若宮 つづく

細々活動してます、よしなに。 道の途中です。

若宮 つづく

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最近の記事

記憶と想い出

 大学生の時代を過ごした土地に帰ってきた。見慣れた風景、少し強い風、二年も経っていないのだから当たり前だけれど、何も変わっておらず大きく深呼吸をした。  確かに僕はこの土地を歩き、あの居酒屋で飲み明かした。でもその形跡は僕の記憶の中でしかなく、今はこの時代の大学生達の姿と足跡しか残っていない。当たり前だが僕の住んでいたアパートにもきっと誰か住んでいるのだろう。  堪らなく恋しい。もう二度と手に入れることが出来ない時間を目の当たりにしたこの気持ちをエモさというのだろうか。  

    • お酒を飲む夜はどうにも感傷的になって仕方ない。

      • 僕の傷は僕にしか理解できないし、あなたの傷が分かるなんて嘘の同情はしない。

        • 何が悲しいって

          何が悲しいって この言うも言えぬ心のもどかしさよ 当たり前だったはずの何かが抜け落ちいく悲しみよ 孤独の輪郭をなぞる様に あるはずもない君の姿を追い求める 何が悲しいって もうこの世界線では関わらぬことよ それ即ち、この記憶にある限りだということよ ぐうぜん会ったとしてもお互いに 見知らぬフリをするだろう 何が悲しいって 虚のマスターベーションよ ただ数を重ねるだけ苦しくなる本能よ とてもとても耐えきれなくて 文学とアルコールでその日を越える。

        記憶と想い出

          また今日から執筆を再開しよう、物語を紡ごう。

          また今日から執筆を再開しよう、物語を紡ごう。

          日付を超えられない体になってしまった...

          日付を超えられない体になってしまった...

          言葉でしか、とりわけ文筆でしか僕は心の葛藤や想像を表現できないから。書き続けるしかないんだと、一つの欲を満たす様に。

          言葉でしか、とりわけ文筆でしか僕は心の葛藤や想像を表現できないから。書き続けるしかないんだと、一つの欲を満たす様に。

          そして、扉を開ける

           淡くぼやけた記憶の中に、ありありと存在していたその大きな木製の扉は触れたら朽ちてしまいそうな程ボロボロだった。    よく道中で見かけた建物がいつの間にか建て替わっていても元の原型がハッキリと思い出せないように、その扉も最初は真新しく何色かに輝いていた気もするがやはり、最初からペンキも落ちて酷くボロボロだった気もする。ただ一つ鮮明に覚えているのは、この扉が顕在化するのはいつだった私が生き詰まった時だった。    学校で虐められた時、先生にお前が悪いと言われた時、親に「産

          そして、扉を開ける

          孤独に喰われる

          いつからか僕は孤独になった。それはきっと半分は自分の性格のせいで、半分は僕が望まれなかったせいだ。最初こそ寂しくはあったものの最近は割と心地よささえ感じてしまう。孤独という落ちた心の冷たさが僕の魂の輪郭をなぞるように、人間というありふれた社会の一角は常識の定規で僕のプロフィールにバッテンを描いていく。 僕は他者を蔑ろにしていたのだと最近感じる。自分を隠し、適当に相槌を打ち、嫌われないように立ち回ってきた。でもそれが今の結果なのかもしれない。誰も僕を求めちゃいないし極端な話、

          孤独に喰われる

          君はきっと、過去を振りかえらないだろう。 僕はだから、未来から来たフリをするんだ。 君はきっと笑顔でいうんだ、初めましてと。 僕はその言葉に、また傷ついて逃げるんだ。 君にとって僕は、有象無象の一人間だから。 僕は再び、違う世界線で君に逢いに行こう。

          君はきっと、過去を振りかえらないだろう。 僕はだから、未来から来たフリをするんだ。 君はきっと笑顔でいうんだ、初めましてと。 僕はその言葉に、また傷ついて逃げるんだ。 君にとって僕は、有象無象の一人間だから。 僕は再び、違う世界線で君に逢いに行こう。

