図書館の思い出
大学生になってすぐ、図書館へレファレンスを依頼した。
家族が「なんで大きな川の傍には大きな風俗街とかがあるんだろうね」とふと口に出していたので、性産業に関してレファレンスの紙に書いて提出した。すると手渡したご年配の司書に鼻で笑われ、「うちはこういうの対応してないので」と紙を突き返された。
なんだ、レファレンスの質なんて結局人によるじゃないかとふてくされた思い出がある。
教授から依頼されたら誇り高く、レファレンスに応じたのだろうか。
結局家族の問いに対してはジュンク堂書店で買った大塚ひかり著『うん古典―うんこで読み解く日本の歴史―』に答えを見出した。
いい思い出もある。
小学生の頃、毎週金曜日の放課後は友達を引き連れて図書館で本を読んでいた。飽きもせず毎週。
友達と喋るのでもなく、本当に真面目に本を見つけては読み、誘われたら読み聞かせてもらう。
私のお気に入りの絵本は『ノミのピコ』、読み聞かせボランティアの他所様のお母さんを困らせた。
委員会のなんかや、宿題を片付けた日もあった。
人気のない図書館で気分によって読む場所を変える。
保護者面談でごった返す図書館にブルーになりながらも留まった日もしばしばあった。
毎週いるものだから、司書ボランティアの三木さんから冊子を手に取るよう勧められ「好きな本にまる書いてもいいよ、選書の参考にするから」と言われたこともあった。楽しくて幸せな思い出だ。
16時に図書館から帰ったら借りた本を腹ばいになって読んだ。およそ本を読み終えるのは17時半になる。そこからまたテレビを見ていた。
今思えばよくそんな読む本があったな、と驚く。
宮下規久著『バロック美術 西洋文化の熟爛』もあと3日以内に返却しなくてはならない。
早く読まないと。
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