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”エントロピー”と職場環境|放っておけば、悪化する

こんにちは。

今回はいつも少し趣向を変えて、
「放っておけば、職場環境は悪くなる方にいく」理由を考察したいと思います。

■エントロピー増大の法則

「エントロピー増大の法則」というのをご存知の方も多いと思います。
もともと熱力学の法則とのこと。

ひとことで説明しますと、
「ものごとは放っておくと、カオスの状態になっていく」
というもの。

カオスとは、ものごとが乱雑で、無秩序で、複雑である状態です。
その起こりは、ビッグバンからともいわれています。

万物は、こうした状態に、みずから進んで変化していくというのが、エントロピー増大の法則です。

例えば、
・熱した水は、時間が経てば冷めていき、みずから熱くなることはない。
・建てた家は、時間が経てば傷んでいき、みずから回復させることはない。

こんな、当たり前のような自然法則です。


■何事も、”意図”なくしては、回復しない

どのようなものごとも、エントロピー増大の法則にしたがって
カオスに突き進んでいく、ということを意味します。

ということは、その法則は私たちの身の回りについても
同じことを起こしています。

例えば職場。
誰も、何の意図もせず、無関心のまま、ただ職場に来るだけの状態が
あるとします。

すると、当然ですが、すぐに環境は乱雑になっていきます。
床やデスクにほこりやゴミがたまり、
トイレは汚れていく一方。

人間関係も同じです。
たがいに無関心であれば、コミュニケーションもうまくいかず、
とうぜん仕事がうまく回りませんね。


■努力とは、エントロピー増大の法則を遅らせること

つまり、
エントロピー増大は、誰かが、明らかな「意図」をもって
それを食い止める(のはムリだとしても)、そのスピードを遅らせる
ことをしないと、
ものごとは複雑に、無秩序になるばかりなのです。

職場環境は、そこにいる誰かががんばらないと、
どんどん悪い方に向かって進んでいく、ということですね。

例えば、
下りのエスカレーターは、立ったままであれば、とうぜんそのスピードに
乗って下へと降りていきます。

エントロピー増大を遅らせるとは、まるで下りのエスカレーターを逆向きに
駆け上がっていくような、反作用の力が必要だと、言えます。

つまり、私たちのいう「努力」とは、ぜったいに必要なのです。
努力なしでは、エントロピー増大を遅らせることはできません。


■「現状維持」ですら難しい

こう考えると、「現状維持」ですら、努力が必要だということになります。

そして
さらに進化をしようとなれば、下りエスカレーターを、今度は全速力で
駆け上がるくらいの努力が必要でしょう。

努力なしでは、環境の改善はありません。

そこにいる全員の関係者が、「どうにかしなければ」という危機感を持ったなら、
「意図して努力」することが、必須になります。

そこで初めて、職場環境は「そういえば、最近良い雰囲気になった」という
感覚を得られるのだと思います。


リーダーの皆さん。
とうぜん、その旗振り役を担っている覚悟は、ありますよね?

「放っておけば、現状維持でなく、状況は悪化していくだけ」
ということを肝に銘じましょう。


今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
体調にはくれぐれもお気をつけてください。


◆◇◆ 今週の箴言(しんげん)◆◇◆
(ラ・ロシュフコーより)
大いなる欠点を持つことは、偉人たちのみにかぎられる。

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