習慣化のコツはアイテム選び!2023年始めた趣味と買ってよかったもの6個
子どもの頃に想像していたほど、大人は満ち足りていないなあと思う。
多少の自由はあるけれども、時間のほとんどは労働に割かれ、稼いだお金は生活に取られる。体力は失われ、襲い来る理不尽に気力はつき、気づけば友が減っている。ありとあらゆるものがぼろぼろこぼれ落ち、あと5年もすればからっぽになるのではないかと時々不安になる。
由々しき事態を避けるため、2023年下半期は”小さくはじめる”をひそかな目標にしてみた。
書き手の性ゆえ、なにごともエッセイのネタにできる程度には極めようと大がかりに考えてしまうのだが、意気込みすぎると腰が重いし、続かなくては意味がない。自慢にならなくてもいい。話のネタにすらならなくていい。「ちょっとかじってみる」くらいの気持ちで、ご縁のあった趣味や活動を試してみることにした。
半年間、小さなチャレンジを重ねて気づいたのは、アイテム選びの大切さ。はじめる前に二の足を踏む理由を把握して、今の生活や自分の性格に合ったものを選ぶ。相棒と呼べるものに出会えれば、一度気持ちが離れても、また気が向く時がやってくる。続けるとなると途端に義務感に変わる私だが、今年手をつけたものはどれも気楽さを保ったまま習慣化しつつある。
というわけで、今回は2023年下半期にはじめた趣味と、はじめるにあたって買ってよかったものを振り返ってみる。書き留めることで来年の買い物の参考にするつもりだが、同時に単調な毎日に変化を求めている方や、なんでもいいから趣味といえるものをつくりたい方のとっかかりになったら嬉しい。
紅茶
①ルピシア/茶こしマグ モンポット
中学生の頃、リンゴジュースと間違えてアップルティーを飲んで脳が危険信号を発して以来、紅茶はトラウマだったのだが、30代に入りようやく魅力を理解しつつある。スーパーで買えるティーバッグの中から順番に試して満足してきたが、友だちに誘われたルピシア・グランマルシェをきっかけに本格的にデビューすることに。
会場で商品に手を伸ばして、はたと気づく。ティーバッグより茶葉の方が安い上に、聞けば内容量も多いとか。せっかくだったらお得に買って、たくさんのフレーバーを楽しみたい!だけど、忙しい生活の中で道具をあれこれ洗うのは面倒!ともう一人の私が制してくる。そんな葛藤を解消してくれたのが、こちら。
マグカップとポットが一緒になっているので、これひとつで淹れて飲むまで完結する優れもの。中の茶こしがラバー状なので、小さい茶葉がもれるのは難点だが、誰に出すわけでもないからOK。その分、目に詰まった茶葉がすぐに落ちて、洗いものが楽ちん。お湯を沸かすのが億劫な時はレンチンできるのも助かる。個人的推しポイントは蓋がついていること!しっかり蒸せるから香りを最大限に引き出して、ワンランク上のティータイムに。省スペースなのも助かる。
白湯
②ドウシシャ/白湯専科マグカップ ON°CZONE
父に車で送ってもらいながら観た朝の情報番組で、白湯用のマグカップなるものが紹介されていた。いやいや、たかがお湯のために?と一笑に付したのだが、聞けば聞くほど欲しくなって、丸2日寝ても覚めてもマグカップが頭を離れなくなってしまった。
疑いは持ちつつも白湯には興味があった。とはいえ本当にマグが必要なのか、購入前に自力で試してみることにする。朝起きて、顔を洗い、着替えて、メイク。お弁当を作りながらお湯を沸かす、までは良かったのだけど、カップに注いでから適温の約60度に下げるまでに15分。家を出る前に一気飲み……。これじゃ続かないし、体にいいわけがない。というわけで購入を決意。
ON°CZONEは鬼門の15分を3分に縮める魔法のようなアイテム。ステンレスの間の吸熱剤が一気に温度を下げてくれる。おかげで忙しい朝でも欠かさず続けることができている。一度ぐっと温度が落ちてからは、一定の温かさをキープ。作業しながらゆっくり飲むのにもぴったり。たかがお湯と甘く見ていたけど、白湯を始めてから胃の調子がいい。お昼と夜にきちんとお腹が減る。健康をともに守ってくれる頼もしい相方ができたようで心強い。
温活
③小林製薬/肩ホットン
