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ChatGPT時代にコンサルに求められる人材とは?

私は総合コンサルに勤めてますが、ChatGPT等の生成系AIの到来による業務への影響は、今後、加速度的に生じるでしょう。実業務で既に出ているところだと社内チャットボットへの導入くらいですが。
さてさて、「虚業」「高級文房具」と揶揄されがちな経営コンサルにはこの生成系AI時代にどんな人材が求められるのかが俄然気になってきましたね。
スタッフ(マネージャー未満)が日々担う業務はこんな感じですかね。
・議事録作成→文字起こしツール+ChatGPTに要約させればできますよね。
・スライド等資料作成→叩き台くらいならスラスラできますよね。https://twitter.com/arakens/status/1663779797917655040?s=46&t=_rmlhHB7MrN1EWSDeXjGHA
・ヒアリング→これはまだ残りそう
・論点の洗い出し→これも残りそう

ここまで見てみると「そもそも何を説明したいんだっけ?」とか「何をヒアリングできれば後続の作業に対応できるんだっけ?」等の作業間の依存関係の把握や、目的の言語化とかそういった能力が大事になると思っています。(この能力は受験数学に必要な能力と相関が強いと思っていますがそれはまた今後考えてみます。)
一方で、生成系AIの作ったものは、「現時点では」人によるチェックが必要なので、しばらくは、そういった業務は残っていくでしょう(遅かれ早かれ廃れていくとは思いますが。)。
まあただ、コンサルには他の業務もあります。マネージャー以上に散見される通称「よしなにさん」ですね。クライアントの企業文化、クライアント内のパワーバランス、グループ会社間のパワーバランスなどの言語化されていない暗黙知を把握して、「よしなによしなに」とプロジェクトを前に進めていく人のことです。ここは流石に生成系AIの出る幕じゃないでしょう。
ここまでをまとめると、これからのコンサルで生き残る人を簡単に言うと「頭の良い人」と「よしなにさん」の2類型となりますね。
でも、あれ、これって今までと同じじゃないですか?言われたことをやるだけの作業者が排斥されるというだけの話で、生成系AIは、今までも存在していた能力差を増幅させる装置でしかないのでは?
となると、この2類型に当てはまらない人はどうすればいいんでしょうか?
「よしなにさん」になるためにはクライアントから評価され続け、長期アサインされる必要がありますからそのためには「頭の良さ」は大前提になります。
つまり、賢くなれない人は、いずれ無くなる作業にすがり続けるか他の会社に移るかした方がいいよってことになりそうですね。語弊を恐れずに言うと「具体のプロダクトがあるわけじゃないんだ。バカはお呼びじゃない。賢くなれ。」って感じでしょうか。身も蓋もないですが、新しいツールのお尻を拭くのではなくて飼い慣らしてやろうという話でした。

(余談)
「そもそもコンサル自体コモディティ化してるじゃねえか。偉そうに言ってんじゃねえバーカバーカ」という指摘、あると思います。これについては、日本、特に日経大企業では、上記「遅かれ早かれ無くなる業務」が無くなる気配が今のところないんですよね。なので、BPO×DXによるコストカットとか、ビッグデータを活用した顧客訴求の個別最適化とかのニーズが暫くは残り続けるのではないかと踏んでいます。いずれその需要がなくなったとしても、その頃にはまた新しい技術ができており、適応スピードの遅い企業の変革をお手伝いすることになると思うんですよね。

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