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開店しました(10日ほど経ってます)

既にいくつか記事を書いては下書きに、書いては下書きに、と溜めているうちに仕上げるタイミングを逸してしまい、開業準備中のことを全然投稿していませんでした。

そしていま、開店して少しだけ心のゆとりを得て、文章を書いています。

具体的な何かを書きたい、というわけではないのですが、むしろ準備中の方が記録として書きたいようなことはあったのですが、今は少しゆっくり、のんびりと、状況を整えて落ち着きたいな、という欲に従って書いています。
なので、あまり取り留めのない内容になるかもしれません。

オープン数日前の葛藤

この状況に際してオープンしたことについては、概ねインスタグラムに投稿したのでいいとして。
実際にオープンする直前のこと。
その前々日に、私は神保町へ向かいました。紙の専門店でメニューに使用する紙を購入するためです。

神保町へ向かう電車の中で、宣言下でもオープンすることを決めました。

おそらく緊急事態宣言が出るであろう、というニュースがあり、その数日前には今週末あたりにオープンしようかな、と考えていた頃。
人の流れを作ってしまうとか、誰かに批判されてしまうかもとか、いろいろ悶々と考え悩んだ挙句、ふと「僕のヒーローアカデミア」のとあるセリフが思い浮かびました。

”もう限界だー!って思った時は、自分の原点を思い出せ”

いろいろなニュースが流れて、やり場のない苦しさとかしんどさとか、そういったもので心が荒み傷ついた時、そんな時にこそ行きたいような場所を、私は作りたかったのではないのか。

そうだ、いま自分がそういう時間や空間を欲しているように、同じようなものを渇望している人も、きっといるのではないか。

それが私の原点ですから。

流れを作ってしまうのなら、最小限の人=本当にそのような空間を必要としている人だけが来てくれるような発信をすればいい。
誰かに批判されても、法を犯したり著しく常識を逸脱しているわけではないのだから、自分を信じよう。

そう自分の中でひとつ決断を下して、メトロの駅から颯爽と神保町の町に降り立ちました。
するとそこで目にしたのは、あまりにも日常的な町の風景でした。

喫茶店には行列ができて、若者同士でキャッキャと騒ぎながらカメラを構えて、年輩方はマスクをしていたりしていなかったり、ごった返す町の中で、普通の喧騒の神保町がそこにありました。
わかります、当然そんなものはごくごく町のワンシーンであることも、緊急事態宣言前とはいえ、必要物の買い出しとはいえ、自分も外出してその町の「喧騒」を作り出している一人であるということも。

しかしそう簡単には割り切れないもので、もはや切腹覚悟でオープンすることを先ほど決断したというのに、このギャップはなんだと呆然と、そして腹立たしくも思ってしまうわけです。

自分がいくら考えてみても、きっと何も変わらない。
最小限の人にだけ来て欲しいと思っても、きっとそうではない方も来てしまう、人の流れを作ってしまう。
どうすればいい、どうすべきなのか。

そこまでぐるぐると考えたところで、もう出来るところまでやろう、ということで手を打つことにしました。
すなわち、極力人の流れをつくらない最小限の人が来てくれるようにこちらから発信しつつ、静かに、普通に、営業を始めてみようと決めました。

静かな始まり

オープンしてみて、混み合うこともなく(良いのか?)、お陰様で良い具合の店内の雰囲気で始められました。
そもそも、オープンしましたー!ワアーーーッ!という感じで始めるつもりはコロナ関係なくさらさらなかったので、とても良い具合でした。

ツレからは「静かすぎてお客さん落ち着かないんじゃない?」なんて心配もされましたが、それはまあお客さんのみぞ知る、ということで。

経営的にはこのままの状態でずーっと続けば大変な話ですが、珈琲豆の販売も地道に続けられているし、緊急事態宣言下でも来てくれる県内の方々もいて、ありがたい話でした。

一方で県外、遠方の方には、失礼な物言いをしました。
この場を借りてお詫び申し上げます。申し訳ありませんでした。
おかげさまで、オープンして直後はいろいろな方が来て混雑しがちなところ、それは回避できました。
これからはきっとそういった方々もパラパラと分散して来てくださるのでは、ということで、きっと混雑することも低いでしょう。

遠方の方に対して「今は来ないでください」と発信したものの、私個人としては、正直、自分の精神が限界になったと感じたら、外に出るべきだと思っています。
外出自粛せよ、移動はするな、娯楽はするな、人と集まるな、外で酒を飲むな。
いろいろな自粛を求められていますが。
自分の精神を病んでまで守るものなのか、とも思います。
私自身もそうですが、この状況に多くの人が微量なストレスを少しずつ、少しずつコンスタントに蓄積していって、気づいた時には暴発寸前、という状態になってしまっているのかもしれません。
発散先のないストレスが、ちょっとしたことに過敏になって誰かを攻撃させているような空気を感じます。
こういう時は、自分のことは自分で守らなければならないです。
無理をしない、自分の声をちゃんと聞く。
そういった場所が必要だと思ったら、遠方だろうがなんだろうが、来てください。
それに応えられるという確信はありませんが、外出するというだけでストレスの発散には貢献しているはずですから。笑

しかしまだいろいろと未完成なところばかりなので、どうせ一回だけ来ていただけるのであれば、もう少し出来上がってから来て頂きたいなあ、なんて都合の良いことを思っています。
まあ、お好きな時に。

仕事

オープンしてみて、やっぱり、良いなあと思っています。

うちはやっぱり注文の多いうるさいお店です。

・3人以上のご来店はお断り
・ベラベラお喋りお断り
・パシャパシャ写真撮影お断り
・通話、PC、動画撮影お断り

それでも来てくださる方に対して、ただただ真面目に作った珈琲を提供する。
静かな時間を過ごしてもらう。
本を読んだり、物書きをしたり、時にはほどほどにお話したり。

そんな「もの」と「こと」を提供させて頂けることに、その対価にお金を頂けることに、プライスレスな喜びを感じている今日このごろです。

この仕事を続けられるように、頑張ります。

p.s.もうそろそろ、ショップカードが出来上がります。

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