2、3年前から、冷えからくるコリに悩まされている。「今日はまた一段と寒くなったなあ」なんて会話した翌日には肩やら腰がぎちぎちに固まってきしむ。お灸や磁気、温感湿布、体に貼るカイロ、レンチンするタイプなどあれこれ手を出したけれど、総じてどれも小さい。いざ貼るとなると、どこが痛いか分からなくなるし、貼ったら貼ったで、もっと上にも、右が楽になったら今度は左が……ああ、もう全身に貼りたくりたい!と投げやりな気持ちに。
全身とまではいかないが、広範囲をカバーしてくれる大判カイロがこちら。服の上から貼ると、1枚で右肩と左肩Wで温まる。就寝時と布団内での使用ができないので、私は朝、インナーに仕込んで仕事に行く。約8時間持続だから、ちょうど帰るころに肩甲骨周辺のかちかちが和らぎ、入浴で残りのコリをほぐしている。
電子レンジで温めるタイプが何度も使えて経済的だが、以前購入したアイマスクは持続時間が短く温め直すのが手間で宝の持ち腐れ状態に。少しお高いが、その分使用頻度を下げて、寝ているのもつらいレベルの日のお助けアイテムとして活用している。腰ホットンも包み込むような大きさでよい。
④小林製薬/ナイトミン耳ほぐタイム
これは発売時に一度使って惚れこんだのだが、いかんせんご褒美価格。ずっと我慢していたのだが、今年改めてハートを掴まれてしまった。
イヤフォン型のラバーに小型のカイロをセット、耳に入れるとじわああと熱が広がって、凝り固まったこめかみや食いしばったあごを緩めてくれる。周りの音も軽くシャットアウトされ、寝る前にとろけるような20分が味わえる。花王のめぐリズムに並ぶリラックスアイテムだが、使用中に本が読めるのが個人的加点。繁忙期や締め切り明けなど、乗り切った自分を称えたい夜に満を持して開封する。
温活に関しては、白湯を毎日のベースに、プラスアルファは妥協せずテンションの上がるものを、ご褒美頻度で楽しむことにしている。
編みもの
⑤DAISO・Seria/かぎ針・とじ針・毛糸
これまた友だちに勧められて編みものの沼にはまりつつある。本は毎月買いたいし、推しもいるし、これ以上趣味を増やす金銭的余裕なんてないよとあきらめていたのだが、かぎ編みなら初心者でも300円から作品がつくれちゃう。必要なものはかぎ針ととじ針、お好みの毛糸(段数マーカーがあるとより便利)。全部100均でちゃんとしたものが揃う。Youtubeにわかりやすい説明動画がたくさん上がっているので、テキストも不要!
つくる時間も楽しめて、できたものを日常使いできる。なんてお得な趣味。
海外文学
⑥京都文学レジデンシ―・ブッククラブ
英文学科を卒業したものの、就職してからは思うように手に取れていなかった海外文学。気になる作品があっても、値段や気力を理由につい後回しに。そんなときに見つけたのが京都の書店CAVA BOOKSの選書サービス。半年間、月に1冊、海外文学作品が届く。選書するのは京都文学レジデンシ―実行委員の作家や翻訳家。文学シーンの最先端を知る方々が勧める渾身の1冊が読めるわけである。
めちゃくちゃ難解な作品が届いたらどうしようとドキドキしていたが、開いてみれば1ページ目から読み手をぐっと引き込む力のある作品ばかりである。翻訳されている時点ですでに海外で高い評価を得ているわけだが、書き出しから文化の壁を超えるなにかを感じさせる作品にそうそう出会えるわけではない。おいおい自分の直感で選ぶ楽しさも味わいたいけれど、今は信用できる人のお墨付きに頼って感性のギアを温めている。
こうして並べてみると、アイテム選びも”ちいささ”がポイントなのかも。紅茶は洗い物の手間を省くことでハードルを下げる。白湯は時短に課金して忙しさに対応。温活は頻度を減らして、使用時のテンションを高める。編みものは初期費用を抑えることで手軽に。海外文学はプロのお墨付きに絞ってひとまず読む楽しさを覚える。道具の力を借りて、最初の1歩を4分の1歩、10分の1歩、100分の1歩と可能な限り小さくするのがコツなのだ。
誰にもばれずに新しい世界に飛び込む毎日は、勉強机の引き出しからタイムマシーンに乗り込むような秘密のときめきをたたえている。自分の隠れた才能に気づくこともあるし、その世界特有の言語感覚に驚くこともある。取りこぼすばかりの日々に、ちいさな刺激をくれる。
来年は趣味を次のステージに進めるもよし、新たな興味を増やすもよし。気負わず無理なくお買い物を楽しめたらいいな。
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