ごくうが行く:ホタル少女はやがて
ゴン君が亡くなった。それから、ゴン君のお父さんは一人で散歩に出かける。ゴン君のお母さんは孫の世話に忙しい。今夕、ごくうの散歩の帰り道、ゴン君のお父さんと擦れ違った。ゴン君のおかあさんが話したことを思い出していた。
まだごくうが来る前、散歩のお供はさくらだった。ゴン君は他の犬には興味がない。散歩で出会うと、お母さんは片時のおしゃべりを楽しむ。
「米川というところ、知っているでしょう」
「あそこは今公園になっているけど」
「前(子供時代)は、ホタルの名所だったの。今もだけどね