サイボウズ3749文字OGP

「サイボウズに興味あるけど、つかみどころがない会社なので不安です…」とエントリーをためらう就活生が読むべき3749文字。

社員がこう吐露するくらい、サイボウズは謎の多い組織なのかもしれない。謎が多くて不安でエントリーできない就活生がいると申し訳ないので、自分が就活生だったときの体験談を記しておこうと思う。

1. 就活生にとってのサイボウズの謎ポイント4選

自分の就活時を振り返って思う、サイボウズの謎ポイントをとりあえず4つ挙げてみる。

①社長が「利益は残りカス」という発言に賛同してる。んん?
これまた社長が「ちゃんと赤字にできました!」って喜んでる。はい?
そもそも売上を第一に目指してはいないらしい。んー、、大丈夫?

②創業20年以上、東証一部上場、800名強の組織だけど、いわゆる「大企業」みたいな堅さはなさそう。でもバリバリのベンチャー感もなさそう。どっちやねん。

③なんか複業とか働く場所と時間の決め方とか自由っぽい。統制取れてる?好き勝手されない?大丈夫?

④噂だと、入社式の日に副社長から「早くこの会社を辞められるようになってください」と言われるらしい。むちゃくちゃやん...


そんな謎の多い組織・サイボウズになぜ入社を決めたのか。

2. 僕がサイボウズに入社を決めた3つの理由

①理念と事業の結びつきにしっくりきた

「チームワークあふれる社会を創る」という企業理念を掲げている。チームワークの大切さ、これには共感できた。幼い頃からバスケットボールでチームスポーツに触れ、学生時代は長期インターンを経験し、自分ひとりの力では何も成し遂げられないことを知っていたから。

チームワークが豊かになるには、メンバー同士の想いを共有したり必要な情報に適切にアクセスできたりすることが大切なのもまた、これまでの経験から何となく理解していた。情報が共有される、オープンな場をつくり出すためにはインターネット、ITツールの力が不可欠なのだ。

サイボウズは、自分たちが掲げる理念をどのように達成していくつもりなのだろうか。僕は(勝手に)持論を立てた。

自社製品を使いこなすことで、サイボウズ自体がチームワークあふれる会社を創っている

チームワークあふれる会社のメンバーたちが生み出すプロダクト(グループウェア)でチームワークあふれる社会を創る

チームワークあふれる社会が創造されるに従って、サイボウズのプロダクトがもっともっと必要とされる

変わりゆく社会に対応してまた、サイボウズというチーム自体のチームワークも洗練されてゆく

そんなチームのメンバーが生み出すプロダクトで...(以下略)

あ、理念と事業が結びついているんだな、と解釈した。こうして循環していくモデルはわくわくさせられたし、一貫性を大切にする自分にとってしっくりきた。


②面接官の印象

面接を受ける上で一貫して聞いていた質問がある。

「◯◯さんは、入社何年目ですか?あなたが◯年間、サイボウズで働き続けてこられた理由は何ですか?」

社会人歴や新卒/中途のバリエーションがあるなかで、それぞれの面接官がどのような想いで働いているのかを知りたかった。自分が入社した後をイメージできるかどうかの材料にするために。

当時は1次から4次(最終)面接まであった。新卒入社3年目の社員や創業まもない頃から在籍するベテラン社員など、面接にはいろんな社員が出てきた。各回の面接で面接官に同じ質問を投げかけていると、回答にある共通点が浮かび上がってきた。

・チームワークあふれる社会を創るという理想に共感しているメンバーと、ともに働けていること。そのこと自体が楽しい。
・公明正大でいられること。ウソつかないでいられるのって、気持ちがいいし、ラク。
・自分の能力をしっかりと発揮できる場所がここにあると、自信を持って言える。

通じて同じ質問を投げかけたが、個々の回答に差はあれど通底する価値観は似ていた。*1
理念という形で目指すべきミッションがあり、メンバーがそれに向かって工夫を凝らすチームで働きたいと思っていたので、これもしっくりきた。


③どうせやるなら、エイヤで決めたかった

実は他のIT企業にも内定を頂いていた。サイボウズより企業規模も大きく、福利厚生や生涯賃金も手厚い。当時のイメージでは、わりとお堅めな会社。ただ直感で、自分が働いているイメージが正直なところ湧かなかった。

分かれ道に出くわしたら、わくわくするほうを選ぶのが、これまでの自分の意思決定の基準だった。たとえば…

・修学旅行で感じた京都の雰囲気が忘れられずに京都大学への進学を決意した高校3年生の夏。クラスメートの大半は県内もしくは関東の大学に進学するなかで、偏差値50台半ばの地方の進学校からの挑戦。最後の模試までE判定だったけど、そのまま突っ込んだら意外と入れた。

