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ごくうが行く:無病息災を祈ったんだぞ

『老化・寿命研究の最前線』を読んでいると、老化に関する認識の違いに修正を迫られている。頭の中で右往左往考えていると、もう夕方4時。ごくうが散歩を待ち望んでいる。もうすぐ吠えるかも知れない。先んじて散歩に出よう。ごくうは大喜び。

でも、いつものようにマーキング、しっかり。案の定、中学生の下校時間と重なった。坂を下りながらマーキング。上から大福君が猛スピードで追いついてくる。急くな騒ぐな、ごくうはマーキング。すぐに追いつかれてしまった。大福君はまだ若い。はしゃぎながら(コリーで身体が大きい)、身体をすり寄せる。さすがに重量感がある。ごくうは自分勝手にマーキング。

さすがの大福君も落ち着いてきて、さっさと散歩に進行。ごくうはまだマーキング。後ろから中学2年生の8人グループに追いつかれた。ごくうは我関せずにマーキングを終え、一緒に歩き出す。一人の中男(ちゅうだん、中学生男子)がエアー撫でを数回。ごくうは同調して歩く。と、思ったらマーキング。

件の中男、エア撫でをまねながら、「俺、(ごくうに)無病息災を祈ったぞ」と皆に伝える。わいわいガヤガヤ、中男は信号を渡り、賑やかに帰って行く。ごくうは信号を渡り、川筋に向かう。

ほどなく、見かけたシルバー男性、そうだ「手を振るシルバー男性」。久しぶりを越えている。8ヶ月も見ていない。手を振るシルバー男性、「見かけなんだなぁ~」「どうしちょった?」続けざまに質問。
「妻は足を軽くねじらせて歩けません」
「そうかいね」「女房が1ヶ月入院しとったんよ」
「えーっ、そうですか、大変でしたね」
「循環器系の病気よ」「病院に行くと、おおごといね」
医者の誤診で、渡された薬で倒れたということ。すぐさま救急車で搬送。入院したが、先日退院。
「大変じゃったいね」
「そうでしょう」
「わしも83才じゃけ」
「えっ、昭和9年生まれでは」(以前はそう聞いた)
「昭和15年生まれいね」
「そうなんですか」
それ以上は話せない。
「お互い気を付けましょう」
「そうじゃね」
手を振りながらシルバー男性は川筋を上がって散歩に出かけた。

シルバー男性と話す間も、中男がごくうの側を通り過ぎるとき、「かわいい」といいながら、こちらは実際に撫でて過ぎ去っていく。

ごくうの散歩コースは自分で決める。前を中学生女子が歩いている。引っ越しの時挨拶を受けた家の子だ。今夕は可愛がってもらえない。そんなの関係ないとばかりにお大師堂に。ごくうは散歩が足りないとばかりに迂回し、もう一つの散歩コースを狙って舵を切った。今夕も散歩が長い。

曇っている。昨夕のように、宇宙ステーションは見られそうもない。