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【三日間の幸福】悲惨な三十年よりも、有意義な三十日間よりも、価値のある三日間

以前まで、KADOKAWAがやっていた本のサブスク「ブックラブ」に入っていたが、サービスリニューアルのため一時休止とのことで、新しい本のサブスクを探していた。

そんな中、「Chapters」という新しい本のサブスクを見つけ即座に入会。
毎月、女心をくすぐる素敵な包装で届き、届くまで本の内容はわからない。
今月は「三日間の幸福」という小説が届いた。

はまりにはまって、1.5日で読み終えた。
主人公が自分の人生の半分を売り(しかも1年を1万円で)、寿命が残り3ヶ月になった事から、物語は始まる。その物語の中で「人生とは」「命とは」「自分にとっての幸せとは」を考えせられる1冊で凄く感化されたので、忘れないうちにこの気持ちを綴っておこうと思う。


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■人生のスタート地点

「--死を前にして相対化された生の輝きを目の当たりにして、ようやく活力らしいものを取り戻し、『これまでの自分はどうしようもない人間だったが、過ちに気付いた今の自分になら、何だってできる』という思考に陥ってしまうんですがー思うに、そうした人たちは致命的な勘違いを犯してしまっています。彼らは、ようやくスタート地点に立ったというだけなんです--」
「三か月という期間は、何かを変えるには短すぎます。とはいえ、何もしないで過ごすには少々長すぎます。だったら、小さくても確実な幸せを積み重ねていった方が、利口だとは思いませんか?」

今まで楽しいことも沢山してきたし、人生100年時代と言われて、自分の人生まだまだなんて思っていた。そんな矢先に父が癌になり、生死をさまようことに。「人って呆気なく死ぬんだ」と痛感させられた出来事だった。

そこから「人生って短い!」って思うようになり、考えれば考えるほど「何でもできんじゃね?」と、全く小説の彼らと同じ状況だった。だからこそ、「自分はようやく人生のスタート地点に立ったんだ」とある意味、衝撃を受けた。

それはそれで、「これから色々やるぞ!」と思うと、やはり人間だから「他人よりいい成績を残したい」「ちょっと有名になってみたい」とかとか思い始める。でもその思いも、バッサリと斬られる。んじゃ、どうすればいいんだ〜という事で「小さくても確実な幸せ」を積み重ねるとあるが、「小さくても確実な幸せ」って何だろう。。。。


■小さくても確実な幸せ

「好きなことをすればいいんです。あなたにも趣味くらいあるでしょう?」
「--葉巻屋の男が、毎朝欠かさず店の前の交差点に立ち、まったく同じ場所を写真に撮り続けるという話が、俺はお気に入りなんだ。そういう、安直な『意味』に真っ向から喧嘩を売るような行為が、とても痛快に感じられた。そこで、だ。俺もオーギー・レンに倣って、一見無意味な写真を撮ることにしようと思う。どこにでもある自販機を、誰にでもできるようなやり方で、愚直に撮影し続けるんだ

「大金持ちになる」「事業で成功する」など側から見ると、誰もが羨む幸せで凄いと思う。でもそれと同じぐらい「誰でもできるようなやり方を続ける」人も同じぐらい凄いと思う。

だって、私含め大抵の人はできる事でも続けないから。
それを続ける事は自分への自信へも繋がるし、ましてや『好きな事』であれば、小さな喜びでも幸せへと繋がる。

「昨日できなかった事が続けてたらできた」「今日は友達と話て楽しかった」「今日は新しい発見ができた」そんな、小さくても確実は幸せを積んでいきたい


■価値ある人生とは

多分、その三日間は、
俺が送るはずだった悲惨な三十年間よりも、
俺が送るはずだった有意義な三十日間よりも、
もっともっと、価値のあるものになるのだろう。

最後の最後に、ぐさっと刺さった。この主人公にとっては、最愛の人が隣にいる三日間が価値のあるものになるだろうと。

確かによく考えると「結果を出して、給料が沢山もらえるようになった」「自分は周りと比べて優れている」と考える事は悪い事でもないし、そこから得られる「安堵」や、頑張りが認められる瞬間は嬉しい。

でも「自分にとって心がなんとも言えないような、幸せに包まれた時は?」と考えると「大好きな友達や家族と、他愛もない話をして爆笑している時」だったりする。

いつ何が起こるか分からない人生だからこそ、自分が幸せに感じることをしっかりと理解して、価値のある時間を過ごしていきたい!


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「大逆転が起こる本」そんなテーマで送られてきた、この本。
「あいつが犯人だったのか!」という逆転ではなく、どこかほっこりするような逆転が沢山散りばめられた本だった。

これだから読書はやめれない・・・・


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