不意打ちで 白杯誘う 紫の師匠
きっかけは、いつだって突然だ。
んんん?
紫乃さん、私に俳句詠めっておっしゃってる?
以前ぬか漬け部の部長に推してくれた時と同様、華麗すぎる無茶振り。
(↓ その時のお話はこちら)
いやいやいや。
「どうかしら?😎😁」じゃないって。
俳句なんて、小学校の遠足以来じゃないか……?
その後はお〜いお茶の掲載作品を遠目に読んだりしていたくらいしか、俳句との関わりはない。
でも紫乃さんにそんなふうに太鼓判を押されると、なんだかいける気がしてしまう。
や、やってみるべか。
少し前のめりにはなったものの、どうしても「俳句=おっそろしくハイセンスな言葉遊び」という意識が抜けない。
尻込みしながら白さんの募集要項を読んでみた。
俳句を一回も読んだことない初心者から俳人として活躍されている方々まで
みんなの作品が見たい!
あ、よかった。
私、ほぼ「俳句を一回も読んだことない初心者」だわ。
そんな素人の俳句も、受け入れてもらえるんだわ。
ホッ……としてからというもの、世界が5・7・5になった。
より正確にいうと、俳句を意識し始めてからというもの、目に映るものの字数を数え、5・7・5に落とし込めるかどうかを考えることが癖づいてきたのである。
そんななかで浮かんだ、秋の三句がこちらです。
半額の 焼き芋食みて 夜がふけて
耳冷えて 敷布替えたい 水曜日
小カブ埋め ぬか揺り起こす 雨の朝
これ、ただ日記を5・7・5にしただけじゃない?
と思ったみなさま。大正解でございます。ごめんなさい。
「世界が5・7・5になった」なんてイキったわりに、超普通の日記になってしまいました。
焼き芋とか小カブとか、季語のつもりなんですけど、合ってるかどうかすらわかりません。
なんだか切ないので、一つずつ説明しますね。
半額の 焼き芋食みて 夜がふけて
仕事が遅くなった晩にスーパーに寄ると、焼き芋が半額になっているんです。正規の値段が214円のところが、107円に値下がっていて。
夜食としてそれを一本買って帰って、熱いお茶を飲みながら文フリ用のエッセイの校正をするのが、最近の私の日常です。
明日ちゃんと起きなきゃなぁと思いながらも芋タイムが楽しくてついつい夜更かししてしまう、そんな夜の句です。
耳冷えて 敷布替えたい 水曜日
寒さって、本当いきなりきますよね。
まだ暑い日があるかと思って夏用敷布のままでいたら、今朝目覚めた時に耳がとっても冷たくて。
週の真ん中の水曜日にわざわざ押し入れひっくり返して冬敷布を探すのは億劫だけど、でも寒いのはもっと嫌だしなぁ…という日の、逡巡の句です。
小カブ埋め ぬか揺り起こす 雨の朝
ぬか漬け部のみなさーん!
最近ぬか床どうですか?
私のぬか床は、最近少し活動が鈍くなってきました。
夏であれば基本どの食材も一日でしっかり漬かっていたのが、二、三日ほどかかるように。
冬眠したいの?と気にかけながらも、近所で買った小カブをつい埋め込んでしまう。まだまだ働いてもらう気、満々です。
ちょっと罪悪感のある、冷たい雨の朝です。
以上こちら、白杯の応募作になります。
ていうかムズい!ムズいっす紫乃さん。
特にのたうち回ったのが、ラスト5文字。
「締めなきゃ」「なんか上手いこと言わなきゃ」と力めば力むほど、全然上手いことが浮かばない。
ちなみに、最近紫乃さんがnoteに上げてらした句はこちら。
秋色の朝陽に吼える鉄キリン
ほーら、上手いこと言っておる!
「鉄キリン」て!!
写真見て「おおお!キリンだぁ」ってなりましたとも。この感性すっごい。
そんな17文字の可能性にワクワクすると同時に、自分の伸びしろにもクラクラしました。
いつか、こういう表現ができるようになれたらいいなぁ。
楽しい機会をありがとうございました!
最後に……敷布替えました。
ちなみに紫乃さんは、白杯の審査員です。その心構えもぜひお読みください。
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