正しい日本語とは何か?

私は現在社会人1年目です。

日々の業務の中で文書作成の機会が多いです。

その中で、感じたことは、「正しい日本語」とは一定ではないということです。

漢文訓読を主軸として日本語をみるか、
ビジネス文書を主軸として日本語をみるか

私は大学では中国文学を専攻していました。
日々、漢文を読むような生活をしていました。

そんな私が社会人になり、文書作成をしていると、漢文を読んでいた世界とは違う漢字の使い方に出会いました。

それは「下記」です。

私は、文書の中で「下記の処理を行う」と書き、その下に箇条書きで処理の内容を書きました。
この時の私の認識では、「下記」というのは「下に記した」です。

作成後、先輩にレビューしてもらった結果、

「下記」を使う場合は「記」がないと使えません。
この場合は「以下の処理を行う」が正しい。
「下記」というのは「『記』の下」という意味だから、「記」がないと使えない。

と、指摘されました。

4年間漢文漬けだった私からしてみれば、

「下記」を「記ノ下」と訓読するのはなぜ?
「下ニ記ス」という訓読は誤りなのか?
そもそも「記の下」と読ませたいのならば語順は「記下」になるのでは?

と様々な疑問が頭に浮かびますが、指摘してくださった先輩は漢文訓読に詳しい方ではないので、その場では「はい。わかりました。」と言ってすませました。

その後修正をしながらも、浮かんだ疑問が解決していないのでモヤモヤしたままです。

定時後に、【下記 使い方】と検索してみると、先輩の言うとおり、「記」がない場合に使用するのは控えるべきという意見が多くありました。

しかし、それらはビジネス文書向けに用意された説明でした。
ビジネス文書の作成方法のサイトや、ビジネスパーソンなら知っているべき書類作成方法のサイト、さらにはビジネス文書ではどの表記が正しいのかを質問するサイト、このようにビジネス文書で使用する「下記」の内容が述べられていました。

「正しい日本語」の内容が同じであるとは限らない

このことから、中国文学界における正しい日本語(=正しい漢文訓読)と、ビジネス文書界における正しい日本語は一致しないということがわかりました。

これから人に「正しい日本語を使え」と言われた時や言う時には、「正しい日本語」の定義から始める必要があると思います。(めんどくさいやつと思われそうだけど)

ここでは「正しい日本語」と大きなくくりの話ですが、大小問わず、相手との言葉の意識合わせは大事だと思います。

ちなみに私の中での「正しい日本語」は、正字正かな漢文脈、です。
日常生活で多くの人と接する上では、あまり通じないので、現代の漢字と仮名遣いをしています。
なので、私としては、日ごろから正しくない日本語を使っているつもりでいます。

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