見出し画像

駄菓子に育てられた子

今朝、両親から誕生日プレゼントが届いた。

段ボールの中、9割お菓子🍭

ハッピーハロウィンに合わせてくるなんて、やるやん!て思ったけど、1ミクロンもそんなこと考えてなくて偶然だったらしい。そっかそっか。


私の父は、駄菓子屋の息子でした。

駄菓子屋で育って私立の四大卒業してるからすごい。しかも兄弟2人とも。まじですごい。何千個の10円ガム売ってきたんだ。まじで凄すぎる。


祖父母の家はだいぶ田舎で私たちの家から遠かったので、よく段ボールいっぱいに詰められた駄菓子が我が家に送られてきていた。

が、

半年に一回くらいほんと大量に届くので、正直「もうええわ!」て思ってた。それが遠く離れた孫への愛情表現だったんだろうけど、ぶっちゃけ婆ちゃんも仕入数と混同してバグっちゃってるのか、ほんとに尋常じゃない数の駄菓子が届く。うちらにも店開かせる気なのか?てレベル。

だがしかし、当時ただの小学生な私はそんな発想もなく、大量に抱えた在庫を友達にばら撒きまくり、なんだか自分が金持ちになったかのような優越感を味わってた。

今思えばめちゃくちゃだせえな。別に私が偉いわけでもないのにね。あー恥ずかしい。どんだけ爺ちゃんと婆ちゃんは頑張ってその駄菓子を売って子どもを育ててきたと思ってんだ、ていう。働き出してからこういうのって気づくよね。あーやだやだ


あの頃お菓子が届いた後、爺ちゃんと婆ちゃんに電話をしなきゃいけないイベントが発生するのも、なんだか苦手だった。家が離れているせいで会う機会が少なく、そして極度の人見知りな私は何話せば良いか分からなかった。

それに、たまーーーに祖父母の家(駄菓子屋)に遊びに行くと店番を任され、お客さんが来た時しっかり対応しないとこっぴどく叱られてたから、怖かったのもあるかな。同い年ぐらいの地元の男の子たちがお店に来た時はどうしても変に意識しちゃって、接客放っぽり出して顔真っ赤にして店先から逃げ出し、結果怒られてた。私、モテようとしてたんか?

今思えば電話で御礼と、今日あったこととかを一方的に話せば楽しんで聞いてくれたんだろうけど、その時はどうしてもできなくて、いつも父親が脅迫している犯人のように私の耳に電話をあて、嫌々ながらも「ありがとう」とだけ言って、逃げ出してた。なんで簡単なことができなかったんだろうね〜。

うちの駄菓子屋にはレジはなくて、見たこともないくらい玉がついてる年季の入った立派な木のそろばんを使ってた。あんなでかいそろばんはあの駄菓子屋以外で見たことない。木の湿気感がなんとも言えなかった。商売道具っていうやつ。

そしてその駄菓子屋は、人が歩くと「ドシンドシン」と大きな音がした。近くを車が通ると、家がガタガタと揺れた。父はそんな家ですり足で歩く英才教育を受けていたため、足音を立てずに羽根のように歩いた。

小学生の私がわざと足音を立てて「ゴジラが歩く音だー!」と遊んでいるのに対し、父は「家が壊れるだろ!」と叱っていたらしいが、それを見て嫁いできた母は「いや、それ普通じゃねえからな!!!!!!!」と内心ツッコんでいたらしい。


祖父母は数年前に亡くなり、知らぬ間に泥棒が入って仏壇の貴重品が盗まれたりした駄菓子屋。そして知らぬ間にその泥棒が捕まり(被害額は戻って来ず)、そして私たちが全く知らぬ間に父が取り壊していて今はもうないけど(何故黙って取り壊した)

あの駄菓子屋の匂いと、お客さんが来た時の入店音と、あの歩いた時に家中に響く「ドシンドシン」という音を

大量のお菓子を見て思い出して、なんだかセンチメンタルな気持ちになってる私でした。


てか、父よ。爺ちゃん婆ちゃんと同じようなプレゼントしてきてるやん。

親子は似るんだねえ。

そいえば私も差し入れやらプレゼントで駄菓子大人買いしていくから、似たようなもんだな!!!!




最後に、届いたお菓子をご紹介。(私なりの今回選抜入りの憶測解説付き)

●堅あげポテト九州しょうゆ味(これ、堅あげの中で一番美味い!多分九州限定だし、九州でもなかなか出会えない)

●えびみりん焼き(唇に張り付く感じがなんとも言えない感じで◎)

●ブラックサンダー(私が差し入れでよく大人買いしていく一品)

●フィットチーネグミ(一時期狂ったように食べていたので入れてきたのであろう)

●果汁グミ(コラーゲンの文字に釣られたと思われる)

●甘栗むいちゃいました(これは多分母チョイス)

●ハイチュウ(これは多分父の好物)

●黒棒(出身地久留米の名産!!!!!!!!)

●インスタント味噌汁(私が毎日発酵食品3品食べるのを目標にしてるから今回代表入り)

●生酵素(お菓子の罪悪感を打ち消す意味を込められたと思われる)

●うまかっちゃん(うまかっちゃん!!!!!!!)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?