          大人になるということはきっと何かを失っていて、でもそれは紛れもなくあの時の君が追いかけ続けていた大事な大事な何かで、忘れちゃいけない君だったんだよ。

          あの日追いかけていた何かは、今や僕の心の中にすらいなくなっていた。 ああ、待ってよ、もうちょっとだけ。 掴みかかるとすぐに霧散してしまう何かはまたひょっこりと姿を現し、僕がもがいてる様を楽しんでいた。 追いかけては消え、消えたと思ったら現れ、鬼が変わらない鬼ごっこに辟易した僕はいつかの群青色をした冬空の下、何かに初めて背を向けた。 何かは僕を追いかけるでもなく、振り返るとただずっと視界の奥に佇んでいた。まるで僕が虚をついて鬼ごっこを再開するんじゃないかと疑っている何かは、最

          大人になるということはきっと何かを失っていて、でもそれは紛れもなくあの時の君が追いかけ続けていた大事な大事な何かで、忘れちゃいけない君だったんだよ。

          ちゃんとね、苦しむよ

          最近ね、別れたんだ。 辛くてね、2日も仕事休んだんだ。 連絡先もね、考えうる全てを変えたんだ。 気持ちもね、置き去ることにしたんだ。 2人もね、 失うことは辛かったんだ。 でもね、それしか選択肢が視えなかったんだ。 僕はね、自分勝手だと思うんだ。 なにもね、成長してなかったんだ。 ただね、後悔はしてないんだ。 きっとね、もう関わることはないんだ。  それでもね、不幸を望んでるわけじゃないんだ。 これからもね、幸せであってほしいんだ。 いつまでもね、それ

          ちゃんとね、苦しむよ

          成り果て

           「さあ、続いてのお便りはこちらです」  ワンルームの薄暗い部屋から肉声じゃない人間の音が網戸越しに流れる。  「埼玉県にお住まいの30代男性、レモンサワーさんからです。初めましてこんばんわ。私は最近とある趣味ができました。それは、健康的な生活をすることです。具体的には朝に運動をしたり、筋トレをしたり、夜食などの食生活の乱れを無くすたりすることです。その効果が出たのか仕事の集中力があがりいい結果を残せたり、何より驚いたのはお酒を辞めることができたことです。無類のお酒好きだった

          呪気

           また、日曜の夜がやってきた。何度も何度も僕を追い詰め悪夢を這わせてくる夜が。でも逃げられないんだ。生活は続いていく、生きていくためには労働を日常の一部に組み込まなければならない。  そういえばさ、最近改めて失恋をしたんだ。好きになるのを辞めようと、もう新しい道と向き合おうと思っていたけれどやっぱり好きという気持ちは消失しなかった相手がいたんだ。彼女とはよく通話をするしゲームもする。でも僕は過去に彼女を傷つけたから、もどかしい気持ちを常に心に置いていた。  「好きになっては

          5日目・腹痛

           こんばんわ、今日は日記です。  まず初めに、note毎日投稿できるかなとか考えてたけどふつーに無理だった、申し訳ない。  仕事が忙しくなんて言い訳だけど、なんかストレスでお腹に痛みというか違和感を感じるし、まじでこの三連休は何にも出来なかった。これは今の職業だからそう感じるのか、はたまた労働ということ自体がそういうものなのか点でわからない。少なくともバイトの時はもうちょっと楽しかったなと意味のない背比べをさせる。  ふつーに学校行って、ふつーに労働して、ふつーの老後を送っ

          4日目・どうでもいい

           得たものは私にとってどうでもいいものだった。  捨てるのに躊躇いはないけれど、害なく無価値なそのものは、別にどうでもいいものだった。  そのものは偶々拾った。お酒に酔わされ酷い歩き方をしていた夜更けにたまたま見つけた。ただ、なんとなく持ち帰ったものが、処分の煩雑さで今でもわたしの部屋にある。   「俺、家事めちゃくちゃ得意だから。料理も洗濯も掃除もなんだって任せてよ。あゆみのこと、絶対楽にしてみせるから。」  嘘つけ、一番処分が怠いどうでもいい者すら捨てちゃいないの

          4日目・どうでもいい