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【短編小説集】サイケデリック

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Webライター・ツナ缶が書いた、短編小説をぼこぼこアップしていきます。
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#恋愛

喉なんか乾いていないのに、温かいミルクティーをついつい買ってしまう話

喉なんか乾いていないのに、温かいミルクティーをついつい買ってしまう話

ここ最近外出をすると、喉は乾いていないのに
温かいミルクティーをついつい買ってしまう。

辺りが暗くなり始めた17時頃
風よけも何もない平らな駅に
ただぼうっと突っ立っていると
自分が冷たい
油粘土になった気がして
生きた心地がしない。
そもそも私は本当に生きているのか?
ようわからん。

(どうでもいいけど、触ると手が臭くなるよね、油粘土。)

そんな時、全然喉なんか乾いていないのに
温かいミル

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瞳の中のほくろ

瞳の中のほくろ

 洋服屋さんのバイトで知り合った「おさむくん」という名前の男の子がいる。

彼は学生で、有名な大学とか通っちゃってる。かなり頭はいいけれど、口癖は「性格を変えたい。」

とにかく何を話してもネガティブリーな感じで繊細、恋愛も本当に不器用なご様子で、境遇とは相反し、たいそう悩み多き青年やった。その姿はみるからに現代版「太宰治」って感じやったんで、私は勝手におさむくんと呼んでる。

  おさむくんは背

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