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副作用の3つの仕組みと対処法を知って薬を人生の味方にしましょう

調剤薬局の薬剤師として、お薬を服用する皆様のお役に立てるように記事を書いています。
できるだけ分かりやすいように心掛けていますが、もし分かりにくいところがありましたらご遠慮なくおっしゃって下さいね。
ご質問にもできる限り丁寧にお答えしたいと思っております。


💊今回は薬の副作用のお話し。


薬には副作用があります。

これは、体を構成しているものではない、体にとって異物である以上避けられないことです。

それでも薬がどうしても必要な時もあります。

薬は害があるので飲まないとおっしゃる方もいらっしゃいます。飲まなくて済むような病気や症状であれば、それでよいでしょう。
ただ、飲まなくてはいけない状態の時には、体に取り入れる薬の事をできるだけ理解して、より良い生活のための強い味方として利用していただきたいと願っています。

怖いのは副作用ですね。
副作用と一言で言っていますが、いつくかの種類に分けられ、対処法が異なりますので、ご説明しますね!

💊副作用には大きく分けて3つの仕組みがあります

①アレルギー性のもの
②薬の持つ毒性によるもの
③薬の薬理作用によるもの

では、それぞれどんな特徴があるでしょうか?


①アレルギー性の副作用

特定の薬に対するアレルギー反応です。

薬の主成分で起きることもありますし、それ以外の添加物や、製造過程で関わるものなどが原因になることもあります。
薬に対する特異体質とも言えますので、一人一人異なります。特に多い薬もありますが、すべての薬においてその可能性はあるとお考え下さい。
また、薬による副作用だけではなく、自然界に存在するものでもアレルギーは起こりますし、食物でも起こります。むしろ食物の方が多いですね。
いつ、だれに起きるか分からず、予測することができない副作用です。

新型コロナウイルスワクチンによるアナフィラキシーの話題がよく取り上げられていますが、アナフィラキシーアレルギー性の副作用の一つです。
ワクチンに含まれる添加物のポリエチレングリコールにアレルギーのある人に起こりやすいのではないかと言われています。

アレルギー性の副作用にはすぐに症状がでる場合時間が経ってから症状がでる場合があります。

アナフィラキシーのようなすぐに症状がでる場合は、注射なら摂取後数分~30分以内、内服でも1時間以内に症状が出ます。

また、投与開始から数週間~数か月経ってから症状がでることもあります。
このような場合は、副作用の原因が薬であることにすぐに気づかないこともあるので、飲み慣れた薬であっても体調の変化には注意が必要です。

アレルギー性の副作用の症状は、通常は発疹や痒み、発熱などとして現れますが、時に非常に重い症状を引き起こすことがあるので、疑わしい時はすぐに中止します。
そして再び使用しないように注意することが大切です!


②薬の毒性によるもの


薬には、程度のはあるものの、すべての薬に毒性があります。
これは、冒頭でも書きましたが、薬が異物である以上避けられないものです。だからと言ってであると言うわけではありませんが、代謝器官である肝臓腎臓に負担をかけてしまったり、体の蓄積された場所に悪影響が出ることもあります。
症状が出ることもありますが、多くの場合は前兆として血液検査値に異常が現れることで分かります。

薬は安全性が十分に確認されてから承認され、流通されていますので、毒性については適正に使用されていれば過度に怖がるものではありません。
ただし、長期にわたって使用する場合や、臓器に基礎疾患などがある場合、また量を多く使用する場合には注意が必要です。
薬を長く服用する場合には、定期的に血液検査をして、副作用を未然に防ぐことや、早期に対処することができます。


③薬理作用によるもの


一つの薬の持つ薬理作用が体の色々なところに影響することがあります。
効いて欲しいところだけに作用してくれれば問題ないのですが、望まないところにも、望まない作用をしてしまうことがあり、それが副作用と呼ばれています。

効果が主作用で、それ以外が副作用です。これは紙一重であって、人によっては逆になることもあります。効かせたい場所によって同じ薬でも主作用と副作用が変わるのです。

例えば、抗ヒスタミン剤はアレルギーを抑える薬として使用されますが、種類によってはとても眠くなる副作用があります。
花粉症の薬を服用すると眠くて仕事にならないということもありますね。
その特性を利用して、眠れない時の睡眠剤として使用することもあります。

EDの治療薬は、元々は高血圧の治療薬です。今でももちろんよく使用されていますが、副作用を逆に利用したED治療薬としての方が有名になってしまいましたね。

このタイプの副作用は、薬の薬理作用でもありますので、避けられないことですし、頻度も高くなります。その薬の薬理作用によって症状は様々ですが、あらかじめ予想出来るものが多いです。
その為、使用を続ける場合には、副作用を予防や軽減するための薬を一緒に使用したり、量を減らしたり、服用時間を変えるなどして上手く付き合っていくようにします


💊最後に、相互作用についてお話します。

単独では問題ない場合でも、薬と薬薬と飲食物などの組み合わせで副作用が生じることがあります。
薬を代謝する酵素の働きを強めたり弱めたりすることで、薬の作用が弱まったり強まったりすることがあります。
また、同じ毒性を持つ薬を複数使用することで、毒性を強めてしまったりすることも。
特定の飲食物と一緒に服薬することで、薬が吸収されず効果が発揮できなくなることもあります。

これらの副作用は、その組み合わせを避けたり時間をずらして服用したり、特定の飲食物を摂取しないことで回避することができます。


💊まとめ

🍀薬の副作用の種類は3つ

①アレルギー反応によるもの
②毒性によるもの
③薬理作用によるもの

🍀副作用の種類によって対処法が異なる

①アレルギー性の場合→ すぐに中止し、二度と使用しない 
※アナフィラキシーのように急性で劇症の場合は、中止するだけでなく、すぐに対処が必要です。
②毒性の場合→ 長く使用するときは定期的に血液検査
③薬理作用の場合→ 副作用を軽減、予防しながら使用


いかがでしたか?

薬の副作用の種類と対処法を知って、不安なく、そして危険を避けて使用できるようご参考になれば幸いです。


最後までお読み下さりありがとうございました。

心から感謝を込めて.。❍〇💖



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