Michiko Amsterdam(コピーライター・クリエーティブディレクター)
幼稚園では優しい人、小学校では足が早い人、中学校では外見が良い人、高校・大学では成績の良い人、社会人ではお金を稼ぐ人。モテる基準がどんどん変わるけど、一番まともに人を見てるのは幼稚園児だろ!!クレイジーすぎる!と、小学6年生の息子がふと言った言葉に思わず吹いた。
半沢直樹を久しぶりに見たが、全盛期だったのが7年前。あの頃全く違和感がなかったシーンが、今の時代では完全にアウトになっている事に驚く。「倍返し、飛ばす、潰す、許さない、息の根を止める」会社員ってこんなに壮絶だったっけ?でも、エンタメとしてやっぱり見入ってしまう世代。
独身時代からずっと続けてきた13年間の日本での会社員生活を振りかえって見ると、何故か楽しかった事しか思い出せない。悔しい、情けない、不安、緊張など色んな感情も沢山あったはずなのに。色んな人に恵まれて、好きな仕事もできて、必死で泳いできたけど心の底はきっと幸せだったのだと確信。
ステイホームの反動も手伝って、とにかく色々と語りたい人が多い。そして聞き手が不足している現在。「自称プレゼンは得意だけど、人の話を上手く聞くスキルはない」そんな人が多いなぁと色んなメディアを見ていて感じる。「聞く、聞き出す、受け入れる力」が今後さらに求められるスキル。
オランダは1日のうちに春夏秋冬がくると言われるほど、瞬時に天気が変わる。太陽が出ればその光は強く、雲に隠れると一瞬にして秋がやってくる。ニット、アウター、ストール、ブーツは1年中使える。ヨーロッパからファッションが栄え、沢山の老舗ブランドが生まれた背景を身を以て体感している。
息子の巻き爪治療のため足専門の病院へ。発症から10日かかってやっと治療にたどり着く。ほっとしたのも束の間、食洗機が働かなくなり、さらにスマホもアップロードの状態から働くなくなり、次から次へと色んな事が起こり疲れ果てる。修理に出せばいいのだけど、、、正直動き出せる力が残っていない。
息子の習い事の一環で初めての田舎街へ。公共の移動手段を駆使、乗り継いで、を繰り返し往復4時間程。オランダは少し街から外れると農業や酪農も盛んで振り返ると牛が沢山いたりする。風景が驚くほど美しい。民家は田舎になるほど庭の手入れも完璧、自宅も広くお洒落。美意識の高さが溢れて出てる。
もっと力抜いてもいい、頑張り続ける必要はないんだ。自分のできる範囲でやればそれでいいんだ。失敗してもいいんだ。海外に住むようになって気づいた事。自分の人生だから好きに生きればいい。人と比べる事もなければ羨ましがることもない。オランダでもマレーシアでも皆自分の人生を楽しむ。
息子の巻き爪を早く治したくて、約1週間前からあれこれ動いているのに、まだ治療にたどり着かない。オランダではホームドクター制というシステムがあり、一旦このお方の診察を受けてそこから必要であれば次の病院を紹介される。そしてその次の病院の予約が今日1日ではゲットできず。叫びたい。
未来を心配しても先の事は予想できないし、自分でコントロールできる訳でもない。だから今いい!これ!と思った事をやる、の積み重ねで人生できてるなと。できない時は水面下に潜って気配を消す。一旦茶でも飲んで、何だかいけるかも、という瞬間にまたやり始める。水泳でも息継ぎがいるからね。
日本のアパレル業界の方と1時間ほどオンラインミーティング。コロナで大打撃を受けた業界の一つでもある小売業界。本社が英にあり元々実店舗を持たずECだけで世界展開しているこの企業はビジネスモデルが一歩先へ進んでいた。ECの課題であるポイントをソフトの部分でSAVEする戦略は素晴らしい
「今日はここに行ってみる?」と息子に言うと「いいよ」と。何となく引っかかり「行きたい?行きたくない?」「どっちでもいい」「それは答えじゃないよ」「だから行ってもいい」「こんな理由で今日は行きたくないor行ってみたい、と意志を言葉で説明しないと伝わらないよ」我ながら面倒な母親だ。
求められるレベルが常に高く、さらにおもてなし精神で120%のアウトプットで返そうとするカルチャー。プラスアルファが言われなくても当たり前。できなければ、さらに失敗すれば何となく「ダメな奴」に。だからいつも、越えよう、勝とう、戦おう。そんな空気感が人を追い詰め、命を奪う時もある。
知り合いの、オランダのファッション業界で働く60歳の女性スタイリストさん。彼女に初めて合った時そのスタイルの良さとバルマンのパンツにバレンシアガのショートブーツを自然にこなす姿に只者じゃない空気感を感じた。日本はクールだね、と笑う彼女の笑顔は瑞々しい。このように年齢を重ねたい。
海外移住しフリーランスで働き出して思うのが、自分は人と繋がること、人とプロジェクトを成し遂げるためにディスカッションし、社会に向けてのアクションのために前に進んで行くこと。そんなワークスタイルが好きなんだと実感。自己完結するもの、つまり自分の為だけにはもう働けないなと思う。
ヨーロッパの天候に馴染めずに半年が過ぎた。やはり太陽の光を浴びて、心地良い気温で暮らす事が人にとってどんなに大切かを実感。ビタミン&セロトニン不足によって思考が鈍り、色んな事が億劫になりそんな自分を情けなく思ったり。ヨーロッパ生活のリアルを体感し、ここで生まれ育った人を尊敬。