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アート大国オランダが子供に与える影響


最近、ふと思ったことをメモします。環境によって、子供の興味関心は環境によってどんどん変化する、ということを実感しています。

というのは、南国のマレーシアに約3年暮らした後、昨年のクリスマス前にオランダへ移住。環境が予想以上に大きく変化しました。

まず、気候の変化(寒い、さらに雨が多い)、日照時間が一気に短くなり、なんとなくじわじわと感じる緊張感があります。しかし、コロナ上陸も手伝って自宅にいる時間が長くなり、文章を書いたり、アートやファッションなどの情報にデジタルや雑誌などで触れたり、今まで買って読んでいなかった本に手を伸ばしたり、もともとのインドア気質がじわじわと数年ぶりにカムバックしてきたようです。

自粛生活も徐々に解除され、6月からは美術館やカフェなどもついにオープン。カフェがないと生きていけないというぐらい、カフェ利用率が高い我が家は、やっと救われた気持ちでした。それから、週末はインプットの時間と称して、美術館へ出かけることが多くなりました。

さて、我が家の息子10歳は、東京在住の頃は本当に美術館が嫌いで、しかし私たち夫婦の意向でかなり無理やり付き合わせていました。(だから余計につまらない場所、という印象が刷り込まれてしまったのかもしれません)

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しかし、ここオランダに来ての一番の変化が、息子が急にアートに関心を持ち始めたのか、絵をおもむろに描きだした、という予想外の行動でした。

今まで、自分がアートや音楽が好きだから、息子も好きだろう、ぐらいで色んな展示会や美術館、アーティストのライブにも幼い頃から連れていき、親の趣味に付き合わせていました。だから、真っ白の紙に、ここに好きに何か描いてみて!と言っても、「???」となり、全くコミュニケーションが成立しませんでした。描き始めても、すぐにやめてしまう。

マレーシアへ移住してからは、一年中気候が穏やかで過ごしやすい環境が素晴らしく、外国人向けのコンドミニアムにはプールやジム、テニスコートも完備されているのがデフォルトだったので(これは南国マレーシアのよさです。住宅も広く家賃も日本よりも低価格です)、息子は遊びでテニスを始めたことをきっかけに、テニスに没頭し始めました。さらに、アウトドア派に拍車がかかり、常にプール、テニスの日々でした。

そんな息子がオランダでまさかアートに目覚め始めるとは予想外。もちろんきっかけはオンラインゲームなんですが、そのキャラクターを描いて、それを友達にあげる、というコミュニケーションを始めました。その反響が良かったこともあり、今でも毎日のようにキャラクターを描いては自分のインスタグラムにアップし続けています。

学校での授業にも、大きな変化がありました。現在オランダのインターに通っていますが、教科書がなく、アウトプットを持って帰ってくると、大きなアート作品だったり、あるテーマに基づいて作ったプレゼンテーションシートだったり、動画だったり、とにかく全ての授業に置いて、「アート思考」「デザイン・シンキング」がベースにあるということです。先生もアートに精通しており、生徒の様子を報告するのに、日々の記録をムービーに編集してシェアしてくれたりと、コミュニケーションがとてもユニーク。

「表現すること」「自分の考えをしっかり伝えること」を恐れず、自分が良いと思った手段やクリエーティブで伝えるという考えが学校の方針として強く感じる日々です。

おそらくその影響もあり、イラストでコミュニケーションを取る、アート本や美術館に行くことも嫌がらなくなる(たまに面倒だといいますが)、自分の好きな絵、好きな作家、好きな理由を伝えてくる。そんな大きな変化を感じて、正直驚いています。

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「この子は、これには向いていない」と判断すると、すぐに次に切り替えて次へと行く勇気と判断力が必要だという考え方について、以前、習い事に関する記事にまとめたのですが、これも一概には言えないのでは?と最近、思う次第です。

まさかのタイミングで花が咲き出す場合もあることを、息子の変化をみて改めて知ったわたし。先入観はいけないですねー。自分のせっかちな性格もこの国にはフィットしていない。私自身にも変化を要されている、試されていると思っています。

反省点は色々ですが、気長に、のびのびと(これも難しいのですが)子供と接していきたいなと思う、夏休みです。









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