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Case1:雨宮雪子の場合

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自分の経験と映画や小説で得たイメージをあわせて実験的な物語を書きました。お暇な方はぜひ!!
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2021年3月の記事一覧

【実験小説】Case1:雨宮雪子の場合 12

雨宮雪子の目の前にはキャンバスがある。なにも描かれていない長方形の白いキャンバス。それは…

takayama
3年前

【実験小説】Case1:雨宮雪子の場合 11

【問三】 私の作法とは 私の目は私が過ごしてきた時間の中で様々なモノを見てきた。日常の風…

takayama
3年前

【実験小説】Case1:雨宮雪子の場合 10

ここに一つのテクストがある。雨宮雪子によって書かれた雨宮雪子の考えが現れたテクスト。 読…

takayama
3年前

【実験小説】Case1:雨宮雪子の場合 9

千葉はマフラーをいじりながら必死に言葉を探している雨宮雪子を嬉しそうに眺める。 絵によっ…

takayama
3年前
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【実験小説】Case1:雨宮雪子の場合 8

「まさにぴったりの天気だね」 千葉は窓の外を眺めて嬉しそうにそう言った。 「なにがぴった…

takayama
3年前
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【実験小説】Case1:雨宮雪子の場合 7

今、雨宮雪子の目の前にキャンバスがある。長方形の白いキャンバス。そこにはまだなにも描かれ…

takayama
3年前
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【実験小説】Case1:雨宮雪子の場合 6

「まあでもやっぱり、すごいよな、そういうの」 寺原直樹はコーヒーカップをテーブルに置くと、右手で頬杖をつき、まじまじと雨宮雪子を見つめた。 「そういうのって?」 雨宮雪子はもう一度コーヒーを啜る。 「やっぱり人と違うところがあるんだよ、ユキは」 「べつに、特に変わらないよ」 コーヒーは少しずつ苦みを増していく。この苦みをおいしいと思うようになったのはいつからだろう、雨宮雪子はぼんやり考える。 「いや、やっぱり違うよ。ユキの絵が人から認められて、オレの小説が人から

【実験小説】Case1:雨宮雪子の場合 5

春の風が雨宮雪子の頬をなでる。穏やかな日差しが辺りを包み、人々は心なしかいつもよりゆっく…

takayama
3年前
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【実験小説】Case1:雨宮雪子の場合 4

特別な力、発見当初の雨宮雪子もそう考えた彼女の特性は勉学にはなんの影響も与えなかった。 …

takayama
3年前
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【実験小説】Case1:雨宮雪子の場合 3

はじめのうちは微かな違和感を抱くだけであった。たいていはそれがなんであるか気付かぬうちに…

takayama
3年前

【実験小説】Case1:雨宮雪子の場合 2

雨宮雪子の場合、それが起こったのは中学二年の秋だった。 その年の秋は雨が多かった。しとし…

takayama
3年前
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【実験小説】Case1:雨宮雪子の場合 1

人間は誰もいない場所で声が聞こえたとき、どのような反応をするのだろうか。 最初に考えられ…

takayama
3年前