「ビジョナリー・カンパニーZERO ゼロから事業を生み出し、偉大で永続的な企業になる」を読んでの引用、要約、感想

「ビジョナリー・カンパニーZERO ゼロから事業を生み出し、偉大で永続的な企業になる」を読んでの引用、要約、感想をまとめる。
 
本書は、ビジョナリー・カンパニーの出版前に書かれた"Beyond Entrepreneurship"を元に大幅加筆されたもので、ビジョナリー・カンパニーシリーズのいいとこ取りのような内容になっている。
 
経営者だけでなく、一般的な会社員にとっても学びの多い内容なので、是非、本書を手にとって学びを得てほしい。
 


感想
本書の前半は人に対する話が多い。
それだけ組織運営に於いて人が大事だということなのだろう。
 
本書では生産性の高い会社は価値観に基づいてそれぞれが能動的に動くような組織になっているべきだと説いている。
つい、管理志向やマイクロマネジメントに陥りがちだが、そういう人は人に敬意を抱いておらず、信頼していないのではないだろうか。
また、自分の活動の源泉になっている考えや思考、ビジョンを発信も出来ていないのではないか。
そのような状態で周りの人間を下に見てマイクロマネジメントしないと物事が進まないと考えているのはエゴだと思う。
出来る人がほんとうの意味で出来る人になるために、この本の内容を噛み締めてほしい。
 
 
本書の気になった部分
 
P11
与えたい気持ちにフタをするな
ウィリアム・R・ヒューレットのメモ
 
P37-39
「育成」から「交代」に転換するタイミング
 育成から交代へシフトするタイミングを見極める時に参考になる質問
 1.この人物を重要ポストにとどめているために、他の人材が会社を去りはじめていないか。
 2.価値観の問題か、意思の問題か、あるいは能力の問題か
 3.「窓」と「鏡」をどう使うか。
  物事がうまくいっている時は窓を指し、他の人に光を指す。
  物事がうまくいかなくなった時には、鏡を指し、「これは自分の責任だ」と言う
 4.仕事を「業務」と見るか「責任」と見るか。
  重要ポストに就く者は、例外なく、業務リストではなく広範な責任を担う。
 5.ここ1年で、この人物に対するあなたの信頼は高まったか、下がったか。
 6.バスの問題なのか、座席の問題なのか。
 7.この人物が退社したら、あなたはどう感じるか。
 
P73
  企業での効果的なリーダーシップは、「機能」と「スタイル」で成り立っている
 

 
p78
リーダーシップとは、部下にやらなければならないことをやりたいと思わせる技術である。
 1.やらなければならないことを見きわめるのはリーダーの役目
 2.重要なのはやらなければならないことをやらせることではなく、やりたいと思わせること
 3.リーダーシップとは「サイエンス(理屈)」ではなく「アート(技能)」だ
 
P81
 リーダーシップ・スタイルの7つの要素
 1.誠実さ
 2.決断力
 3.集中力
 4.人間味
 5.対人スキル
 6.コミュニケーション能力
 7.常に前進する姿勢
 
P83
 あなたは理想とする文化のロールモデルにならなければならない
 
P86
 言行一致
 自らの言葉を行動で裏づけない経営者には、誰も共感しない。
 言行一致、有言実行あるのみだ。
 
P88
 第5水準の原則。
 第5水準とは、第1水準(個人的スキル)から第2水準(チームワークのスキル)、第3水準(管理スキル)、第4水準(リーダーシップスキル)と徐々に高まっていく能力のヒエラルキーの最上位にあたる。第5水準のリーダーは第1水準から第4水準までのすべてのスキルを駆使して、個人を超越する大義のために尽くす。そして謙虚さと不屈の意思という矛盾するような性質を併せ持っている。
 その野心は自分を利するためのものではなく、なによりまず大義のため、会社のため、目的のために向けられる。
 
