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子どものYoutube・フェイク動画視聴とどう向き合うか

4歳になる息子。
Youtubeをよく観ているのだが,先日こんなことがあった。

今彼は絶賛「道路標識」と「エレベーター」関連の動画にどハマり中。そして,いくつかの動画を見終えた後にこんなことを言ってきた。

「ママ,日本の○○っていう場所には,殺人鬼に注意っていう道路標識もあるんだよ。知ってた?」

「なんじゃそりゃ!!そんなのあるわけないでしょ」

と一蹴したところ

「嘘じゃないよ。本当にあるんだから!!!」

と引き下がらない息子。

よし,そこまで言うなら見せてみな!
と,件の動画を息子と一緒に観ることにした。

 動画はいわゆる「ショート」というやつで,ちょっとホラー要素も入った「こんな標識を見かけたら注意!」というような内容。
 実際に存在する標識(!=その他の危険)と一緒に,実際には存在しない(冒頭息子が言ったような)架空の標識を,あたかも現実に存在しているかのように加工して作られた動画だった。
ショートなので,とにかく「えっ!?」と視聴者が驚いて興味を持つようなインパクトのある内容になっているのだけど,さすがに4歳の息子は,これを「フェイクだよね」と理解しながら楽しめるほどの分別はない。この動画を観て「フェイク標識」の存在を心の底から信じきっている様子にいささか不安を覚えた。

子どもがYoutubeや,そもそもインターネットサイトにアクセスできるような環境にあれば,当然のことながら親がフィルターをかけて有害サイトにアクセスできないようにする,といった最低限の対策を講じることは当たり前なのかもしれないが,フェイク動画までは対策しようがない!!というか,どうやって技術的な対策すりゃいいの!とか,ポイントは全然そこじゃない。

教員をやっていた時にもあったけど,学校から貸与しているタブレットにはフィルターがかけられて教育活動に必要と思われるコンテンツのみにアクセセスできるような制限がかかっている。それなのに,そんな規制はいとも簡単にすり抜け,堂々と学校のタブレットで成人向けコンテンツを観ている生徒も普通にいたし,大人が「これを事前にやっておけば大丈夫」と思っていることだって,子どもの方がはるかに知恵があって賢いのだから,いかに制限をかけるべきか,なんて考えても意味がない。それが嫌ならば,そもそもそういうものを子どもに与えるべきではない。

今回「フェイク標識」問題については,動画を見終えた後に息子と一緒に標識の図鑑を開いて確認した。
そして息子はようやく「そんなものは存在しない」ということに納得した。
ただ,動画を色々と観ていると,同様のフェイク動画は「外国の標識」バージョンなどもあり,もはや手持ちの図鑑でいちいち確認させることも不可!
これぞイタチごっこ!(笑)と思っていたら,ちょうどいいところに
私が心の師と仰ぐ盟友が家に遊びに来て,動画に夢中になっている息子に向けてナイスな助言を送ってくれた。

「今○○が動画で観ているものは全てがウソかもしれないんだよ。だって○○が直接自分の目で見て確かめたわけじゃないでしょ?」

自分が実際に目で見て,手で触れて,感じるという体験をすっ飛ばして,動画を観て「分かった・やった気になってしまう」ことの怖さは前にも書いた。

別にYoutubeを否定するつもりもないし,小さい子どもには観せない方がいいと言ったってそれは現実的には厳しいだろう。(ワンオペ母の救世主)

ただ子どもが動画を見るときの心構えというか,基本的なスタンスとして,今回息子が助言してもらえたようなことは,早いうちに子どもに教えておいてあげることはとても大事なのだろうな,と感じる。

加えて,子どもが視聴している動画のコンテンツについて親がどこまで口出しすべきか,というところも先日ママ友との間で話題になった。
数多の動画の中でも「親としてあまり観てほしくないもの」を子どもが夢中になって観ている場合にどうするのが良いのか。

これは結構難しい問題だと思うけれど,これもまた,大人がやってほしくないと思うことを「規制したり・制限したり」することはあまり意味がないので(どうせいずれは親の目のないところで好きなだけ観られるようになっちゃう日が来るんだから)「そんなの観るのやめなさい!」と言って消したりするのはあまり効果がない気がする。
ちなみに我が家では
「はー。ママそういう動画ほんっとに不愉快になるから嫌いだなー」
と,いわゆる「私」を主語にしたメッセージで伝える。
そうすると
「えーなんで?面白いのに」
と聞いてくるので
「あなたにとっては面白いんだよね。でもさ,私は○○を観ると△△を思い出しちゃってすごく嫌な気持ちになるんだよね。」
みたいに理由を説明する。別に具体的な理由がなくても
「なんかよく説明できないけど,嫌な気持ちなる。なんでだろうね」
とかでもいい。

そうすると大概は私に気を遣って,同じような類の動画は観ないようにしてくれる。
逆に,たまたま目にした動画に対して「お,これ面白いね」とか言うと後日
「ママが好きな動画あったでしょ?あれの中でさ・・・」
と積極的にアウトプットしてくれたりするので,このパターンもよくやる。

ただ,このやり方は親の意識や思考パターンに影響を受けやすい思春期前までしか通用しないだろうと思う。
多分思春期の子どもに同じことをやろうものなら「チッ」とか舌打ちされてウザがられておしまい。

基本的に,子どもには子どもの世界がある。
それを大人の一方的な都合で否定したり,制限をかけることはできないもの,とデジタルデバイスを我が子に与える前にはよく心しておいた方がいい。
(ちなみに,思春期以降の動画やスマホ,SNS との付き合い方については
インスタの投稿で紹介しているので参考までに。もう思春期は根気よく話し合ってルール決めていくしかないので,なかなか骨が折れる・・・。)

チッ,親がこんなに苦労してんのに,学校現場でひとり一台端末とか余計なことしやがって。(←心の声)

というわけで
Youtube視聴はあくまでも子どもの「興味関心」のきっかけを作るツール。
子どもが動画を観て刺激を受けたことをきっかけに,「じゃぁ実際に見に行ってみようか」とか「やってみようか」という発想になってくれればいいなというくらいの気持ちで利用できたらベストなのかな,と思う。

だって全部ウソかもしれないんだから。


インスタで幼児期〜思春期子育てのコツ発信しています。

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