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「時間予算」という考え方でクリエイティブをしたい

つづるです。久しぶりの投稿です。最近はずっと、住宅の設計の仕事に集中していましたが、今日は「時間予算」という考え方について綴りたいと思います☺

納期とクリエイティブ

「納期」という言葉があります。

商品を納める期限のことで、お客様へ出荷できると約束した時間とも言いかえることが出来ます。

お家づくりにも「納期」がいくつか存在しています。

設計の仕事だと、

❏ お施主様へ提案をするまでに、プランを練り、図面を書き、見積もりを作成する

という仕事が一番わかりやすい納期かと思います。

また、お家を作る職人さんに「◯日までに設計図面をお渡しするので、●月初旬から工事を始めてください」とお願いすることも、設計士と職人さんの間の納期と言い換えることが出来ます。

また、Business to Customer(B to C)であると思われる「お家づくり」の仕事は、部署や役割(営業、設計、コーディネーター、施工管理など)ごとの「社内BtoB」のような業務体系だったりします。

そのため、役割担当ごとの仕事の受け渡し納期が発生しているはずです。

このような納期に追われる状況の中でも、良い設計がしたいと願う設計士やコーディネーターは多いのではないかなと、正直思っています。

わたしもその一人です。

納期に追われている感覚になると「自分に残された時間が無い」と感じるようになります。クリエイティブにかける時間が無いと焦ります。

ですが、わたしは「自分の時間を大幅にかけることが、良い設計につながる」とは思っていません。

「設計業務のすべてに時間をかけること」が重要なのではなく、

「クリエイティブな時間とは何なのか」を考え、どの業務に時間をかけるのかを設計し「時間予算を組むこと」が、結果的に良い建築設計につながるのではないかと思っています。

時間予算とクリエイティブ

時間予算とは「使える時間と使わなければならない時間の予算を見積もり、適切に時間配分が出来るように管理すること」と言われています。

まず「クリエイティブに費やす必要のある時間」を自分なりに見積もってみます。

わたしの場合、職場で「ビジネス・プロセス・マネージャー」というツールを導入しています。

こちらのツールはスケジュール機能がついており、自分の作業時間の集計を取ることが出来、過去に担当をしたお家の設計業務時間の集計を簡単に見ることが出来ます。

わたしの場合、本当に必要だと感じた「設計のクリエイティブな時間」は、

❏ ゾーニング(駐車場・建物・庭)

❏ 外観設計(ファサード・立面)

の2つだけでした。

この2つだけは本当に明確な時間が読めないもので、出来れば長く時間予算を取っておきたい仕事内容でした。

あとの設計業務は「作業」に近く、自分の過去に使った時間を見れば、大体何時間ほど時間予算を見積もればいいのかがわかりました。

ここで、「作業」の時間は仕組み化、マニュアル化をして時短化が出来れば、クリエイティブな時間をもっと確保出来ます。

時間予算を見積もれたら、あとはスケジュールに登録していくだけです。予定したとおりに時間予算が消化出来なくても、自分の生産性の現在地点を把握出来れば十分です。


作業時間の集計を取ってみると、時間予算を組めます。

短い納期を守りながら、良い設計をすることも夢では無くなります。

「作業」の時間と「クリエイティブな時間」の棲み分けが

これからの設計仕事の鍵を握っているのではないかなと感じています。

終わりに

時間をかければ、良い設計が出来るとずっと思ってきました。

若手の頃は よく夜遅くまで仕事をして、プランを熟考していました。

知識と経験、情報と自分ではない他の人のアイディアの掛け合わせがあれば、「自分一人の熟考時間」よりも、良い設計につながる可能性があることも知りました。

ただ、自分一人の熟考時間があるから、設計士として成長出来ます。

よく考えることや学ぶことはやめないけれど、約束した期日を守り お施主様の理想の暮らしが叶う、良い設計が出来る設計士にわたしはなりたいと考えています。

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