P91
 意思決定が上手な人は、たいてい冷静な分析と直感の両方を組み合わせている。
 
P94
 判断は「誤る」ほうが「しない」よりましなことが多い
 
P98-99
 意思決定のプロセスで意見の相違が生じるのは好ましいことだ。重要な判断を下すときには、建設的な議論をして、異なる視点を戦わせたほうがいい。問題が明確になり、解決策がしっかり検討されることになる。
 
 飛びぬけてイノベーティブな会社というのは、意思決定をできるだけ組織の下の階層へ委ねる傾向がある。それによってあらゆる階層の社員に速く動き、自身のクリエイティビティを活かし、知性を発揮し、責任を引き受ける機会を与えるのだ。
  


P179-182
 数々の会社のコアバリューと理念が掲載されている。
 イメージを持つのにぴったりな題材。
 
P184
 企業活動の究極の目的は、収益力やキャッシュフローではない。利益最大化は、社員が全精力を傾け、魂の一部を差し出すような胸の躍る目標にはなり得ない。
 もちろん利益は必要だ。しかし利益自体に意味はなく、利益がやりがいをもたらすことはない。
 
 定量的目標によって、目的のないプロセスに目的を与えることはできない。何かをただ増やそうとすることは本質的に満足を生まない。
 
P187
 パーパス・ステートメントの実例
 是非、本書を購入して参照されたし。
 
P194
 ミッション = 社運をかけた大胆な目標(BHAG)
 Big Hairy Audacious Goal
 
P201
 ミッションの4類型
  ・目標
  ・共通の敵
  ・ロールモデル
  ・内部変革


P219
  神は細部に宿る
 
p224
 言葉で絵を描く
 ビジョンを言葉から絵に、社員がいつでも思い浮かべることができるようなイメージに転換すると言ってもいい。
 ヘンリー・フォードの例
  私は庶民のための自動車をつくる。価格はまともな給料を稼いでいる人なら誰でも買えるくらい安い。それに家族を乗せて、神の創りたもうた広大な大地を何時間も走る喜びを満喫できる。ハイウェイからウマの姿は消える。自動車が当たり前の存在になる。
 
p232
 ビジョンが効果を発揮するためには、2つの重要な基準を満たさなければならない。「明確さ」(きちんと理解されている)と「共有」(組織の主要な人材がみな賛同している)だ。
 トップダウン型ビジョンの欠点は、明確さはあるものの、広く共有されない可能性があることだ。一方、集団的プロセスによって策定すると、明確さも輝きもない「合議制」による退屈な代物になりがちだ。
 
P238
 成功というコインの裏面は失敗ではなく、成長だ
 
p242-243
 成功企業の歴史にはたくさんの幸運な出来事があった。比較対象群として調べた企業も、同じくらいの幸運に恵まれていた。大成功した個人や企業は、幸運の質やタイミングが特別良かったわけでもなく、幸運からより多くのリターンを得ていた。
 
P248
 大切なのは、自分ではコントロールや予想ができないことへの備えを固め、それを生き延び、運や機会が巡ってきたら最大限生かす強さを身につけることだ。
 
 幸運は諦めない者に訪れる


P264-265
 第一級の知性は、2つの対立する概念を同時に内包しつつ、それでもうまくやっていける能力によって測ることができる。
 「ORの抑圧」に縛られない
 「ANDの才能」によって自らを解放する
 二項対立を二面性としてとらえ直す
 
 ANDの例
  創造性 AND 規律
  革新 AND 実行
  謙虚さ AND 大胆さ
  自由 AND 責任
  コスト AND 品質
  短期 AND 長期
  堅実さ AND 勇気
  分析 AND 行動
  理想主義 AND 現実主義
  継続性 AND 変革
  リアリズム AND ビジョン
  価値観 AND 結果
  目的 AND 利益
 
P267
 キツネはたくさんのことを知っているが、ハリネズミはたったひとつ、肝心要な点を知っている。
 ハリネズミは物事を単純化し、あらゆる事柄を単一の原則に基づいて考える。

P285-301
 戦略とは「会社の現在のミッションを達成するための基本的方法論」だ。
 「私たちはこのようにミッションを遂行しようと考えている」というのが戦略。
 人生と同じように、ビジネスも完全に計画することはできないし、すべきでもない。不確実性や予想もしなかったようなチャンスがたくさんあるからだ。
 
