孤独に喰われる

いつからか僕は孤独になった。それはきっと半分は自分の性格のせいで、半分は僕が望まれなかったせいだ。最初こそ寂しくはあったものの最近は割と心地よささえ感じてしまう。孤独という落ちた心の冷たさが僕の魂の輪郭をなぞるように、人間というありふれた社会の一角は常識の定規で僕のプロフィールにバッテンを描いていく。

僕は他者を蔑ろにしていたのだと最近感じる。自分を隠し、適当に相槌を打ち、嫌われないように立ち回ってきた。でもそれが今の結果なのかもしれない。誰も僕を求めちゃいないし極端な話、僕が消えても誰も気づかないと思うのだ。

最近とてつもなく「死」というものに魅入られる。それを受け入れればこの地獄から逃げ出せるかもしれないのに、今の僕は生きることに少しの希望を見出してこの「生」に縋っている。一人で静かに端っこの道を歩んでいる。

深く深く孤独でありたい。死なない程度に社会の一部でありながら、社会から妨げられていて。でも誰かの記憶には深く深く残っていたい。これって我儘だろうか。うん、きっとそうだよ。

本当はさようならと言いたいけれど、僕はもう少しこの白黒の世界を生きてみようと思う。そして白黒さえも区別ができなくなったなら、僕はひっそりと死にたいな。孤独に全てを喰われたら。






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