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「前橋市アーバンデザイン」を読解くvol.10 第6章:まちの将来像

前橋市の再開発計画「前橋アーバンデザイン」(以下MUD)を章ごとに読解いていく。第6章は「まちの将来像」で、前章の長期ビジョンを具体的なまちの姿に落とし込んでいく内容。市民にとっては具体論に入っていくのでわかりやすくなるのでは?と期待しつつ読解いていく。

「まちの将来像」は市民に馴染みがある9つの通り(地区)について、描かれている。この章で特徴的なのは、将来像がビジュアル化されている事だろう。民間では当たり前だが、今までの行政主導のプランではあり得なかった手法。また、

この将来像モデルとして民間主体による地域まちづくりを進める議論を深め、長期的な取り組みの中でアレンジされて柔軟に実行されていくことを期待します。

これが現実になるという事ではなく、議論のタタキ台にして欲しいと説明されている。早速、Before & Afterで比較していこう。

1.JR前橋駅北口周辺

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玄関口としての前橋駅からけやき通りへの導線として、路面店が続く。駅を降りてすぐの景色は来訪者の第一印象に大きく影響するから、しっかり再開発したい。

2.駅前けやき並木通り

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並木を活かして1階店舗での賑わい、2階は緑が目に飛び込んでくるシェアオフィス。昼時はコンテナ店舗でランチ。元々金融街なので、1Fを無理に店舗にしなくても「外から見えるオフィス」でもステキだと思う。

3.中央前橋駅

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「私鉄とバスの交通結節点として賑わいを」とあるが、そんなに利用客が増える事も考えにくいので、位置付けとしては「広瀬川開発の端点としての停留所」くらいのイメージが合っている。

4.広瀬川河畔

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マチナカで一番心地よくできる可能性があると思う。川沿いを散歩しながら、お買い物やランチ。木陰で涼むとかできたらいいですね。道路もレンガ舗装で広々感じるのもステキです。※広瀬川の再開発は先行して市が実施していて、おそらくこんな感じになる

5.銀座通り

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建物自体は比較的新しいので、リノベーションをベースに再開発。木もあって見栄えはいいけど、あまり特色がないところが課題。

6.中央通り

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シャッターが全部開いて、住む、働く、学ぶが全て行われる。子供からシニアまでが、朝から晩まで交流する商店街になる。でも、前橋の空にクジラ?やマグロ?を泳がせてはいけない(笑)

7.馬場川通り

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今の馬場川は用水路だけど、こんな親水公園になったらステキですね。こうなると馬場川通りに住みたい。今は地元の農業高校生がお花の世話をしてくれているが、そういう活動は残したいものだ。

8.県庁前けやき並木通り

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歴史資産を活かした開発(お堀!)で、ここでも1階は店舗、道は広場になる。群馬県庁と前橋市役所があるからだけど、無理して観光スポットや店舗にする事もないだろう。夜静かになるなら、住居地区にしても良いのではないか。

9.利根川河畔

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「利根川」の雄大な自然環境を活かして、施設と公園として整備。夕日を眺めながら、ここで前橋地ビールが飲めるようにしてほしい・・・

1~9までの将来像は、確かにパース(イラスト)化されることでイメージがしやすくなっている。だが、それゆえに特色がない地区があるのが際立ってしまう。MUDの目論見としての「議論のタタキ台」にはなり得ると思うが、議論する際には、まず各地区の特色を考えるべきだろう。色々な個性がある街の方が、暮らしていてオモシロそうだし。

次回もお楽しみに~


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