 効果的戦略を策定するための4つの基本戦略
 1.戦略はあなたのビジョンに直結するものでなければならない。
 2.戦略はあなたの会社の強みや固有の能力を活かすものでなければならない
 3.戦略は現実的でなければならない
 4.戦略策定には実現のカギを握る人々を参加させるべきだ
 
 プロセス
 1.ビジョンの見直し
 2.内部評価
  ・製品ら製品ライン戦略、製造戦略
  ・顧客、市場セグメント
  ・キャッシュフロー(財務戦略)
  ・人材と組織
  ・インフラ
 
  優れた内部評価の構成要素
   ・強みと弱み
   ・リソース
   ・イノベーションと新しいアイデア
 
 3.外部評価
  優れた外部評価の構成要素
   ・業界と市場のトレンド
   ・技術のトレンド
   ・競合評価
   ・社会環境と規制環境
   ・マクロ経済と人口動態
   ・国際的脅威と機会
   ・総合的脅威と機会
 
 4.内部評価と外部評価に基づいて意思決定
 
P302
 戦略の要諦
 1.どこで大きな賭けに出るか
  「戦力を集中させること以上に重要でシンプルな戦略の法則はない」クラウゼヴィッツ
 2.どうやって側面を守るか
 3.どのように勝利から最大の成果を引き出すか
 
p309
 適応できない企業は建設的パラノイアを実践できない
 1.あなたが身を置く世界(社内と外部環境)で、これから15年以内に確実に起こるはずの重大な変化はどのようなものか。
 2.そうした変化のうち、あなたの会社にとって重大な、または存在を脅かす脅威になるものはどれか。
 3.そうした変化に先手を打つため、今すぐ、緊急に取り組まなければならないことは何か。
 
P320
 多くの中小企業が直面する4つの重要な戦略的問題
 1.どのくらいの速度で成長すべきか
  成長は良いものだ(あるいは悪いものだ)と決まっているわけではない。
  倒産のほぼ半分は、記録的売上のあがった翌年に起こる
 2.集中か多角化か
 3.株式公開の是非
 4.市場を先導すべきか、追随すべきか
 
p329
 価格をコントロールできないなら、コストをコントロールする
 
p340
 先行者戦略を採るだけでは十分ではない。一番手であっても、ずっと安泰なわけではない。戦略の「遂行」も重要だ。
 これはイノベーションと戦術卓越性という、偉大な企業になるための残る2つの重要な要素に直結するテーマ
 
P350
 イノベーティブな企業になるために必要な6つの要素
 1.どこで生まれたアイデアでも受け入れる力
 2.自ら顧客になる
 3.実験と失敗
 4.しゃいんがくりえいていになる
 5.自律性と分権化
 6.報酬 
 
P351
 残念ながら、ほとんどの人は、批判しろと教えられ、自分が賢いことを誇示する一番の方法は、誰かのアイデアがばかげている理由、絶対に失敗する理由をたくさん思いつくことだと思っている。
 
P352
 良いアイデアはいくらでもある。足りないのはアイデアを受け入れる力だ。
 
P354-355
 歴史的アイデアがダメ出しされたケース
 
P361
 画期的な製品の多くは企業が市場プル型のイノベーションだけに集中していたら存在しなかったはずだ。
 
P365
 発明家が半無意識的にアイデアを思いつく前に、市場がその画期的発明を求めていたケースは、私たちの調べたかぎり皆無だった。
 
P374
 「科学的であること」の本質は何か。科学者は何をする人々か。他の人がまとめた退屈なレポートを読むだけだろうか。そうではない。科学者は世界を正確に観察できるように、世界を体験する方法を模索する。世界に出ていき、自らモノを見る。そして実験する。
 
P375
 誘導ミサイル ゴードンの例
 何度も失敗し、軌道修正し、最終的に目標を達成する。
 
P385
 インテルでは「黙っていろ」と言われることはないが、もっと説得力のある主張をしろと言われることはある。社員は好きなだけ粘ることができる
 アイデアが問答無用で潰されることはなく、最適なアイデアが生き残っていく
 
