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bosyuで銭湯オフ会を開催したら、新卒学生の採用につながった話

bosyuで銭湯オフ会を開催したら、そのまま新卒学生の採用につながっちゃった話を、ノーカットフルオープンで書いていきます。

# 本記事のコンセプト(ターゲット&バリュー)

ターゲット(誰に)
・候補者との相互理解を深めた後に採用につなげたいと考えている人事、採用担当者に
バリュー(何と言ってもらいたいか)
・「ゆるやかなつながりをつくり、カジュアルかつ信ぴょう性の高い対話の機会を持つことで、採用可能性を高めることができるのか」と言ってもらいたい
・「カジュアルな接触機会って、オフィスに呼んだりカフェでお茶したりMeetupするだけじゃなくて、ちょっとした発想の転換をするのもアリだな」と言ってもらいたい

# 候補者との関わり方における問題意識

最初の動機はかなり単純で「就活生が肩の力を抜いて、社会人と本音でじっくり対話できる機会って少なくない?」というもの。僕自身、新卒採用の担当をしながら課題に感じる部分が大きかったのです。

そんなわけで、趣味の銭湯に一人で入りながら考えてみた。

「右上(リアル×カジュアル)に突き抜けるための一手がほしい」と思ったんです。
面接や説明会は企業によってはスーツ必須とかやってるし、まだまだカタい。採用サイトもホントのこと言ってるのかよくわからん。Twitterやnote、質問箱も一部では盛り上がりを見せてきているが、もし会いに行けるなら直接会って話したくない?そんなわけで、カジュアル面談とかMeetupがあるわけだけど、場合によっては採用色が強くて身構えちゃう(学生さんの中には、オフィスに出向いて社会人とお話するだけで、もう緊張しちゃう人もいるよね)

で、湯に浸かりながらひらめいた。銭湯があるやん!!

圧倒的にカジュアル、かつこれ以上のリアルなつながりはない。文字通り「裸の付き合い」ですからね。際どい質問をされても適当な答えとかできませんよ。なんたってこっちは、裸、見られてますからね。そういうところでの信ぴょう性の担保と、お湯に浸かりながら心身ともにリラックスした状態でのカジュアルさを両立させる手法として、銭湯オフ会を企画しました。

募集はもちろん bosyu で。5分くらいでサクッとつくって投稿したら、1週間くらいで50件以上の応募が。すごいぜ、bosyu!!!

# 実際にやったこと

・bosyu経由で応募いただいた方全員を、Facebook非公開グループに招待します。

・月に3~4回、銭湯行く日を決める。だいたい夜です。Facebookのイベントカレンダーで参加可否調整。

・当日は男女分かれて入浴。風呂場では就活やキャリアについてゆるっとお話。参加者は就活生だけでなく社会人の方もいるので、綱嶋以外の視点からも社会人視点の話が聞けて、参考になるみたいです。

・湯上がりはロビーで集合してまったり。時間に余裕があればそのまま飲み行きます。お風呂上がりって本当にリラックスできるもので、湯上がりにビールなんて飲んだらもう心のベールが剥がされる感覚になりますね。

・女性の参加者とは湯上がり後から話すのですが、ここでもじっくり対話の時間を持つことが大切です。

・3月に初開催してから6月までで15回開催。述べ人数でざっと40名くらい(リピーター含む)の参加がありました。

# 銭湯オフ会から採用につながった話

ちなみに、こちらの銭湯オフ会は「綱嶋が感じた就職活動における問題を解決するために、就活やキャリアについて語る場をプライベートで開いているだけ」であり、サイボウズの新卒採用担当としての活動ではありません。したがって、参加者全員がサイボウズの選考にエントリーしているわけではまったくありませんし、就活生に限らず社会人の参加も多いです。プライベートの活動が、たまたま、本業の採用活動に寄与したものとしてお読みいただければと思います。

さて、ここからが本番です。参加者の中から、新卒採用で1名内定承諾までつながりました。ここではAくんとします。

Aくんの熱量はなかなかのものでした。地方に住んでいる学生さんなのですが、Twitterでbosyuを見かけぜひ銭湯に入りたいとのことで、他社の就活で上京した際に銭湯オフ会に参加。これが3月後半ごろのこと。

