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③社会デビュー【タロジロと私。ときどきお父ちゃん】

愛息子タロジロへのラブレターです。 
共に過ごす時間と反比例する、たっぷりの愛情を詰め込みます。 
 
子どもに会えない親や親に会えない子どもは、愛していると伝え続けてほしい。 
 
優しい世界は自分と仲間で創造できる!! 
 
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6年生の素直タロウは、学校が「全世界」だとよく勘違い。 
 
2年生の柔軟ジロウは、学校と外界を行ったり来たり。 
 
タロジロはお母ちゃんと過ごせる時間が限られている。のんびり宿題している場合ではない。 
 
 
学校内では宿題禁止が発令中。
 
 
ある日のお母ちゃんと会う日。
ジロウは学校の休み時間に宿題をすませていた。  
 
タロジロは揉めて、二人交互にお母ちゃんへ猛アピール! 
 
お母ちゃんはいつも「なんで?」と尋ねるばかりで役立たず。ほとんど正解を教えてくれない。 
 
 
タロジロは必死なのにお母ちゃんはのんきに笑っている。

プンプンしながら可愛らしい物言いで熱戦するタロジロ。 
 
 
 
 
私はタロジロのケンカすら愛おしい。
 
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キラキラと目を輝かせながら、タロウは赤ちゃんのジロウにまとわりつく。 
 
鼻の穴を膨らませて、絵本を読み聞かせたり、はだけた布団を直したり。 
 
 
まるで小さなお母ちゃんだ。 
 
 
ジロウがこもる私のお腹に抱きつき、まだかまだかと恋焦がれた10ヶ月はダテじゃない。 
 
 
 
そんなタロウは2013年に4歳で社会デビュー。
隣町の子ども園へ通う。 
 
 
 
私はタロウのデビューに気合入りまくり。 
 
 
 
タロジロとお父ちゃんが寝静まると、巾着、手提げバッグ、シューズ入れなどなど、ダダダとミシンを走りめぐらす。 
 
夜中にジロウが泣いたらおっぱいあげて、またダダダ。 
 
 
タロウは朝起きてくると、毎回ウキウキして自分専用グッズを確認。 
 
 
ますますやる気に火が付く私。 
 
 
たいして意味のない裏地やポッケを付け足し、通園帽やリュックにまで細工が始まる。 
 
ちまちま作業し、すべて完成したのは3週間後かな。 
 
 
 
買えば楽なのに無駄な努力を全力でしたがる。
 
 
 
完成後から入園式までのおうち時間。
制服から何からすべて身に着けた、タロウのファッションショーが繰り返される。 
 
私は「かっこいー!」と大声援。 
ジロウも「うきゃっ!!」と手をパチパチ。 
 
 
 
タロウの太陽のような笑顔は、いつでも手の届く範囲にあった。 
 
なのに私はずっとジロウばかり抱っこしていた気がする。
 
 
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入園当日。 
目をランランとさせたタロウは、家族4人で車に乗り込んだ。 
 
ところが。
同級生より一回り小さい低身長のタロウは、時間を追うごとにさらに小さくなっていく。 
 
私とお父ちゃんとジロウは教室へ一緒に入ったが、入園式が始まるので式典ホールへと移動。 
 
ほどなくして私は先生に呼ばれた。 
 
 
 
タロウ大緊張して入場ギブアップ!!
私、園児と一緒に入場。 
 
 
着席後、コッソリ保護者席に戻ろうと腰をあげると、ジャケットの裾がなんだか突っ張っている。 
 
 
真っ赤なほっぺのタロウしっかりホールド中。
私、そのまま園児席。 
 
 
せっかくなので、退場もタロウと一緒にしておいた。 
 
 
 
友人知人の保護者がカワルガワルやってきて、「お母さんが主役やったね」と談笑してくれる。
 
どうせなら、タロウを抱っこして入退場すれば、もっと面白かったな。 
 
 
私もまだまだだ。
 
 
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3年後の2016年4月。
ジロウも社会デビュー。 
 
もちろん私は気合入りまくりでダダダダダ。
そして入園式当日。 
 
 
「おかーちゃん!バイバーーイ!!」 
 
 
テテテテテーーーと、ジロウは知らないお友達の中へ、さっさと紛れ込んでいった。 
 
私がフト視線を落とすと、微笑んだ8歳のタロウと目がパチリと合う。 
 
 
「バイバイやて」と私。
「さすがジロウやな!」とタロウ。 
 
 
そういやお父ちゃんはどこにいたんだろう。
 
 
 
ジロウはタロウがいるから強い。
タロウがいるからジロウは羽ばたけるんだ。 
 
 
ジロウを誇らしく褒めるタロウを、どうして私は抱きしめてあげなかったんだろう。 
 
 
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2年生ジロウがめずらしく6年生タロウに口論で圧勝。  
 
ジロウはシタリ顔。
宿題の行く末やいかに。
 
 
ある日のお母ちゃんに会う日。
帽子を深くかぶり、上がった口角だけを覗かすタロウが、お母ちゃんの車にランドセルを置きながら言った。 
 
 
「学校で宿題してきた。いっぱい遊べるで!」 
 
 
ジロウはニヤリとしながら、タロウと会話するお母ちゃんの頬辺りを見つめている。
 
 
 
素直さは危ういが大きな武器だ。 
素直タロウと柔軟ジロウ、二人でいればきっと大丈夫。
 
 
 
なぜならタロジロは誰よりも深く私から愛されている。 
 
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番外編①につづくー  
社会デビュー・FB記事(2020.12.01記) 
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≪≪・≫≫番外編①
 
☆子どもたちに優しい世界を残す夢を拡大中! 
 
▼信じる勇気で奇跡を起こせ! 

▼【親権】の民法改正の賛同活動中☆

▼国会の院内集会での私のスピーチ


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