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大人になるということはきっと何かを失っていて、でもそれは紛れもなくあの時の君が追いかけ続けていた大事な大事な何かで、忘れちゃいけない君だったんだよ。
あの日追いかけていた何かは、今や僕の心の中にすらいなくなっていた。 ああ、待ってよ、もうちょっとだけ。 掴みかかるとすぐに霧散してしまう何かはまたひょっこりと姿を現し、僕がもがいてる様を楽しんでいた。 追いかけては消え、消えたと思ったら現れ、鬼が変わらない鬼ごっこに辟易した僕はいつかの群青色をした冬空の下、何かに初めて背を向けた。 何かは僕を追いかけるでもなく、振り返るとただずっと視界の奥に佇んでいた。まるで僕が虚をついて鬼ごっこを再開するんじゃないかと疑っている何かは、最