P393
 企業が最高の成果を生み出したいなら、ふつうじゃない人が居心地のよい環境を作らなければならない
 
 人材の幅や多様性は、クリエイティブな発見につながる。
 
 多様性を追求しつつ、コアバリューはしっかり守ろう。
 
P395
 クリエイティビティとイノベーションの最大の障害は常識だ
 
P400
 優れた人材を採用し、彼らが働きやすい環境をつくり、邪魔にならないようにする
 
 イノベーティブであり続ける企業は、自由と自律の必要性をよく理解している
 
P402
 ダイヤモンドの分割
 企業をかなり自律的な小さかグループに繰り返し分割していくことで、全体として大きな規模に成長しながらも小さな企業の強みを維持できる。
 
P403
 分権化を成功させるための原則
  ビジョンと関連づける
  集権的管理がなくなる分、コミュニケーションやインフォーマルな調整に力を入れる
  サブユニット間の知識の交換を促す
  オープンシステムを導入しよう
  マトリクス組織は避ける
 
P411
 製品だけでなくプロセスもイノベーションにする
 
 あらゆる分野でイノベーションを促そう
 
P414
 クリエイティビティを刺激するためのマネジメントルール8カ条
 1.励ます。あら探しをしない。
 2.決めつけない。
 3.内気なタイプを後押しする。
 4.好奇心を刺激する。
 5.必要を生み出す。
 6.喧騒から距離を置く時間を与える。
 7.グループによる問題解決を促す。
 8.「楽しむこと」を義務づける。
 
P425
 偉大な企業の研究を続けるほど、その最大の強みは確固たるイノベーション能力ではなく、イノベーションを「スケール(規模拡大)」する能力だとかくしんするようになった。
 
 イノベーションを何度も生み出し、スケールし、常に戦術的卓越性を発揮しながら市場に送り込むのだ。長い目で見れば、ベスト(最高)はファースト(一番乗り)に勝る。
 
P431
 素晴らしいコンセプト + 質の低い戦術の遂行 = 死
 
P433
 締め切りは仕事の進捗を後押しする。だがそれも「コミットメント(確約)」がある場合だけだ
 
 誰もが守れないと思うような締め切りを設定するのは、設定しないのと同じである。
 
 規律の文化においては、締め切りを守れない理由として認められるものは2つしかない。ひとつは締め切りを約束した相手が、あなたが求めていないのに締め切りを変えた場合(一方的かつ明確な責任免除)。もうひとつはあなたや家族にどうにもならない不慮の出来事(病気、事故、悲惨な事態)が起こり、締め切りを守ることが非人道的になった場合だ。
 
 重要なのは締め切りについて一切曖昧さを残さないこと、担当者が締め切りを守ると確約すること、そして締め切りを守らないという選択肢はないという組織文化を醸成することだ。それは社員に、守れない締め切りは「断る」という規律を持たせることを意味する。
 

P437
 SMaCマインドセット
 SMaC = Specific, Methodical, and Consistent
 細部にこだわり、着実で一貫性がある
 一貫してハイレベルで戦術を遂行する要諦。
 
 SMaCは「マインドセット」を表す言葉。
 モノの考え方、ふるまい方である。
 
P439
 真のSMaCは4つの基本的な構成要素で成り立っている。
 1.揺るぎない一貫性を生み出す、具体的で再現可能なプロセスとメカニズム
 2.悲惨な失敗を防ぐ、確認と照合の仕組み
 3.ありとあらゆる不測の事態を想定して備える、綿密な思考
 4.SMaCプロセスの「理由」の理解にもとづく継続的進化
 
 単なる手順やお役所的ルールとSMaCの違い
 古参メンバーが新入社員に「私たちはこういう理由でこのやり方を実践している」と言わずに、「これが私たちのやり方だから従え」と言うようになったら、規律の文化から官僚主義への劣化が始まったサインだ。
 