・周囲が就活に勤しむ大学4回生の春。休学、単身上京し、長期インターンと居酒屋アルバイトのダブルワーク。理由は「今、それがやりたかったから」周りの動きとかは、あまり気にしていなかった。

「サイボウズって聞いたことない会社だし、大丈夫なのかい?」と親は言ったけれども、「なんかわからんけど、面白そうだ!」という自分の直感を覆すことはしなかった。*2
人生、エイヤで決めるのだ。これはサイボウズとかあんまり関係ないかも。僕の個人的な趣味趣向です。


そんな謎の組織・サイボウズに入社して、もうすぐ丸2年が経とうとしている。

3. 冒頭の「謎」に対する現時点での見立て

冒頭の「謎」に対する現時点での僕なりの見立てを示しておく。もちろん絶対解でもないので、より詳しい回答が欲しいときは、そのテーマに詳しそうな社のメンバーを召喚しようかな。Twitterでもぜひぜひご質問ください。
というか、社長の青野さん(@aono)にメンション飛ばしたほうが早いかもしれないけど。笑

①売上/利益至上主義でないこと
「利益は残りカス」という考え方は、ニュータイプな経営者目線だなーと思う。僕はまだピンと来ていないところもあるけど。まぁ次々と新しいチャレンジができるのも、生み出した利益を次の投資に回せているからなのだろう。あとは、数字に囚われることを防ぐという意味でもよいかもしれない。目指すべきは売上/利益ではなく、あくまで「チームワークあふれる社会の実現」であることを忘れないでいられる、ひとつの仕組みだと捉えている。

②大企業なのかベンチャーなのか
世の中の会社は、大企業orベンチャーの単純な2軸では語れないほど、100社100通りの違いがあるので、この問いはさほど意味を成さないように思える。就活期の自分は甘かった。こればかりは働いてみてようやくつかめてくる感覚か。サイボウズはいわゆる「大企業」でもなければ「ベンチャー」でもなく、あくまでサイボウズである。
(もっと言えば「会社」なんてふんわりした概念なので、追求するとこれまた別の問題になりそう。興味のある方はこちらをどうぞ)
企業規模/フェーズという観点から考えたとき、いまサイボウズにいる理由はとりあえず「ほどほどにリソースがありながら、かなり自由に好きなことができるから」かな。

③多様な働き方を認めるとカオスになるのでは…?
そもそも多様な働き方を推進することと、無秩序に好き勝手やっていいことは同義ではない。多様性は、個人の自立あってこそ本来の価値が発揮されるだろう。制度の目的を正しく理解し、自立して選択することが求められる。
ただし、カオスという点でいえばカオス。前例なき働き方をする社員が現れたりするので、人事の実情はめちゃくちゃ大変。忙しいけどやりがいあるので、我こそは!という人はぜひお待ちしてます。

④入社式で「早く辞められるようになってね」と言われる
これ言われたときはホント驚いたけど、なんか嬉しかった。早く実力つけて自立せぇよ、ということ。サイボウズの環境にぶら下がる社員にはならずに、「ここを飛び出してもっと大きな飛躍の地を見つけよ」という、入社初日からエールをもらえる気分。そういうふうに脳内解釈した。*3

以上はあくまで僕自身の考えなので、他の社員の生の声を知りたい方はこちらのnoteもぜひに。


今回のnoteを読んで、

・謎多きサイボウズに興味が湧いたぞ!
・まだ見ぬ謎を体験/解明したいから入社してみたいぞ!
・というか、世間から不思議に思われるくらいの新たな謎を、次は私がつくってやる!

と思った、物好きなそこのあなた。
ぜひぜひ、お待ちしております。


【注釈】
*1 もちろん「まぁ、辞める理由もないからねぇ~」という面接官もいた。そういうところも正直に話してくれたから、そういうもんだよなーと思えてよかった。

*2「まぁ、航平はそういう道を行くと思っていたよ。昔からそうだから…」という、ホッとしたのか諦めたのかわからない感想をもらったが、楽しそうにやってる姿を見せると安心してるみたい、今では。

*3「人を採用しといて早く辞められるように、なんて無責任やろ!」というツッコミもあるけど、まぁそこは悪くない給料もらえて生活はできるんでご安心を。。他人に無責任だとつっこむ前に、自分の人生には自分で責任持ちましょう、ということですかね。


頂戴したサポートは、私からのサポートを通じてまた別のだれかへと巡っていきます。