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ごくうが行く:新フェミニズム

ごくうの散歩は、坂を上るコースと下るコースの2通りがある。ほぼ交互に選択している。しかし、昨日に続いて坂を登るコースを選んだ。ごくうの選んだコースが散歩コース。変わらぬ歩調で中学校のグラウンドを回った。

目の前にビビちゃんが。ごくうはイソイソと近寄る。でも、ビビちゃんは怖がり、お父さんの後ろに隠れるようにして様子を見守る。お父さんに「昨日はお家の前でお孫さん一家に出会いました」と言えずに、ビビちゃんを見守る。お父さんは「今年もよろしく」とご挨拶。ごくうのママもご挨拶。ビビちゃんは散歩を急かす。ごくうも次に行こうとする。

山陽道沿いの里山をぐるりと3分の2周、公民館を過ぎ、交差点に。ママとバイバイ、ごくうは目もくれず、川筋に向かって歩を進める。川筋に出たところで、橋のたもとの家に住んでいるシルバー奥様と出会う。ごくうはシルバー奥様に時に挨拶する。今日は擦れ違う、と思ったら、ごくうは小さな鼻泣き。シルバー奥様はごくうを撫でながら、ようやく撫でさせたね、と喜ぶ。

シルバー奥様の家は、昔広い田んぼの角の一軒家。以前、「この辺りは田んぼだったのよ。うちにも犬がいてね。犬は走り放題」手を大きく広げるポーズ。今は田んぼも整地されてかなりの数の家が密集している。

橋を渡り、ひなちゃんのお家の手前に来ると、5人の家族連れ。夫婦に3人の男の子。真ん中の男の子が「あっ、ワンちゃん!」ごくうを指さしながらママを見る。夫婦が軽く会釈する。家族は道の反対側。そのままごくうを見やりながら過ぎていく。

「ダブルインカム、スリーキッズ」?頭を過る。「ダブルインカム・ツーキッズ」流行ったなー。「夫婦共稼ぎ」の核家族?(今はもう死語の仲間入り?)歴史人口学者・エマニュエル・トッドが「新フェミニズム」について語っていた。

フェミニズムは、1,2,3と3波あるという。今はフェミニズム3波。第2波は楽観で映えていた。第3波は悲観でくすんでいるという。経済状況の違いの反映とみている。

フランスの場合、フェミニズム第2波は、戦後の経済成長期で「栄光の30年」に浴している、という。フェミニズム第3波(=新フェニズム)は、グローバル化の負の面が拡大し、米欧経済が鈍化した状況で起きているという。

この影響は、中流階層と労働者階層で分かれている。

米欧の中流階層は、夫婦・パートナー同士が家庭を守る傾向にあり、経済的困難を回避するために、家系の収入源を2つにする(ダブルインカム)傾向がある。

一方で、労働者階層の世帯は安定性を欠き、家庭崩壊を示す「シングル・ファミリー」が増えている。

フェミニズム第3波は全女性の利益にはなっていないと、トッド氏は語る。

・エマニュエル・トッド「新フェニズム」『読売新聞』(言論)2022年2月25日付け。