見出し画像

神木町【プロローグS37】

 神木町の西を流れる山田川は、昔から暴れ川として有名であった。昭和37年に二度の大型台風が到来し、川の東側が大きくえぐられ町は浸水した。その被害の大きさに県もようやく重い腰を上げ、五年計画で山田川の護岸工事を行うこととなった。途中、数度の集中豪雨に見舞われるなど、度々の工事の中断を余儀なくされたが、昭和45年の秋、ようやく工事は完了した。物語は、その年を遡ること3年、昭和42年の春に始まる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?