調子の悪い時に思い出してしまうこと
20年近く前に別れた元夫を思い出すときは、調子の悪い時だ。疲れすぎていたり、体調が悪かったりするとき、なぜか決まって思い出してしまっていた。
受けたモラハラの数々、冷たい視線、寝ていたら蹴られたこと、勝手に行ったパチンコで負けたのを私のせいにされお金をとられたこと。思い出したくない、しょーもないカスの数々を思い出す。
調子の悪いときは、危険に対応する体力が下がる。だからあらかじめ危険を察知しようと、過去の経験から危険だった場面を思い出す。これは生き残るための本能のなせる技。
頭では分かっていても、嫌なものを思い出せばメンタルの調子が悪くなる。野生動物や敵に襲われる可能性のない現代日本での暮らしにおいては、余計なお世話なのである。呼び出す必要のない幽霊である。
イラついて、さらに調子が悪くなる。
よくできたもので、過去の経験より心が大きく傷つく出来事があると、思い出す内容が変わる。
実父からの性的虐待のトラウマを開放したら父を、金づるにも労働力にもならないと母に捨てられてからは母を、思い出すようになった。
今では調子を崩すとまず、母と弟への恨み節が始まり二人を呪う。その次に父を思い出してしまう。感触もよみがえり、ぞっとする。非常に不快で逃げ出したくなる。父は他界しているので呪うこともできない。ついでにモラハラ元夫も思い出してしまう。
ストレスがかかると食べる性質なので、甘い物だの炭水化物を過食する。すでに太りすぎで醜い自分の肉体が嫌いでみじめなのに、食べてしまう。そして落ち込む。
もう、調子が悪いとなにもかもが悪循環なのだ。とにかく寝ろ!、寝てしまえ、と眠ったところで、嫌に鮮明で感触音響効果付きの悪夢を見る。
どうしたもんかねぇ。長く寝て美味しい物を食べて、それでも浮上できないときは?
それでも数日がすぎれば、いつの間にか調子が悪かったことを忘れている。浮上するときはほとんど自覚がない。風邪が治るときと同じだ。
気が付いたらもとに戻っている。
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