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【阪神タイガース スアレス投手を分析】ソフトバンク時代から奪三振率は下がったが、防御率が良化しているのは、長打を防げているから

今季 阪神タイガースに加入し、見事復活し抑えとして活躍を見せる元 福岡ソフトバンクホークスのスアレス投手。10月11日には、自己最速の161km/hをマークし、持ち前の速球も健在です。

今回は、ソフトバンク時代にリリーフとして活躍した2016年度と、今年度の阪神タイガースでの各種指標を比較してみました。(2020年10月22日時点での比較です。)

スアレス投手 ソフトバンク(16年度)時代との成績比較

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比較してみると興味深い傾向が見えてきます。

三振率は下がったが防御率は低下

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防御率は-1.05と大幅に良化。WHIPも良化しており、つまりランナーを出す数自体は減っていると言えます。一方で、奪三振率はソフトバンク時代と比べると悪化していますが、それでも高い部類に入ります。なお、与四球率は若干悪化しています。

■ 三振によってアウトを取得する数は減った。
■ 四球を与えてしまう率自体も高くなっている。
■ 一方で、防御率は良化し、ランナーを出す数も減った。

このことから、可能性として、
① 阪神の守備に助けられている
もしくは
② 長打による失点を防げていることから防御率が良化している、
などの可能性が考えられます。そこで、他の指標も見てみましょう。

被長打を防げていることから防御率が良化

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今年度は、被本塁打は、45回 1/3を投げてわずか1本とかなり抑え込んでいます。(16年度は、53回 2/3で5本なのでかなり良化しています。)
その結果が、被長打率、被OPSにあらわれてきているといえるでしょう。

なお、FIPは良化しているもののそれほどの差はありません。

FIP(Fielding Independent Pitching)=「守備から独立した投球内容」
被本塁打・与四死球・奪三振のみで投手を評価する指標

この指標は、被本塁打・与四死球・奪三振をもとに算出される指標なので、
被本塁打 減少、与四球 増加、奪三振 減少 というそれぞれの入れぐりがある中で結果的に下がっていると言えます。つまり、FIP単体でみるならば、スアレス投手の能力(守備から独立した投球能力)自体は、16年度とほぼ同じと言えるのではないでしょうか。

なお、各指標は、あくまでその選手を総合的に見ていくための一つの側面に過ぎない点は注意が必要です。

まとめ

今回は様々な側面からスアレス投手の復活を検証してみました。「奪三振率は下がった」、「長打を防げている」、「守備から独立した投球能力自体はほぼ同じ」など、様々な情報が見てとれたかと思います。とはいえ、阪神の抑えとして活躍を果たしているのは紛れもない事実です。より深く選手を見ていく楽しみの一つになれば幸いです。

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