【防災アプリ】もしものときのために避難場所まで歩いておく【南海トラフ】
年末年始の帰省の際、親に言われた言葉がある。
まあ親としてはやはり心配なのだろう。
なにせ正月にあんな大きな地震があったのだから。
それを「大丈夫大丈夫!」と軽く受け流して帰った自分だったが、1月末になってやっと、「いや全然大丈夫じゃないが?」ということに気づいた。
自分の居住地域は、南海トラフ地震で100%被害を受けるのだから。
まあ正直大丈夫じゃないことには薄々気づいてはいたのだが、これが人間のもつ正常性バイアスというやつなのだろう。
危険なものを危険と認識できないまま1ヶ月くらい過ごしてしまった。
……いや、ここに住んでいる期間を合わせたら3年か。
ともあれ、体が正常性バイアスを越えてようやく危険を訴えはじめたのだから、この機会にちゃんと調べておこう。
自分のいる場所の被害想定と逃走経路について。
【南海トラフ被害想定】
ではまず南海トラフ地震が各県にどれだけの被害を与えるかを見ていこう。
(以下、国土交通省気象庁HPより)
能登半島地震では震度7が石川県志賀町、震度6強が七尾市、輪島市、珠洲市、穴水町だったが、南海トラフ地震はどう考えてもそんな規模では済まないのがひと目でわかる。
というか震度7〜6弱の想定がされている箇所は、宮崎や四国全域、大阪を含めた近畿地方南部、愛知県、静岡県という途方もない範囲なのだ。
そしてこのあと、もちろん大津波が来る。
赤い部分が10〜20mの大津波に襲われる範囲だ。
そしてこの気象庁の図はわりとマイルドな方で、他の最悪な予測では30m越えの地域がこれよりずっと多かったりする。
まああくまでも30mの津波は最悪の想定ではあるが、つい最近3000年に一度の地震が起きているわけで、もはや何でも起こりそうである。
勘弁して欲しい。
【防災アプリについて】
30mの津波が来たらどうしようもないことはよくわかったので、ここは避難してうまく生きられた場合を考えよう。
そのために役立つのが防災アプリだ。
なんだか世の中には津波想定トレーニングができるものや地域密着型のアプリなどいろいろあるらしい。
それではいくつか挙げていこう。
・『逃げトレ』
津波が来たときにどれくらいで追いつかれるのかがわかるアプリ。
地域によっては利用不可なのがあれだが、地震が起きた際の避難トレーニングに使うことができる。
津波シミュレーションについては後述する地域の防災アプリにもついていることが多いので、あえてこれを入れる必要はないような気もするが、一応紹介。
・『高知県防災アプリ』
南海トラフ地震や津波だけでなく、洪水などの多様な災害にも対応したアプリ。もちろん高知県用である。
操作方法も「ジュニアモード(漢字少なめでふりがなつき)」「シニアモード(文字が大きくて色がはっきり)」なんてものが用意されていて、各年代への配慮がある。すごいな高知県。
避難場所やそこまでの経路なども表示可能で、避難訓練にも使えそう。
グループ登録など他にも機能盛りだくさんなので、詳しくは最後に乗せるサイトのPDFや以下の動画をどうぞ。
・『和歌山県防災ナビ』
様々な防災情報に加えて津波シミュレーションも備えたアプリ。
もちろん和歌山県用である。
こちらもまた避難訓練に使用可能で、家族をグループ登録しておけば避難した家族の情報も確認できる。
他にも位置情報を利用して現在地の災害情報を通知する機能もあるので、県内の他の場所に行ったときも情報が得られる。
ちなみに犬のキャラの名前はきいちゃんである。
・名古屋市防災アプリ
津波の浸水予測や河川水位の情報、徒歩帰宅支援ステーションなどの避難施設の確認ができるアプリ。もちろん名古屋市用である。
「愛知県じゃなくて名古屋市用かよ」という話だが、こんな風に地域に根ざしたアプリも存在するのが防災アプリなのだ。
東日本大震災での首都圏の帰宅困難者は500万人を越えたと聞く。
名古屋市民も備えよう。
とまあそんな感じで、「県の防災アプリ」や「地域の防災アプリ」が実はいっぱいあったらしい。(全部紹介してたら大変なことになるのでこのへんで切り上げる)
また、「旅行中に災害にあったらどうすれば!?」という方には、全国の避難所情報やハザードマップが見れる「全国避難所ガイド」アプリを入れておけば、旅行時の安心感が高まるかもしれない。
・『全国避難所ガイド』
【実際に使って避難してみる】
ではこれらの防災アプリを入れたら、実際に近場の避難場所を指定して歩いてみよう。
おそらく南海トラフでの津波被害が想定される地域のアプリには、津波関連の機能や避難所関連の機能がついている場合が多いと思う。
それを使用して避難訓練が出来るというわけだ。
(どんな流れになるかは以下の逃げトレの動画がわかりやすい)
自分も試しにやってみたが、マップ上に示された指定の避難場所までは普通の速度で歩いて5分くらいだった。
ただこれは住んでいる地域にもよると思うし、実際に地震が起きた場合は道路や橋の崩壊などもあり得る。
なので近場の避難場所を何箇所か実際に歩いて確認しておこう。
一日のモチベーションを上げるといわれる朝散歩とかにこれを取り入れて、健康になりつつ避難場所を確認するなんてのもありかもしれない。
……まあ自分の避難場所はさすがに30mの津波が来たらどうしようもないという事実があるのだが、それはそれである。
やらないよりマシということで。
【他にやることは?】
避難経路や場所がはっきりしたのはいいとして、まだまだ準備しなければならないことはたくさんある。
仮に津波が10分後に来るとして、自分の地域に想定される震度は身動きなど取れないレベルなのだ。きっと部屋も盛大に荒れることだろう。
(というか木造だし倒壊すらありえそうだ)
なので短時間のうちに必要最低限のものを持ち出せる環境は作っておかねばならない。
これは使ってない登山用ザックの中にあれこれ災害用のアイテムを詰め込んで、即座に持ち出せるようにしておく必要がありそうだ。
そしてどうにか地震発生から5分以内に家を出ることが出来れば、津波が到達する前に避難場所へたどり着けるはず。
もちろん怪我をした場合やら、荷物持ち出しに手間取った場合やら、道路状況が壊滅的すぎた場合などなど、”もしかしたら”を考えたらきりがないのだが。
しかしいざこうやって自分の住む地域が危ない場所だということを実感すると、本当に勘弁して欲しいと思えてくる。
自分がずっと正常性バイアスで逃れ続けてきたのもわかるというものだ。
だが自然は待ってはくれない。
日本は災害大国なのだ。
備えよう……!
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