P442, 443
 社員が任務をきちんと遂行するための基本的条件は5つある
 1.やるべきことが明確である
 2.仕事に適したスキルがある
 3.自由とサポートを与えられる
 4.努力を認められる
 5.自分の仕事の重要性を理解する
 
P446
 人は誰でも機会を与えられれば、それに応えようとする。社員に挑戦する機会を与えれば、それをやり遂げるだけの基本的知見や見識はある。
 
P452
 戦術の遂行をするための6つの終わりのないプロセス
 ・採用
 ・文化を植え付ける
 ・研修
 ・目標設定
 ・測定
 ・評価
 
P455-459
 文化を植えつける
 ・新入社員に「スターターキット」を渡し、必ず読むように念を押す
 ・とにかく「書く」
 ・社史をまとめ、すべての社員に入社時に渡す
 ・すべての新入社員と会社の理念について語り合う
 ・「バディ制度」を取り入れる
 ・新入社員に技能だけでなく、会社のバリューを教えるセミナーを開く 
 
P462
 あなたの会社の社員には、それぞれ具体的な目標があるだろうか。目標は社員が主体的に決めているだろうか。本人は実現可能と思っているだろうか。そもそも実現したいと思っているだろうか。社員自身がそれを四半期目標、毎週の課題、日々の仕事に落とし込んでいるだろうか。目標は会社のビジョンや戦略と一致しているだろうか。目標は社員自身の人生における個人的目標と合致しているだろうか。
 
P470
 評価には基本的に「インフォーマル」「表彰と成果の認識」「金銭」の3タイプがあり、すべてを活用すべきだ。
 
P478-479
 「管理」はうまくいかない
 
 社員に行動の自由を与えよう。意欲があり、教育を受け、会社の文化をきちんと内面化した社員に「管理」の必要はない。大人を子供のように扱わなくていい。常に監視されていると、人はベストを尽くさなくなる。
 
 「あなたが最善を尽くして正しいことをしてくれると信じている」というシンプルな考えが、組織の上から下まで浸透しているべきだ。
 
P483
 「OPUR」の精神
   「OPUR」=「One Person Unlimitedly Responsible(最終責任を負う者)」
  重要な仕事や目標の一つひとつに、明確なOPURを任命すべきだ。
  OPUR文化を維持するうえでカギとなるのは、一人ひとりの社員がOPURマインドセットを持ち、OPURとして明確な任務を負うことだ。ただ理想的なOPUR環境を生み出すうえでそれと同じぐらい重要なのが、誰もが隣人のために「歩道を雪かきする」文化があるということだ。
  OPUR精神を「良き善人」のルールと組み合わせれば、すなわち自らの仕事に対して完全な責任を引き受けつつ、お互いの歩道の雪かきを助ける文化であれば、個人とチームのパフォーマンスは高まり、組織はまとまるだろう。それによって高いパフォーマンスを実現する環境であると同時に最高の職場であるという、すばらしく魅力的な状態が生まれる。
 
P486
 偉大な企業は敬意という基礎の上に築かれる。顧客に敬意を払い、自らに敬意を払い、お互いの関係性に敬意を払う。何より重要なのは、社員に敬意を払うことだ。出身や経歴、社内の立場にかかわらず、あらゆる社員に対してだ。
 
 社員に経緯があるから、信頼する。経緯があるから、社員に対して率直かつ誠実に対応する。経緯があるから、行動と意思決定の自由を与える。経緯があるから、全員に生まれつきクリエイティビティと知性と、問題解決能力が備わっていると考える。
 
 社員に敬意があるから、高いパフォーマンスを「期待する」。高い基準と困難な課題を設定するのは、社員が基準を達成し、課題に立ち向かうと信じているからだ。突き詰めると偉大な企業の社員が一貫して卓越した戦術の遂行を成し遂げるのは、彼らにその力があると誰かが信じているからだ。
 
 このような敬意から、あらゆる人に尊敬される企業が生まれる。産業界におけるロールモデルとなり、製品、サービス、雇用を通じてだけでなく、他社の目標となることで世界に好ましいインパクトを与える企業だ。

以上

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