湯に浸かりながら、就活中の悩みやサイボウズにまつわる質問を、熱心に話していたのが印象的です。ただ、この頃はわりと小規模なベンチャー系を見ているような話をしていました。そこで「サイボウズって小さなベンチャーでもないし、かといってそんなに大きい会社でもないけど、大丈夫そう?」「Aくんの興味の方向性ってどんなところにありそう?」みたいな話をじっくりと交わした覚えがあります。

時間が経ち、Aくんはサイボウズの新卒採用本選考にエントリー。1次、2次面接を通過して、3次面接に臨むことに。このタイミングでまた上京する予定があるとのことで、Aくんが再度、銭湯オフ会に参加してくれました。このときはたまたま他の参加者がいなかったので、サシで銭湯に。

3次面接前というフェーズもあり、前回銭湯に入ったときより質問の精度が高く、企業理解の深まりを感じました。他に見ている企業もサイボウズに近いSaaS系の企業に変わってきており、ここまで来ると後は魅力づけの世界。とにかくAくんの質問にありのままで答えることと、3次、最終面接にあたって考えておいたほうがよさそうなことをお伝えしました。

――結果として、Aくんは見事内定に。合格連絡の電話口で即承諾のお返事をいただくことができました。

# 銭湯オフ会に参加してみての感想(Aくんより)

Aくんに許可もらっているので、手を加えずそのまんま載せています。

## 参加前の気持ちと、参加してみての感想
人事と候補者の関係があるので1回目はものすごく緊張していました!笑企業のこと丸々知ることができるのと同時に自分のことを丸々知ってもらうことになるので!実際話し始めるとどんどん質問して来られるわけでもなく話したいことをお話しして聞きたいことを聞けたので良かったとおもいました。2回目はサイボウズへの志望度がさらに上がっていたので2人ですごく深くお話できてよかったなと今になっては思っています。ウェブ上で触れられる情報が非常に多いのでお話しさせていただくことでしっかりと考えを固める機会とすることができました。
## カジュアル面談やカフェでの会話との違い
銭湯で裸で話す(←綺麗な言葉が見つかりませんでした笑)となるともう文字通り着飾ってない状態で話ができるので本当に自分と合っているのかを知ることができるとおもいます!(学生目線でも人事の方目線でも)銭湯だと対面ではなく、横に座ることになるのも緊張せず話せることにつながるのかもしれません。(心理学的にも、、、何かありそうです)
## 銭湯を通して
サイボウズの特性上メディアを漁りまくれば情報には触れられたとは思いますが、人事の方から生で聞けたのは本当に良かったと思っています。それまでウェブ上で受け取っていた情報の再消化ができて、その後話す時も自信を持って話すことが出来ました。余談ですが、その後の面接でアイスブレイクにしてもらえて緊張がほぐれました笑「綱嶋さんとお風呂行ったんだよね?」から面接が始まるのは気持ち的にすごく良かったです。
## 自分の所感まとめ
銭湯面接という言葉もパンチがあっていいかもしれないですが、キャリアについて語る会としてあったおかげでお互いのキャリア観等を話してマッチングの確認につながったと思います。もちろん銭湯という環境もよかったとはおもいますが、綱嶋さんが銭湯が大好き(上がった時のビール含めて笑)で自分もそれまでに部活の仲間と銭湯で語り合うっていう経験があったのがよかったのだとおもいます。例えば喫煙所で話す、ゴルフをしながら話す、野球観戦しながら、電車に揺られながら登山しながら等も人によってはいいのだと思います。

# まとめ

「銭湯でオフ会をする」と聞くと、ハードル高く感じられるかもしれませんが。大切なのは「既存の手法に囚われずに問題解決の方法を探り、小さなところから実行してみること」です。

「候補者の情報収集チャネル」の4象限のような簡単なもので構わないので、可視化してみるとわかりやすいかもしれませんね。

「とりあえずカジュアル面談たくさんやってるけど、もっと深くコミュニケーションを取るにはどうしたらよいかな?」

「Twitterや質問箱に代わる、双方向性のメディアはないかな?」

「リアルとウェブの間でカジュアルな説明会とかできないかな?いっそVRでやっちゃうか!」

など、考えるヒントはあらゆるところにありそうです。ぜひ参考にしていただければ幸いです。
候補者と企業の相互理解が進み、一人でも多くの個人と企業が、素敵なマッチングを果たせますように。

# Twitterやってます

 

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