『半蔵坊』。

場所は新六合目(標高2590m)で、わらじ館の3090mに比べれば500mも低い

この山小屋が出来たおかげで、過酷な御殿場ルートが凡人でも頑張ればなんとかなりそうな雰囲気が出てきたのである。


そしてこの山小屋、2022年に出来たてだ。

実はここには元々山小屋があったのだが、長らく放置されており、それを再び使えるようにしたのがわらじ館運営者の方らしい。(神かな?)


まともな休憩地点が出来たことで、御殿場ルートは生まれ変わる
そして、そんな情報を広く知られていない今がチャンスかもしれないのだ。

なにせ御殿場ルートは不人気である。

つまり登山道が混雑などしない!!


更には山小屋に泊まるときも人の少なさは大きな意味合いを持つ。

皆さんの山小屋泊はどんなイメージだろうか?
ログハウスで山の幸を楽しんで、ゆっくり就寝?

『富士山の山小屋』にそんなものを求めてはいけない。


富士山の山小屋体験談を見ると、

「一つの布団に大人3人」

「寝袋に入っても腕が密着している状態で寝返りも打てない」

「ただでさえ酸素薄いのに、他人の呼吸で酸欠が加速しそう」

などの一般人には衝撃的な文言が並ぶ。
(今はコロナ対応で多少変わったらしいが)


もちろん富士山という過酷な環境で雨風を凌いで暖かく寝られる場所があるだけで感謝しろという話なのだが、正直自分にはきつい。

コロナ明けな雰囲気によって日本人外国人問わず富士山に殺到している今、メジャールートの激混みな山小屋など選べるだろうか?

(そもそもメジャーな山小屋は思い立ったときに宿が取れないし)


そう、不人気な場所がいいのだ。

あんまり人が泊まらない山小屋が。

それを満たすのが、出来たてかつ不人気ルートにある『半蔵坊』である!!


実は一週間前からずっと半蔵坊の予約状況を見ているが、他の山小屋と違って全然満員にならない。

これはつまり、天気を見てベストだと思ったときに予約が入れられるのだ。

メジャーな山小屋は何ヶ月も前から予約して、「雨だけど山小屋予約しちゃったし行かなきゃ……」なんてことになったりするのだが、そんな展開を半蔵坊は最小限にできる。


……これはいけるぞ!!


そんなわけで、自分の始めての山小屋泊の富士登山は御殿場ルート+半蔵坊で決定した。

これから数日に渡って富士登山の様子を投稿していくことになるだろう。


自分の試みは果たして成功したのか。

まだまだ期間の残っている富士登山の参考に多少でもなれば幸いである。


乞うご期待……!!



【追記】
登山開始!!


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