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短編小説

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普段noteでは日記ばかり書き散らかしていますが、時折人様の企画に乗っかって短編小説を書くようになりました。創作って、恥ずかしくて楽しい。
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#失恋を乗り越える

【短編小説】 サルビアの君

【短編小説】 サルビアの君

「失礼しまーす。まっきー休み?」
隣のクラスの河田が、おかっぱを揺らして入ってきた。
「うん、今日休むって」
と私が答えると、「明日のパート練の担当、まっきーなんだけどな」と困り顔で言った。

まっきーこと牧子と河田は、吹奏楽部でトロンボーンを担当している。
三年生がコンクール後に引退し、今は二年生の二人がパート練習を交代で仕切っているのだと以前牧子が言っていた。

びっちりとカラフルな蛍光ペンで

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